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スキ50超えの記事

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#恋愛

『鬱』な花嫁

深夜2時。川の音がゴーゴーと響き渡る真っ暗で開けた車道。 アクセルを一気に全開にして、このままブレーキを踏まなければ、 もしかしたら少しは楽になれるのかもしれない、そう思った。 *** 2019年の春。私は東京の外資系コンサル企業に勤めていた。 入社をして5年。振り返れば辛いこともあったけれど、それ以上に仕事にやりがいを感じている時期でもあった。 常により上へ、より高いところへ、一息もつくことなく走り続けている感じ。走り続けることは大変だけれど、日々自分が成長できている

【質問】なんで旦那さんと結婚したの?

結婚式まで10日をきりました。 オミクロンの感染が拡大していますね。 皆様、ご体調は大丈夫でしょうか。 この状況下でもあり、無事に式を挙げることができるか分かりませんが、 「大丈夫かな?」と色々考えたところで意味がないので、なるがままにといいますか、流れに身を任せて、一番最適だと思う選択を取りたいなと思っています。 とはいっても、人生でとても思い出に残る1日だと思うので、 「オミクロンめ…」と不安になったりセンチメンタルになってしまっているのが正直なところ。 外出も怖

夫からの初めてのらぶれたー

「Etoileはどの作品が一番好きだった?」 夫はお土産屋さんのポストカードコーナーの前に立って私に尋ねた。 私と夫の最近の鉄板デートは美術館巡り。 「俺も美術館でも行って教養をつけないといけないからな。」 と夫は言いますが、私はちゃんと彼の本心を分かっています。 体調を崩し、以前のように外ではしゃぐことが難しくなってしまった私を見かねて、それなら室内で落ち着いた雰囲気の中自分たちのペースでゆっくりと見て回ることができる美術館デートなら二人で楽しめるのではないか、 きっ

ある日の夫婦の恋愛は春菊から始まった

お鍋の季節になりましたね。 私たち夫婦は、晩御飯にお鍋をすることが多いです。 たとえ夏でも、私たちはお鍋が大好きですが、本格的に寒くなってきている今日この頃、これからより一層お鍋を食べることが多くなりそうです。 具材を切って入れてしまえば完成しますし、 スープを変えれば色んな味を楽しめますし、 一品で沢山の栄養をしっかりと摂ることができますし、 お鍋って偉大だと結構小さい頃から思っています。 *** ある日のこと。 夫が晩御飯を作ってくれるということで、私は久々にキ

家庭内遠距離恋愛って案外ロマンティックだったりする

夕食を終えてテレビを見ながらソファーで寛いでいると、夫からのLINE。 「今日の体調はどうでしたか?」 「今会社から帰っています。時間あったら22時頃に電話をしませんか?」 夫からの連絡は、最近なぜか敬語だ。 「お疲れ様ー!今日の体調は普通でした。」 「電話了解!」 私の返信はいつもこんな感じ。 22時近くになると、「ごめん、22時半でも良いですか?」と連絡があって、22時半頃に電話がかかってくるというのがお決まりのパターン。 私は今、病気療養中のため、1ヶ月近く実

私は素敵な女性になっていますか

20歳の時、彼に出会った。彼はバイク好きで革ジャンが好きでクロムハーツ愛好者だった。強面なのに涙もろくて、家族を大切にしていて、人間味のある人だった。 彼とは大学時代に出会った。東京に住んでいた私は、ひょんなことから大阪の大学に期間限定で通うこととなり、そこで出会ったのだ。 彼は大学のクラスでも目立っていた。身長が高く、人を笑わせることが得意で、クラスのムードメーカー的存在であった。東京出身で、あまり人との付き合いが得意でない私は、根っからの関西人で、声が大きくて、人との