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自分に合う言語、合わない言語

 いろんな言語を勉強していくと、自分に合う合わないの言語が出てきます。

 私の場合、ゲルマン系の言語はまるで合いません。これは感覚的な問題でもあるのですが、文法や単語からみて、「これはちょっと。。。」と思うことがよくあるのです。

 おそらくこれはその言葉を勉強する場合、その言語の性格と勉強する人の性格とが合う合わないのがあるのだと思います。ドイツ語やオランダ語といったゲルマン系の言語やフランス語といったロマンス系の言語を勉強する人は、自分に厳しいというか、物事を厳格に捉える性格の人が多い気がします。これら言語は文法的にも、例えば、名詞が男性女性中性と分かれ、それらを一つ一つ覚えた上でないと文章が組み立てられません。厳密なルールがある文法や単語の影響で、こういった言語は厳密な性格の人が好んで勉強するのかもしれません。

 一方で、私は適当な性格であるので、インドネシア語、マレー語、タイ語、クメール語といった、極端な話し、単語を並べるだけで意味が通じてしまう言語のほうがいたってラクです。フランス語のように名詞がどの性別に所属するのかをいちいち考える必要もなく、また動詞の活用もあるわけではないので。単語を覚えて並べるだけで意味が通じてどんどん会話ができる。名詞も動詞も明確にわけない場合もあり、取っ掛かりとしてはとてもいいかもしれません。

 ただ、こういった言語は欧米の言語に比べると表現できる語彙の数が少なく、いたって細かいことを表現しづらい傾向があります。インドネシアの民法の一部がいまだにオランダ語が使われているのはそのいい例でしょう。このため、なんとか駆使して英語の単語を現地語化して表現するケースも多々あるのです。マレー語でも英語から借用してきた単語はたくさんあり、ざっと思い出しただけでも、 servis(英語のservice)、kes(case)、buku(book)、restoran(restaurant)、konsep(concept)、 distributasi(distribute)といった具合です。マレー語やインドネシア語の動詞にいたっては英語からの借用語はたいがい語末を i に変えて、接頭辞をつけるというパターンが多いのです。

 また、アジアの言語の場合はローマ文字を使わない言語が多数あり、本格的に勉強しようと思うと文字をゼロから習わないといけません。「会話だけできればいい」と割り切って文字は勉強しない人もいるのですが、発音をしっかりと身につけようと思うとやはり文字の勉強は必須なのです。タイ語やクメール語はやはり文字を覚えていかないと発音はしっかりと身につきません。

 こういった長短があるので、新しい語学を勉強する場合は上記を考慮したほうがいいでしょう。自分との性格も考えながら、選んだほうがいいと思います。その言語を勉強するのも「相思相愛の関係」で取り組んだほうが学習も長続きもするでしょう。

 その言語を新たに勉強するということは、自分の人生のなかにその文化や考え方を取り込むことになります。また、その言語を話す人たちも自分の生活圏内に入ってくるということにもなります。その辺の「覚悟」も決めた上で、自分の性格に合う言語を勉強されたほうが人生をより楽しく過ごせます。

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