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「バズ(PV)」を軽視する風潮について

「軽視する」というのは言い過ぎかもしれないが、Webメディア界隈で仕事をしていると、クライアントからの「バズらせて欲しい」という要望に対して「メディアの役割をなんにもわかってない」「バズ(PV)は本質じゃない」「もっと別の指標のほうが大事」という声をよく聞く。

確かに私も以前オウンドメディアの編集長をやっていたことがあるので、言いたいことはよくわかる。「なんか盛大にバズったけど、求める成果につながってないよね」ということはよくあるし、逆のケースもある。そして逆のケースが評価されないことには、やはり不満を抱きがちだった。

「この記事あんまりバズんなかったけど内容はすごくいいんだよ」と、声を大にして言いたいことも多々あった。

ただ、プロのWeb編集/ライターにとって「バズらせる(PVを稼ぐ)」というスキルがなくてもいいのか?というと、決してそうではないと思う。決まった発行部数がある紙媒体とは違って、Webの露出(PV)は記事単位のバズりで大きく変わるからだ。

つまり課金モデル以外の媒体ではPVこそが媒体価値そのもの=収益の源になるわけで、どれだけ良質な記事を書いたとしても確信犯的にバズを生むスキルが備わっていないと、これからのWeb編集/ライターは生き残っていけないのではないかと思う。

「自分の数字」を持つことの重要性

万単位のバズというのは偶発的な要素や媒体そのものの力もあるので、「必ずバズらせてください」というオーダーは確かにきつい。ただ、プロであるならば「確実にこのくらいの数字はとる」というコミットはできるようになりたいと思う。

たとえば、自分だったら「5000PV」。この数だったら狙って取れないことはない。というのも、noteやMedium、Wordpressなどの異なる媒体で記事を書いても、自分のツイッターとフェイスブックに投稿すれば、この数字を下回ることはそんなにないからだ。

つまりこの「5000」という数字は、媒体の力を借りなくても取れる「自分が持ってる数字」ということになる。

私は編集をする人間でもあるので、こういうふうに「自分の数字」を明示してくれるライターさんはありがたいなと思う。「最近ちょっとPVが足りないんだよなー」と思ったときに仕事をお願いしやすいからだ。

数字を取るのはやりたいことをやらせてもらうため

ライター以上に編集者はPVやUUという結果を求められる。というのも、メディアの予算を決める経営陣は、内製であれ受託であれ、だいたい数字しか見ていないからだ。

だから、たとえ目的が別のところ(たとえばお問い合わせ数やブランド力向上など)にあったとしても、PVをガンガンとっている限り活躍の場を奪われることはない。

それはそれでどうかと思うけれども、数字をとっていさえすればやりたいことをやらせてもらえるというのは、ポジティブに捉えることもできる。

本当にやりたいことをやるためにも、定期的にバズを生んでPVを稼ぐ力(あるいはそういうライターさんをアサインする力)は必要なのではないだろうか。

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