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語学学校の利用の仕方

 さて、今回は語学学校の利用の仕方です。
 「語学学校に行けば、上達する」と思っている方は多いのですが、正直、前にも書いたとおり、目的と目標を設定しない限り、通学しても意味がありません。それ以上に情熱がないとどうしようもないでしょう。
 私の場合、東京で英会話スクールに通っていたことがあります。学生のときでしたが、今となってはあまり意味がなかったと思っています。書店で勧誘され、そのまま入学してしまったのです。理由は、漠然と「英語のレベルを上げたい」ということだけ。ご多分に漏れず、あのスクールに行ってレベルが上ったとは思えませんでした。
 「講師はネイティブ」と謳う学校がほとんどでしょう。入学する人もそれを第一条件にする人も少なくないのでは? でも、正直、ネイティブであれば誰でもいいのでしょうか。日本語学校で日本人であるという理由だけで教員として雇われることはほとんどありませんが、英会話学校の場合は特に資格も何もないネイティブが講師になっていることも否めません。
 マレーシアは英語圏ではありませんが、準英語圏になります。都市部のほとんどは英語を話せますが、英会話学校では華人や中東の人たちが教えていることがあります。私もBritish Councilに一時期通いましたが、そのときの先生はミャンマー人でした。
 つまり、準ネイティブなんだけど、英語を教える資格はもっており、発音もきっちりと発する。英文法もしっかりと理解しており、変なネイティブより勉強になります。語学学校の先生は、特に英語の場合、絶対にネイティブである必要はあるのでしょうか。

利用の仕方
 話が少し逸れました。
 語学学校に行く前には行く目的と目標をまず設定したほうがいいです。前にもお話しましたが、目的がなければ行っても意味がありません。単に旅行会話だけでいいのか、大学に行くためなのか、ビジネス英語のためなのか、などそれが決まらないと行っても教わるものが異なり、ほとんど無駄に終わることもあります。
 マレーシアに留学する前、自分のTOEFL点数と英語のライティングの力を高めるために学校を探していました。東京でTOEFL向けの学校は多少あるものの、一番やりたかったライティング向けのクラスはほとんどありません。かろうじて麻布にあるテンプル大学の生涯教育コースのなかに英語ライティングなど海外の大学で勉強するのに必須のクラスがいくつかあったので、そこに通うことにしました。それは大変有意義なクラスでした。自分の目的に合わせて学校を選ぶと、楽しく学ぶことができるのです。
 また、前にも書きましたが、クメール語の学校に行ったときは簡単な会話と文字、発音をやることを目的に行ったので、学校側もそれに応じてくれました。学校側は期待以上のことをしてくれ、これは今でもとても役に立ったと思っています。
 「英会話を向上させたい」との目的もいいのですが、それではどういった英会話なのかも決めたほうがいいです。観光向けかビジネス向けか大学でのディスカッション向けかでそれぞれ教える側も教え方が変わります。日本の巷にある学校は、申し訳ないが、一般的な英会話の教授にだけ徹しているようで、まあ、そのほうが需要があるのでしょう。学校もビジネスをしていかないといけないので。ただ、一般英会話(この言い方もよくわかりませんが)だけだったら、学校に行く必要はなく、何千冊もある英会話関連の本を数冊買ってきて、表現の暗記とオーディオを聞いて耳を慣らす勉強をしたほうが安上がりです。極端な話、英語に関しては書籍だけで結構なレベルに行けると思います。
 英語を話せる年配の方が多くいらっしゃいますが、ほとんどの方々は若いときにNHKの英会話ラジオを聞いていらっしゃいます。当時は今ほど英語の書籍もなく、英会話学校も高かったので、無料のラジオで懸命に勉強したのです。それでも相当のレベルにまで上がるので、ご参考までに。
 
 私の場合、インドネシア語、マレー語、タイ語、広東語、クメール語とそれぞれ学校に行きました。ほとんど初心者のときでその言葉の概要と発音の仕方、若干の文法と単語を習うだけにしました。基礎がしっかりとできれば、あとは自分でなんとかなるものです。インドネシア語の場合はジャカルタ郊外のインドネシア大学(UI)内に外国人専用のコースがありますが、ここは細かくレベルが分かれていて中級者以上も勉強できるコースもあります。タイ語も中級以上のレベルを教える学校がありますが、それ以外は、いかんせん、初級止まりの学校がほとんど。このため、中級以上のレベルの人は自力でレベルを上げるしかありません。中級以上の人で学校で習いたいと思ったら、ピンポイントで教えてもらえるような学校や先生を選ぶといいと思います。
 
マンツーマンかグループか
 ほとんどの学校ではマンツーマンかグループレッスンかの選択ができると思います。マンツーマンは受講料が高め、グループのほうが安めに設定されています。しかし、この2つも何を勉強するかで決めたほうがいいかと。
 グループレッスンだと参加者のレベルに違いがあったりするので、クラス全体に影響することもあります。前に行った英会話学校では、レベルを決めるプレスメントテストやったはずなのに、どう考えてもレベルが低い人がいたことがありました。確かにグループのクラスは楽しいのですが、それで終わってしまう可能性も否定できません。人それぞれなので否定はできませんが、自分の明確な目的・目標を達成しようと思うのであれば、マンツーマンクラスがいいでしょう。
 マンツーマンの場合、先生が自分のレベルを理解してくれており、また1対1のクラスなので相談しながら授業を進めることができます。自分の目的や目標、こういったところを勉強したいといえば、それに応じてくれる学校もあるでしょう。特にマイナーな言語になればなるほど、マンツーマンのクラスになります。英語やフランス語と違い、それだけ勉強する人も少ないからです。なので、東京だとマイナーな言語を学校で勉強するにはそれ相応の金額が必要になります。

まとめ
 学校選びは慎重になりましょう。どこでもいいわけがなく、自分の目的と目標にあった学校と先生が必要です。日本の語学学校の学費は総じて高く、その金額を自分の勉強に投資するのは脱帽しますが、せっかくのお金を無駄にしないためにもしっかりと精査することが肝要です。目的・目標にあった学校で勉強すると、さらにモチベーションも上がります。

写真:シェムリアップのクメール語の学校校舎

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