初めての舞台発表

無事、Covidを克服し、元気に生活しております。
スイスは症状がでてから5日間の隔離でして、その後は、いくつかの症状を確認して、自由となります。
特に検査が必要、とかは無いんです。

隔離中に練習

実は、Covidの症状が出た日から一週間後に、大事な舞台発表が控えていました。
毎週金曜日3時間、練習を重ねて、その集大成である大事な舞台発表があり、特に、ここ二週間はほぼ毎日、2~3時間は練習をする日々でした。
陽性になり、すぐ仲間に連絡し、隔離が必要な事、もしかすると本番に出れないかもしれないこと、などを報告。
同時に、担当教師と、学科長に連絡しました。

この本番は、学生がディレクションし、学生が照明操作をし、学生が出演し、という全てグループごとに行う発表なのですが、特に、ディレクションする学生には、本当に不安な気持ちにさせてしまったと、申し訳なく思いました。

幸い、私は軽症でしたので、隔離三日目からオンラインで練習を繋ぎ、見学しながら、変更点を確認。
しかし、これが地味にきつかったです(笑)
軽症とはいっても、やはり体調は悪いので、できれば静かに横になりたい、でも、オンラインでつなぐと着替えなくちゃいけないし、髪の毛も直さなくちゃ、ちょっと眉毛位は書いとこうか…(笑)、なんだかんだ色々あるんですよね。
背景に映るところは片づけるか、とかね。
でも、とりあえず、二日間はオンラインを繋ぐことになりました。

隔離中に全て変更?!

私はとある演目で、男の子とDuoを踊る場面がありました。
ほぼ、ソロのような動きと、二人で行う動き。
ステージ上には6人いるのですが、4人は凄くゆっくり動く中、コントラストを付けた振り付けになっており、私と相方は激しい動きをする演出でした。
しかし、相方が腰を負傷。そして私はCovidで隔離。
相方は激しい動きが出来なくなってしまったので、無理のない動きに変更となり、それに伴い、私の動きも全て変わりました。
実際に動いて行える練習は隔離があけた本番前日のみ。
しかも、私は変わらず、いや、むしろ前よりも激しい動きとなっていたのです!!笑
オンラインで動きを確認して、ちゃんと出来るか、かなり不安でした。

FFP2マスクをつけて、前日に1時間練習

隔離が終わり、家でのテストは「うっすら二本線」の陽性。。。
仲間に報告し、学校の先生にも報告し「FFP2マスクをつけて練習しなさい」と、お達しが。
皆不安じゃないんですね…(笑)
こういう所は、やっぱり、日本とは大きく違いますね。
日本だったら、絶対に来ないで!ってなると思うんです。
でも、
「体調が悪くないなら来て!気にしないから!マスクすればいいし!」
みたいな(笑)
こっちが心配になるほどです。

結局、特殊なマスクをつけて、Duoの相手と、ディレクションする友人と三人で変更になった動きを練習しました。

どうしても様にならない私の動き。
友人の動きの映像と、自分の動きの映像を何度も見比べて、何が違うのか探し、練習後、家に帰ってからも、ずっと映像を見比べて、イメージトレーニングしました。

本番前

ウォーミングアップしていると、少しずつ身体が温まり、元気になってきました。
実は3キロ程痩せたのと、体力が落ちている感じがしていたので、色々心配だったのですが、動き始めて、なんだか出来そうな気持ちに。
仲間の作ったステージを成功させたい、という気持ちも大きかったので、様々な条件がパワーに変換されたんだと思います。
仲間に動きの映像を撮ってもらい、更に自分の動きを確認。
何とかなる気がする…という感じでした。

あっという間のステージ

本番は大成功。
Duoの動きは、お披露目リハーサルとはガラッと変わっていたので、結構みんなびっくりしたようで、本当に大好評でした。
私は2つの作品に参加したのですが、どちらもとてもよい出来でした。
良い仲間に恵まれて、本当に楽しく、幸せな数分間を過ごせました。

学科長の作品で

今回の発表で使用した楽曲は、学科長が学生の頃に作曲した曲でした。
今年で退職する学科長に、これまでの敬意を表して、楽曲を舞台で使う事になったのです。
最後の挨拶では「… mes étudiants…」(私の生徒たち、という意味)という言葉を聴いて、泣きそうになってしまった私。
とても厳しい先生で、私も結構きつくされたことがあったのですが、先生の愛のある言葉にジーンときてしまいました。
絶対嬉しいですよね。自分の大事な作品を、退職前に学生たちが使って、新たな作品として日の目を見るんですから。
私もそういう終わりになる様に、頑張って良い指導者になりたいと思いました。

帰りの挨拶で

私はまだフランス語が堪能ではありませんが、隔離で先生に心配と迷惑をかけましたし、しかし無事舞台に参加できたと、色々あったので、挨拶はして帰りたいと思っていました。
学生と話している所、無理やり声をかけ、体調が良くなったことと、お礼をいいました。
先生は身体をさすってくれました。
うぅ…やさしい…

仲間に助けてもらって

初めての舞台発表、本当に緊張しましたし、手探りな事が多く、仲間に沢山助けてもらった日々でした。
みんなそれぞれ個性があり、得意な事があり、本当に魅力的な仲間たち。
本当に良い出会いだと感じました。

隔離になっても、私をDuoの動きに使ってくれたのは、なぜなのか、実は未だに不思議です。
だって、私は特別動きが上手なわけじゃないと思っているし…
でも友人曰く、「休んでいても、病み上がりでも、やり遂げてくれると思っていたんじゃない?すごく信頼していたんだと思う」と。
いつか、ちゃんと聞いてみようと思います。

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