そろそろ自分の手を信じなさい。

実は、手がとっても痛くて、薬局でサロンパスを購入。

子どもの頃、左の小指を怪我していまして、ピアノを弾きすぎると腫れて痛くなるのですが、ピアノを弾くものにとって、もう、こういうことは仕方がない事なので、上手に付き合ってきました。
病院でもらった貼り薬を使ったり、自分でテーピングしたり、この小指の扱いは慣れたものです。
こんな小指で、よくヒナステラなんて弾いたなぁと、学生時代の自分を褒め称えている最近ですが(笑、今回は、小指だけではなく、指も、手の筋肉も、手首も、とにかく痛いのです。

学生時代は、かなり練習していましたし、ピアノ曲だけでなく、授業や伴奏など、とにかくごはんを食べるのと同じように、毎日ずっと弾いていたので、指がいつもまわる状態でした。
しかし、仕事をするようになり、仕事用のピアノは弾きますが、きちんと譜読みをしたり、エチュードを弾いたり、いわゆる「楽曲を弾く」という作業から遠ざかり、どんどんテクニックが落ちていきました。
私の強みであった音色も、どんどん荒くなっていきました。

自分の意志とは反した弾き方を、仕事で求められることもあり、段々とそれがデフォルトになりつつあり、私も器用に使い分けられれば良かったのですが、なかなか難しく...

数年前から恩師のところにカムバックし、定期的に通ってはいましたが、なかなか戻すことが難しく、音色や手の使い方、学生時代の手に戻らないもどかしさ、色々苦戦していました。
今回、受験に向けてレッスンしてもらう事になり、やはり気持ちがこれまでと違うのもあり、また、ぐんぐん手が変わっていきました。

この感覚は久しぶりでした。
先生には「そろそろ自分の手を信じなさい。」と。
手は戻っているのに、頭で「まだ戻っていない」と手を信用していないから、いい音が鳴るのに変な手の使い方で妨げていたりしている、と。
嬉しい言葉でした。

もちろん、まだまだ私は勉強が必要です。
でも、こうやってピアノに向き合っていると、もっといろいろな曲を弾きたいし、もっと上手になりたい、と心から感じます。
これから、また素晴らしい作品に出会えると想像するだけで、幸せな気持ちになれます。
仕事から少し離れ、自分に向き合い、音楽に向き合い、ピアノに向き合い、先生には「良いタイミングでこうやって勉強できて、手を戻すことができたんじゃない?」と言われました。

自分をちゃんと表現し、審査員に伝えられるか、が私の勝負どころです。
7,8割出せたら、私の中ではハナマル◎です。

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