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タイの珍しいフルーツ「マヨンチット」を味わう。

タイの短い乾期が過ぎ去り、蒸し暑さが戻ってきた。この季節から5月ごろまでは、マンゴーが旬を迎える。しかし今年は、あえて違う果物に挑戦してみようと思い立った。そう、マンゴーに似ているけれど、まだ日本ではあまり知られていない「マヨンチット」だ。

マヨンチットは、東南アジア原産のサポテ科の常緑高木の実であり、別名はプラム・マンゴーとも呼ばれている。外見は直径5〜8cmほどの紫色の丸い果実で、果皮は厚くて硬いのが特徴だ。2月中旬から4月中旬までのわずか2ヶ月間しか出回らない希少なフルーツで、タイの高級スーパーでは1kgで約299バーツ(約1,200円)と、他の果物と比べてかなり高価だ。それでも、その美味しさは折り紙付きだと聞いて、ずっと気になっていた。

マヨンチットを切ってみると、中には真っ白な果肉が6〜8つに分かれて詰まっている。果肉は柔らかくゼリー状で、甘酸っぱい上品な味わいが特徴的だ。種は少なく食べやすいのも魅力の一つだ。口に含んだ瞬間、酸味を帯びたマンゴーのような味わいが広がり、噛むと、プルンとした桃のような食感が楽しめる。まるでマンゴーと柿、桃に酸味をプラスしたような独特の味わいだ。

実は、マヨンチットと見分けがつかないほどそっくりな「マプラーン」というフルーツもあるそうだ。味わいは甘くて柿に近いとのこと。現地の人たちは、見た目や味の微妙な違いで見分けているのだろう。

栄養面では、ビタミンCやカルシウム、食物繊維などが豊富に含まれており、抗酸化作用のあるキサントンという成分も注目されている。健康や美容に良いとされているのも魅力的だ。

旬の時期になるとあちこちで売られているのを目にする。マヨンチットは生で食べるのが一般的だが、サラダやデザートに使われることもあり、タイレストランやカフェではマヨンチットを使った季節メニューが店の看板に並ぶ。

一年中暑いタイにも、四季折々の花や果物が存在する。5月以降はマンゴスチンやライチ、パッションフルーツなど、美味しいフルーツが目白押しだ。この機会にマヨンチットを皮切りに、タイの果物を存分に堪能していきたい。

一見すると特異な見た目のマヨンチットだが、その味わいは絶品だ。日本ではまだあまり馴染みのないフルーツだが、独特の味わいとヘルシーさから、今後人気が出てくるかもしれない。未知の果物に出会えるのは、旅の醍醐味の一つ。見た目に惑わされず、勇気を出して口にすれば、そこには新たな味覚の世界が広がっているのだ。

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