本心だけど本心じゃないように見えるリアルの世界って怖くないですか

リアリティ番組に出演していた女の子がネットの誹謗中傷によって自死するというわりとショッキングなニュース。

ネットリテラシーについてフォーカスされているけど、ちょっと視点を変えてリアリティ番組は何を目的としているのか、そもそも必要なのかを考えてみた。

私は正直苦手で、他人の日常を覗き見している感じが好きではなくて観たことがないのだけど、うちの夫は結構好きでそういう類のものを私がいない時に観ている。

件のシーンについては、私が入浴中に夫が見ていて、浴室からリビングに戻ってきたときにちょうど耳にしたのだけど(スキンケアをしていたので観てはいない)、とにかく不快だった。原因は分からないけど、女の子が「お前のせいでこうなったんだろ、なんとか言えよ!」とわりと強めに仲間の誰かを責めていて、周りの人間たちが彼女を刺激しないように気を遣いながら諭しているようにみえた。

他人同士のリアル口論なんて、聞いていて気分のいいものではない。なにより、リアリティが売りなのに芝居じみた空気に違和感があった。

自傷行為を繰り返す子たちのそれととてもよく似ていると思った。本心だけど本心じゃない、みたいな。

それはキャストたちの性格なのかテレビを意識しているからなのか、その番組は一部フィクションという扱いなのか私には分からないし、日常を切り取るコンテンツならSNSで十分じゃないかとも思うし、わざわざ見知らぬ男女を集めて同居させる意味があるのだろうかと思っている。自分自身をコンテンツ化するのは様々なリスクを伴うことは想像できるし、問題が起きたときの責任の所在や守ってもらえる保証があるのかっていう不透明さは気になるところではある。

鳥飼茜さんの漫画の話をさせてもらうと、彼女の作品は人間のドロドロとした感情が真正面から描かれていて目を背けたくなるし胸が痛くなって辛くなるけど、フィクションを前提としているのに登場人物たちはそれぞれの発言に責任を持っていて、とても愛を感じる。読後は爽やかではないけれども、弱くて情けない自分を肯定してくれる。そんな風にドラマや漫画、小説に救われた経験がある人は私だけではないはずだ。

台本がある役者さんたちは台詞の一つ一つを丁寧に紐解いて演じるから心に響くのだと思う。日常で発言の一つ一つに責任を持って生活している人はどれくらいいるだろうか。

ありそうな日常よりも、誰かを救うフィクションのほうが私は好きだ。

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