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瀬波太一のおかげ

瀬波太一。映画「恋を知らない僕たちは」で猪狩蒼弥くんが演じた17歳の男の子です。私はあまり恋愛映画の類が得意ではない方で、イマイチ登場人物の考えることも共感出来ず分からないなーとなってしまう非常に残念な個性の持ち主なのですが今回本当に太一くんに同情した。周りの人間の恋愛が下手くそすぎる。瀬波太一、お前がいたおかげで全員の恋愛が上手くいった!!!!!!!と言いたくなるような作品でした。
(作品自体を非難したいとかいう意思は全くありません。非常に面白い作品でしたので皆さん劇場まだ足を運んでみてください。)
(※太一部分の内容のネタバレを含みます。映画を観たあとでの閲覧をおすすめします)

とりあえず登場人物全員のサポートをしつつ自分の気持ちに真っ直ぐと向き合い正面から恋をする瀬波太一くん。彼があまりにもいい人すぎる。いい人すぎるよ展に入れるべきエピソード10個くらいある。冗談抜きで。他のみんなの恋が上手くいったのって全部太一くんのおかげなのでは?となるほどには徹底したサポートを行っていました。時系列はバラバラですが全員の恋を後押しする瀬波太一を味わってほしいので登場シーンの感想などは後で。
まず直彦・泉ペア。一見関係ないのでは、?となるかもしれませんが泉に英二がキスをしてしまい英二、泉、直彦の気持ちがぐちゃぐちゃになってしまい終わりの空気になったところで現れます。瀬波太一です。『自分の親友と彼女がキスをした』という事実に気が沈んでしまい教室に1人いる直彦にラムネを2本持った太一くんが鼻歌を歌いながら登場し、「飲むぞ!」とサイダーを差し出し直彦を連行します。いい人すぎるよ。うめ〜♩と言いながらラムネを飲む太一に直彦は「いつかこうなるんじゃないか。そう思っていたんだ。本当は泉は英二のことが好きで、俺はそれを邪魔したんじゃないかって。」などとクソ重い話をします。太一くんは「そんなことねえって!お前も飲めよ!ほら〜上手に開いた!」などと呑気に直彦を自分なりに気遣います。

いい人すぎるよ。あとラムネ本当に開けるの苦戦してたらしくて綺麗に開いた時嬉しそうな声色になったのがよかった。可愛すぎるよ。直彦と英二が仲直りできたことに心底喜んでハグしちゃう瀬波太一、いい人すぎるよ。

次は英二と小春です。こいつら本当に人騒がせな2人でした。顔が可愛いので許しますがリアルにこんな人間いたらたまったもんじゃないよ。小春に関しては直接太一くんとの関わりはありません。最後の最後でライブ見に来るくらいじゃない?ほぼない。てか泉との関わりもない。女性陣は瑞穂としか関わってない。まあそれは置いといてここの2人も実はサポートしてます。とはいえ直接気持ちに気づかせてくれたのは直彦だけどそのきっかけは太一くん発信。瑞穂に気持ちを伝えるよう背中を押してあげ、それによって瑞穂は自分の気持ちを伝え、英二に恋の自覚を芽生えさせます。まあこれくらいしかしてないと言えばそうなんだけどそもそもこの2人が付き合うきっかけになったのも花火大会の話があってのことだし話は全て「瀬波太一のおかげ」ということになる。

最後に瑞穂。私はこの子を讃えたい。瀬波くんの次にいい人だと思う。まあ気持ちが移ろいやすいのはどうかと思うけど。ここの登場人物1/2の確率で好きな人すーぐ変わる激チョロ人間だから本当にありえないよ。もっと真剣に恋しろ😡
話が脱線したので戻します。太一くんって瑞穂が好きなのに瑞穂の恋に協力的すぎる。お前の方がスタイリッシュだし一途だしギター弾けるし声メロいし絶対いいよ。本当に。もっと自我出してもいいよ。って叫びそうになるくらいには本当にいい人すぎた。途中太一くんが行動しようとする場面がいくつもあるんだけど全部心の中で応援してました。瑞穂は英二に恋をして、でもその感情が上手く分からなくて困惑してしまいます。小春に対して「嫉妬」という感情も溢れるのですがその正体にも気づけません。そんな中、太一くんが関係図を描いたノートを落としてしまい、瑞穂が拾います。大焦りしながら拾いにきた太一くんですが後一歩のところで間に合いませんでした。

恋僕関係図(瀬波太一作)

