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田中裕介とSHIBUYA CITY FCの2022年

■オンライン会見
渋谷を拠点とするSHIBUYA CITY FCの2022新体制発表会が3月12日にオンラインで行われた。

今季は選手として活動してきた阿部翔平が監督を兼任。サポート役として、戸田和幸テクニカルダイレクター兼コーチが加わり、シーズンを戦うこととなっている。
今季は10選手が新加入するが、そのうち都合により欠席した井上大地を除く9選手(菊岡拓朗、轟木雄基、國廣周平、渡邉大生、横倉嗣竜、河田陵、田中裕介、植松亮、景山豪が意気込みなどを口にした。
渋谷という土地にチームができるとは、と話す選手も居たが、これは全く同感だ。

■「これからのここ数年が面白いタイミング」
オンラインでの発表会後、メディア向けに会見が行われた。
全体を3つのグループに分けて行われたが、阿部翔平選手兼監督、宮崎泰右キャプテンと共に取材対応した小泉翔代表取締役CEO兼GMに質問してみた。

左から阿部翔平選手兼監督、小泉翔CEO兼GM、宮崎泰右キャプテン


――近年、東京を拠点とするチームが増えていることについて、切磋琢磨する環境にあるかと思いますが、その点はどうでしょうか?また、いまのディビジョンにあることによってのチーム編成の難しさ、選手獲得の難しさはどうですか?

小泉CEO兼GMは「正直なところで言うと、もちろんライバルチームが増えて昇格の難しさがどんどん増していく」という難しさを体感しつつもクリアソンや南葛、エリース、品川といったチーム名を例示し「かなり密にコミュニケーション取らせて頂いてる」チームがあるのだと発言。彼らと「ライバルとして戦いながらも、みんなでサッカー文化と言うか、雰囲気を盛り上げていこうというところは、連携させて頂いている部分でもある」のだとしていた。

また、今現在「東京23区内に、Jリーグチームが一つも存在しません」と話す小泉CEO兼GMは「10年後に本当に5個、6個のチームが、東京都内23区内に存在する可能性を秘めている」と指摘。「これからのここ数年が面白いタイミングだと思っている」のだと笑顔を見せた。

なお、補強については「オファーのタイミング、新加入選手の補強は、かなりバッティングすることが多い」とのことで東京都1部リーグの立場では、なかなか関東リーグのチームとの争奪戦に勝ちにくい現状があるとのこと。だからこそ「早く関東リーグに上がって、そこの見え方っていうところは変えて行きたいなっていうふうには思ってます」と力強かった。


■「ここなら僕はまだ得るものがあるなっていうのを感じた」
田中裕介は、植松亮、景山豪、渡邉大生と共に3つ目のグループに登場。田中に対し、2問ほど質問させてもらった。

左から田中裕介、植松亮、景山豪、渡邉大生の各選手


田中はクラブ運営会社に籍を置き、二足のわらじを履く生活を続けているとのことで、その生活について少し聞かせてもらった。

――クラブの中での仕事もやられてるとのことですが、新しい生活はどうですか?

朝の練習で始まる1日のスケジュールは、午後に出社して社内業務を行っているのだとのこと。

「普段は基本的には朝練習をして、午後から出社ということで、会社のスポンサー営業であるとか。広報活動であるとかっていうところを、主にやっています」

また「今までやっぱり、自分恵まれてプロの世界でやらさせてもらっていた」のだと振り返る田中は「その陰にはそういう裏方の会社を支える人であるとか、地域の人々のみなさんのおかげでやっぱ、プレーができてるっていうところがあると思う」のだとして、SHIBUYA CITY FCでの活動を通し「渋谷でも僕が学んでいきたいなっていうところはありますね、はい」としていた。

――キャリアを考えると、引退してても不思議ではないのかなと思ったんですが、現役続行ということで、その原動力はどういうところにあるのでしょうか?

「昨年ちょっと怪我をして、そこもちょっと一瞬、頭にはよぎったんですけども」と話す田中は、現役続行の理由を体の回復とメンタルで説明してくれた。

「一つはそこのケガの部分が少し回復してきて。まだ出来るなっていう、そういう気持ちがまだ残っていたっていうところ」

プレーへの意欲を再確認した田中は、東京の他チームでの練習参加の中で「ここなら僕はまだ得るものがあるなっていうのを感じた」と話す。

「若い選手で、情熱を持って選手が多いんですけど。そういう選手に、やっぱり自分自身伝えるっていうところはまだできると思ったし、プレーをしながら。あと選手から僕も吸収できるなっていうのは感じれたので」

若い選手に伝えられるものがあるということと、若い選手から吸収できるものの両方を練習参加を通じて感じられたのだと田中。だからこそ、「現役を続けるという決断をしました」と話してくれた。

会見でも口にした全勝という目標を達成すべく、ぜひチームを牽引し、若い選手から吸収して少しでも成長してもらいたいところだ。


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