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どの言語にも公式・非公式の表現があります

 言葉というのは、公の場で使われるものとカジュアルな会話で使われる、いわば公式と非公式があります。特に英語での公式な言い方はしっかりと使わないと足元を見られてしまいます。

 先日、写真の本(Dictionary of Formal vocabulary)をサイトで見つけたので買ってみました。こちらは英語の公式単語約2600語ほどがまとめられています。マレーシア人向けに作っているので、マレー語の単語も付記されていますが、この本がなかなかおもしろい。

 ある程度の正式な単語は知っていましたが、こんな単語まで正式なものがあるとは。

非公式   公式
Cat        Feline 
Dog      Canine
Drink       Imbibe
Sweet      Saccharine
Worry      Agonise

 これはなかなか勉強になります。ただ、難しい単語もいろいろと出てきて、英語の世界では「Plain English」、つまり、簡単でよくわかる単語や表現を使おうという人たちもおり、場面を変えて使えばいいのかなと思います。
 
 マレーシアでの英語教育はしっかりとした文章を書くことに専念もしています。公式・非公式の表現を教えるだけでなく、中等学校の共通試験でも「公式文書」「私信」「スピーチ」「報告」などの分野に分けて、それ相応の単語と表現を使うことが試されます。これは英語に限らず、マレー語でのテストも同様です。

 一方、これらのことからふと日本での英語教育について考えました。私の場合、学校の英語の授業で単語に公式・非公式があるというのを教わった記憶がありません。確か予備校時代の英語のクラスでも同じです。先日、英語の敬語についても書きましたが、日本の英語教育は結構肝心なところを教えていないのではないでしょうか。

 英語ネイティブからみると、日本人の英語は公式非公式の単語や表現を混ぜて話していると聞いたことがあります。これはネイティブ側にならないとわからないのですが、日本語に置き換えると「本日はご多忙のなか、会ってくれてありがとう」という感じになるのかなと思います。こういうことが英語で実際に発生もしているので、単語一つ一つもどういう場で使う必要があるのかはいちいち確かめないといけません。辞書には正式、略式、文語体など一つの単語に対してさまざまな記号をつけています。これは実は非常に重要な記号で、どういったときに使えるのかがわかるようになっています。

 こういったことさえも日本の学校では教わった記憶が私にはなく、本当に学校の先生が教えていないのであれば、日本の英語教育は何のためにやっているのでしょうか。旅行に行ったときに会話ができるだけのレベルを目指しているのでしょうか。そんなバカな。。。

 そもそも日本語でさえも、公式・非公式の書き方を教わった記憶が私にはありません。社会人になってメールや報告書は見よう見まねでやってきましたが、未だに公式文書の書き方はよくわからずじまいです。そもそもこういった公式文書の日本語での書き方といったものも国語の科目の中に取り入れない限り、「それでは英語ではどうなっているのか」といった発想すれも出てこないのではないでしょうか。

 いずれにしても、言葉はその場面で使い分けられるだけの単語と表現を身につけないといけません。特に英語やフランス語は位の上の人と話すとき、会社にレジュメを送るとき、政府に公式文書を送るとき、顧客に対してメールを送るときなどのシーンで使い方が変わってきます。そういったことも十分に意識しながら語学は勉強していかないといつまでたっても上達しないのではないでしょうか。


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