自分の名前の「池澤瑞穂」から「相原英二」に向く♡の矢印で瑞穂は困惑でいっぱいの表情で太一くんを見ます。太一くんは「あ、、これは俺の妄想っていうか、、その、、」と言いながら少しずつ近づきます。瑞穂はそんな太一くんに気持ちの正体を問いかけます。「こんな自分が嫌になるの。これが恋だなんて、、」太一くんは「そういう人間らしい池澤もいいと思う。」と優しく肯定します。そんな中、瑞穂は自分に向いている矢印の存在に気づきます。そうです。「瀬波太一」から伸びるバカでか矢印です。瑞穂はこれも同様に困惑します。「これって、、」そんな瑞穂に太一くんは近づき、ノートを取ります。

「俺は、池澤が相原を好きっていうならその気持ちを応援するよ。」

いい人すぎるよ。人の気持ちを否定するのはよくないけど、好きな女の子の恋をここまで一途に応援できる太一くんって素晴らしいよ。こんなこと言える?好きな子に対してこんな優しい言葉かけられる?「俺にしときなよ。」とか言っちゃいそうなビジュアルしてるのに優しく包み込むように瑞穂の気持ちを認めてくれる太一くんって素晴らしくいい人なんだ。瑞穂もこの辺りから少しずつ太一くんを気にかけるような描写が見えます。サイコー!
いよいよ物語もクライマックスになり太一は瑞穂を自分のライブに誘います。「相原も来るからさ!」と。(←初めて自分から誘えて偉いね!)しかし答えはまさかのNO。「もういいのよ、相原くんのことは。」と瑞穂は言います。そんな瑞穂に対して、

「ちゃんと認めてあげなきゃ。その好きって気持ちが可哀想だ。」

ねえ素敵すぎる。なんで一途にここまで応援できるの?少しはこの気持ちに付け入ろうとか思わないの?いい人すぎるよ。瀬波太一。最終的になんやかんやあって瑞穂は英二に告白し、結果は惨敗。その後ギターの練習をしていた太一くんのところに行き、「ごめんなさい、せっかく応援するって言ってくれたのに、」と泣きながら伝えます。このシーンなんか私まで泣けた。瑞穂は勇気を出して想いを伝えたし「恋」に気づいてから誰よりも人間らしく努力したなと思えました。流石の太一くんも好きな女の子の泣いてる姿を放置しておくような薄情な人間ではありません。柵に寄りかかる瑞穂の腕を掴み抱きしめます。「思い切り泣いていいから。」と自分が振られたんか?みたいな顔しながら瑞穂がわんわん子供みたいに泣いてしまうのを受け止めます。振られて傷心した心に漬け込むのではなく優しく寄り添おうとする太一くんこそみんなが好きになる「いい人」なんだろうなと感じました。(恋僕試写後のスタッフさんからも評判が良かったらしい、猪狩くんは誇らしげだった)
最後のライブに瑞穂も来てくれアワアワしつつも最後にビシッと決める太一くんメロすぎたなー。

「俺は今恋してます!好きな人を思ってこの歌詞を書きました。これを歌い終わったら、好きな人に感想を聞きたいと思います。」

と言ってから瑞穂を見つめて歌い出す太一くんがメロすぎて涙出ました。あと普通にライブの猪狩くん思い出して気が狂うかと思った。歌上手すぎるしギターも素人から始めたと思えないくらいの上手さだった。ライブで出来そうならぜひやってほしい。最後に瑞穂と幸せになった描写はないもののステージに立つ太一くんを見つめる瑞穂は完全に恋をしていたのでこのまま上手くいくんだろうなー、素敵な恋できるといいな。(原作ではみんなの前で告白して付き合いますが映画では描写なし)

長々と瀬波太一の立ち回り、及び瑞穂とのシーンについて語りました。「かわいい〜🫠💘」と蕩けながら登場するシーンも真剣な顔で瑞穂に気持ちを伝えるシーンも全部天才。何から何まで天才。新妻くんの時は考えていることが分かるようで掴めないあの独特なキャラクターに惹かれ、どこか闇を抱えた姿が非常に良かったと思いましたが、今回の太一くんのようなTHE光属性のようなキャラクターも似合うなー。猪狩くんがどちらのキャラクターも真剣に演じてくれたおかげでこちらも楽しんで作品を鑑賞できました。

瀬波太一というキャラクターは底なしにいい人で登場人物の誰よりも恋に真っ直ぐだったと感じます。太一くん、絶対に幸せになってね。