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note版オンライン絵画講座 ①基礎の基礎 補足

1回目に基礎の基礎の話を書きましたが、その話の途中で出てきたことを少し掘り下げようと思います。

とりあえず始めた人に伝えたい。

絵を描きたいと思い、とりあえず色々な情報を集めて、道具を買って、『さあ、やるぞ!』となり、何日、何週間か続けたとします。
そこで、そんな人に言えることは?と思うと、とにかく『他人には見せない』ということがまず最初の注意点か、と思います。

よく、他人に見せたほうが早く上達する、みたいなことをおっしゃる方がいます。
それに伴って描き始めて何日。。。とか日記のようにされてる方もいらっしゃいますが、上達に必要な条件はただの他人に見せることではなく、ある程度しっかり描ける人、または専門家に見てもらうことだと思っています。
そうであれば、早く上達するかもしれません。

ただただ他人に意見を求めた結果、よく耳にするのは、「始めたすぐに他人に見せたら心ないことを言われて心が折れた」とか、「他人に言われた注意点や意見の意味がわからなかったので、自分には才能がないと思った」など、始めたすぐの人が知るべきではないことや、むしろ害になることが多すぎるからです。

まずは自分の中で温めたほうが良いかと思います。
少なくとも、続けて行くための『核』みたいなものができるまでは他人には見せないようにすることをお勧めします。

他人に注意されても自分の中にしっかりと核が生まれていれば問題ないと思いますが、
絵を描くことは心身と直結していますので、心ない言葉を言われたりすると、立ち直れないくらい深いダメージを受ける場合があります。

専門家に言われた場合は、傷になるより、少し強い薬になる可能性が高いです。
もちろんそうじゃない場合もありますので、見せる場合は慎重にお願いしたいものです。個人的にはやはりあまり見せないほうが良いかと思います。

どうしても突破口が見えないところまで来たのであれば、その限りではありません。

他人のやっていることを見れば上達するか。

二つ目は教則本やYoutubeなどでやり方を見れば上達するのかどうか、という話です。
これも、よく聞く話ですし、私の講座でもよく提案される事案でもあります。

「先生のやってる姿を見れば描けるようになる」とおっしゃる方は一定数います。
わからないでもないのですが、そう言った方々はその後「先生のやっていた方法でやってみたがうまくいかない」とおっしゃるのです。

同じことが言えるのが教則本やYoutubeを見て試してみる行為です。
当然のことながら見ただけでうまくはならないのです。
何度も描いて何度も考えた、その数が圧倒的に足らない場合、真似をしたところで付け焼き刃にしかならない、ということを是非覚悟していただきたいです。

要は、ある程度自分で試してみないことには参考にならない可能性がある、ということですね。
もっと噛み砕けば、参考元の画像や文章は初心者が読み解けるものではない可能性が高い、ということです。

意識や技術のレベルが低い状況に対しての教則ややり方指南でなければ、ただただ誤解し、有意義な気分になるだけという悲惨な結果を生み出す可能性を秘めています。
それでもよければ、止めません。が、評価されなくても恨まないでほしいものです。

教則本やYoutubeはどんなものなのか。

「何日で描ける」とか、「これさえ押さえれば大丈夫」的な文言はよくみるものですが、教える立場から言わせていただければ、ほとんど全部詐欺に近いものだと考えます。部数や再生数を上げるための誇大表記で、その実、中身はほとんど使い物にならないのが現状かと思います。

ある生徒さんが言いました。
「Youtubeで水彩画のぼかしの技法が披露されており、それを見て綺麗だなぁと思い、水彩画をやってみたいと思ったのだが、絵の具の使い方などがまるでわからない。やり方は映像に出ているが、真似をしてみても同じようにできない。そして自己嫌悪に陥ってしまい打開策がわからなくなって教室に通い始めることにした。」というお話。

何から何まで可哀想なお話です。
おそらく映像の中では、「こうすれば描けます」「あなたにも簡単に。。。」云々、
あったのだろうと推測できますが、水彩画のぼかしの技法は初心者には無理です。
一人ではできません、おそらく。

まず道具を揃えなければならないし、水彩の基本を知らなければならないし、
その上で、水彩絵の具や水の加減などの塩梅を知らなければいけない。
もっとたくさん注意点がありますが、今は割愛します。

でも、動画の中ではそういうことはすっ飛ばして、やり方だけを説明する。
そして、悪いことに「誰でもできます」とか言って紹介されてたりします。

これは、作者にそれほど悪意がなくとも、詐欺に近い状況です。
作者の「私ができたのだから」という言葉は本当にいけない言葉だと思うのですが、
私は、そういう言い方をされている動画や記事を目にして、一人突っ込んでおります。
「お前はな!」と。
でもそれを見、聞きした初心者は、できるような気がしてしまうのではないか思います。もちろん誤解させるように作られている悪質なものもあることでしょう。

動画や本などから興味が湧いた場合

できれば、専門家やある程度できる人にどうすればいいかを尋ねてほしいと思います。
そこで言われたことはほぼ正解だと思いますので、心配いりません。
それでも、あまりためにならなかった場合、最初だけでもいいので講座に入会されることをお勧めしたいと思います。
これも100%大丈夫とは言い切れませんが、少なくとも無料の動画や、ブログ、教則本よりは道を間違えにくいのではないかと考えます。

「お金をかけなくても、有料の講座の内容とほとんど同じ内容のものがたくさんweb上にある」と、おっしゃる方を見ましたが、「同じ」と「ほとんど同じ」をイコールで考えてはいけません。「ほとんど同じ」では大事なところがわからない可能性が高いのです。
しかし、まあ、その部分については検証していませんのでなんとも言えませんが、
例えば、「雑貨屋で買った698円の商品とほとんど同じ商品がダイソーで110円だった」のような話だと思いますので、そのあたりはよく考えたほうが良いかと思います。
※商品の単純比較よりも問題が難解です。あくまで例としてお考えください。

「お金をかけたくない」のような話もそこそこ見ますが、スキルを身につけるのに無料での習得では限界があると思いますし、何より、取りこぼしが激しく、ある程度描けるようになった時に取り返しのつかない状況に陥る場合もありますので、最初だけは少しお金をかけた方がよろしいかとおもいます。
それでも無料にこだわるならば、止めません。どうぞ。

何の気なしに被害に遭い、被害に遭ったことにすら気付かない方々を一から教え直すことも良くある『漂着系絵画講座』の講師としましては、切なる思いで書いています。



これを読んでくださった方の中に、もしも、質問がある方がいたら、と思うと教えたくなりますが、システム構築がまだですので、もう少しお待ちくださいませ。
システム構築が完了しましたら『言わなくてもいいことを言う系の講師』として疑問のある方々に過剰にお答えできればと考えております。

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