ライティングのレベルを上げて会話力アップ

 さて、外国語での会話力をアップさせるなら、ライティング力を磨きましょう。中級までのレベルになってからはライティングに力を入れてみましょう。「会話ができれば十分」という方も多いとは思いますが、このライティングをやると会話の実力も上がるのです。

 会話表現や単語熟語などを覚えるのは初級レベルでは必須。最初のうちはとにかく必死に覚えること。3カ月毎日勉強していけば、どんな言語でも「どんな言語か」がわかってきます。基本的な表現ばかりを覚えていくと、会話もできてくるようになり、また簡単な聞き取りもできるようになってきます。そしてこれを土台にライティングをしていくのです。

 英語の場合、というかどの言語でも、日本語とは異なる論理展開があります。特に欧米の言葉は論理展開には一定の約束ごとがあり、これを覚える必要があります。間違っても日本の起承転結の展開を欧米言語に適用しないでください。書いていること、言っていることがまったく伝わらなくなります。

 特に英語ではこの論理展開の仕方は非常に厳しいです。英語のライティングでは、パラグラフが一つのまとまりとなりますが、一つのパラグラフには一つの主張しか入れられません。それもトピックセンテンスでまず主題を伝え、そこから具体的な内容を盛り込んでいくことが基本中の基本です。自分の意見と既成事実を混ぜてパラグラフに盛り込むことも禁止、時制を混ぜて書くこともだめです。

 こういったことを守ってその言語で書いていくと自ずと会話にもそういった論理展開で話をできるようになります。論理的な話し方をしていくと、欧米の人たちもすんなりと理解ができ、会話も進みます。それどころか、「できる人」という評価にもつながり、信頼も生まれます。

 ライティングの勉強はなかなか一筋縄ではいかないのですが、少しずつでも毎日書いていく作業をしていくといいでしょう。例えば、英語の表現力を豊かにすることもうたっている、小倉弘『例解 和文英訳教本』シリーズは初級から中級レベルの人向けのライティングの勉強におすすめで、少しずつやっていくといいでしょう。中級のレベルからさらに上級のレベルに向かうときにもこのライティングの力があるかないかが大きな差となります。

 世の中には英語をよく話せる人たちがたくさんいます。私はマレーシアに住んでいます。ここは旧イギリスの植民地でもあったので「英語圏」なので、英語が大都市ではよく通じます。しかし、実際にメールなどを書かせてみると、あまりに稚拙な英語を書く人が少なくありません。綴りや文法を間違え、文章になっておらず、言いたいことが伝わらない。結局、こういった人たちは自分の好きな話題を話す表現を口で発することには長けていますが、いざライティングになると書けないという人なのです。これはライティングの勉強をしっかりとしてこなかったためですが、少しむずかしい話になると英語では話せないという人もおり、ひとえにライティングがしっかりとできないからでしょう。

 こうならないためにはライティングの練習をしておいたほうがいいのです。特に欧米の人たちはライティングの実力でその人を判断することもあります。つまり、しっかり書ける人には信頼を置くのです。特に欧米の企業に就職したいのであれば、ライティングの向上は必須です。この実力がないと就職できないということにもなりかねません。

 会話力を上げるにはライティングも勉強していきましょう。外国語ですらすらと書けると自分の自信にもつながります。ぜひともライティングを敬遠せずにがんばって書いてみましょう。

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