わたしが絵画講師になるまで その8
前回での内容、マニュアルの独自の視点での形を文章にて説明してみます。
例えば
『レモンを描きます』
マニュアルの仕立てとしては
レモンの形をしっかり観察して描く。
内訳は、
1、六角形のフォルム、どの角度が一番レモンらしく見えるかを考える。
2、そのフォルムに合わせた陰影のあり方。
3、机の上に置かれた状況をよく観察し、設置面の見え方、表し方を考える。
4、しっかりとレモンに見えるように描く
というのが大元、マニュアル式講義の成果として設定する部分。
ここからはその生徒各々の進め方や理解の深度、または経験年数によって付加するかどうかを考える内容と、その差し込むタイミング案
●表面の質感、光の当たり方などで質感を表現する方法 1〜
▲デッサン時にある程度質感を意識させる 1〜
▲仕上げのタイミングで入れるハイライトによる質感表現 4〜
●背景を入れることでより黄色いものをわかりやすくする方法 1〜4
▲背景の入れ方のレパートリーとタイミング説明 1〜4
■技法を駆使する場合があるというアイデア 1〜4
○グラデーションやぼかし技法での描き方 1〜3または4〜
▶︎実施に必要な道具の解説 上記のタイミングに合わせて
■背景に景色を入れるというアイデア 1〜4
○整合性の認識 3〜4
○時間的表現の指定 2〜4
●レモン以外のモチーフを入れるかどうかというアイデア 1〜3
▲質感による差 1〜2
▲配色による差 1〜2
あくまでも表記上簡易的に表していますが、このように思いつくまたは経験したことのある大体のパターンをリスト化しタイミングをを制定しておきます。
どのタイミングでどの付加項目を入れるかは生徒の進め方やリスニングで決めていきます。
上記のリストにないものが生徒からの質問や終了後に結果的に現れた場合はリストに組み込み、組み合わせを考えタイミングを精査し、次点で運用するかを考慮する。
それに合わせた指導内容の改変、維持を考えマニュアルを再構築していく、
というのが今、講座で運用するマニュアル式講義の全体像です。
大体はもっと複雑な系統で分かれており、それがみてわかる(私だけが)作りになっています。もちろん生徒のレベルに合わせた理由の説明もしやすい作りになっています。ですが、作成にはかなりの時間を要することが多く、60個作ったところで、今はほとんど新たなものは作られていないのが現状です。
もう少し体験を簡略化する実験は行っていますが、簡略化の仕方を間違えれば、数多ある教則本と同じような形になりそうで、なかなか簡易タイプを作れないでいるのも現時点では問題として残っています。
運用上は、概ね、成果が出しやすいものであることは間違いなく、利用する頻度が高いのはいうまでもありません。
ですが、作成に手間がかかりすぎるのと、ある意味ネタ切れになっている状況を考えると、もっと違った形の模索と新たな必要性を感じ始めています。次回はその今後の展望へと続けてみたいと思います。
今回はここまでです。
ありがとうございました。
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