さよならドビュッシー
物語の後半に入って,ピアノ講師の岬さんと主人公の遙のコンビでピアノのレッスンを積み、コンテストに挑戦する様子は圧巻だ。
ピアノの実演を文章で再現してみせる著書の筆力がすごい。
クラッシックに疎い自分でも、演奏者の指の動きや体の躍動感、そして、会場の雰囲気や観客の表情が手にとるようにわかる。
今,83%(Kindle版)まで読み進めてきた。
ラストスパートが楽しみだ。
ミステリであること忘れさせるほど、演奏の空間に浸れる。
ミステリという形をとっているが、ある少女の事故(主人公香月遙はある夜自宅が火事になり同じ建物にいた大好きな祖父と仲良しだった従姉妹を失う。本人も全身に火傷を負い九死に一生の目に遭う)その絶望からの再生物語でもある。
一つの才能に賭ける若者とそれを支える熱き指導者の物語でもある。
ここからまた最後に犯人探しの物語にどうやって戻すのだろう。
なにしろ著者の中山七里は、どんでん返しで有名な作家だ。
その展開も楽しみだ。
以上、できるだけ、ネタバレにならないように、本の感想を書いてみました。
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