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ドロマーハンデス(オリジナル)について

全国十万人のドロマーハンデスファンの皆様、お初にお目にかかります。ふぃーあと申します。

本日は私が個人で『龍素記号wD サイクルペディア』が出て以降継続的に調整を行っているオリジナルにおけるドロマーハンデスが、新弾『デーモン・オブ・ハイパームーン』で新たな形のアプローチを得ましたのでご紹介いたします。

その前に、ドロマーハンデスというデッキを握りたい、あるいは握らないけどメタ外だし知らないという方に大略だけでもお話させてください。知ってる人は下の『ハイパー化型』の見出しまでどうぞ。

ドロマーハンデスは、名前の通りドロマーカラーリングで構築されたハンデスデッキです。『ドロマーロージア』というデッキから派生しており、超天期には『ドロマーGRハンデスダンテ』としてある程度のパワーを有したデッキとして存在していたアーキタイプを、GRを用いずオリジナルにしたものになります。

大別して2パターン存在しており、ひとつは『魔王と天使のカナシミ』や『ブレイン・タッチ』など、青黒の強力なランダムハンデス兼ドローソースを用いて時間を稼ぎ、フィニッシュに繋ぐパターン。

そして、この度皆様にご紹介する、ピーピングハンデス……『マインド・リセット』や『密かで華麗なるカイタイ』を用いて適切に相手のハンドを削って意図的に事故を作り出すことで時間を稼ぐパターンです。

パターンが生まれるに至った理由として、そもそもドロマーハンデスには複数のプランニングが存在していました。共通して、『奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー』からコスト5以下のブロッカーを踏み倒すことをメインプランに据えて構築されます。

テレスコ型

まずひとつは、『望遠 テレスコ・テレス』を採用したテレスコ型です。当時調整していたリストがこちらになります。

テレスコ型って言ってるのにテレスコが4入ってない

この形の強みは自由枠の多さです。テレスコはシナジーするカードが『捨てさせるハンデスすべて』であると言えます。また、2枚目の自分自身とも強力にシナジーし、ハンドを供給します。その結果、ピン積みや2積みの強力な札にアクセスすることができ、形にハマれば強力でした。

一方で、テレスコが処理されると重い、そもそもアイオブテレスコのレンジでハンデスをスタートすることがもう間違っていると感じられるほどゲームの致命的展開に繋がる速度が向上するなど、『強いんだけど噛み合わない』部分がありました。

アーテル型

そこで、雑にリソースを拡充するプランニングを探し求めた結果、第2に構築することとなったのが『魔覇革命』にて登場した例の車。

『アーテル・ゴルギーニ』を採用した、アーテル型ドロマーハンデスでした。リストを見ていきましょう。

車は最強だった

『アーテル・ゴルギーニ』は逆にシナジーするカードが限られてきます。しかし、そのシナジーの雑な出力の高さ故に好んで使うこととなっていました。

4以下蘇生能力で主に踏み倒すのはやはり後に紹介しますがドロマーハンデス鉄板、【アイオブペディアアイオブイザナギカイタイサーチカイタイ】という魔法の呪文を可能にする、『蒼狼の始祖 イザナギテラス』。

そして、現環境序盤の最強ハンデスとなりつつある『マインド・リセット』を内蔵したドロマーのためのドローソース、『セブ・コアクマン』でしょう。

特筆すべきはセブコアクマンです。ハンデスの必要が無い時に墓地からアーテルで吊り上げられるこのカードが生み出す2-3アドは、ゲームをより有利に進める、あるいは致命的な差をつけるのに極めて有用でした。

また、この時期からは『時の法皇 ミラダンテXII』と『ファイナル・ストップ』のパッケージを抜き、『CRYMAX ジャオウガ』を採用し、最大の敵であった赤緑アポロヌスの滅亡のためオリオティスジャッジを不採用にしました。

特筆すべきは『ルソー・モンテス/法と契約の秤』。ペディア下で2回唱え、1度目でアーテルを踏み倒し。ペディアの効果で唱え直す関係上、唱え直しを待機してアーテルを解決し、8枚墓地を肥やしてから、落ちたジャオウガを蘇生することでゲームエンドプランになっています。

その他、ペディアたちが除去られた際の吊り上げ札にもなっているので極めて有用なカードでした。墓地が肥えるギミックが入っていなくても、相手の除去札の後にブッパなすシルバーバレットとしての採用は面白いと思います。『深淵の暖炉 マーダン・ロウ』とかゴミにできますからね。あとクラジャ落とされた返しにモンテスツモって勝った試合があります。そういうことです。

さて、では本題に入りましょう。

ハイパー化型

今回、新弾である『デーモン・オブ・ハイパームーン』で獲得した偉大な新規。そのカードこそが、パックの目玉、オーバーレアとして収録された『光喜の夜 エルボロム』です。

全ての能力がドロマーハンデスに足りなかった要素の補完

まず着目すべきは5マナ域の光のブロッカーである点です。アイ・オブ・ザ・タイガーの踏み倒し範囲であり、かつ光単であるため埋めた際『カイタイ』や強力な光のメタクリーチャーのマナ色になります。

この時点で私は『ドロマーハンデス新規かな?』と薄々思っていましたが、能力を読んで確信に至りました。コイツはドロマーハンデスのためのカードです。

まず、自身含む超化獣が場に出た際クリーチャーを一体ターンのはじめにアンタップできないタップ状態……長いんでフリーズタップと呼びますが、フリーズタップさせる能力。極めて噛み合ってます。

今までのドロマーハンデスは、4まで耐えたところでペディアと合わせ、2面ブロッカーを展開して返す、というところまでしかいけない、というところがありました。速攻をかけてくる相手などに盤面で不利を背負ったりしていたのですが、エルボロムはこれをフリーズタップで解決します。

また、フリーズタップすることで次に紹介するカード……『霊淵 ゴツンマ・ダンマ』ハイパー化からの攻撃を安全に1回行える点は大変優れています。

そして、肝心要のハイパー化時攻撃能力。

『プレイヤーを殴ると3枚めくって8になるように超化獣踏み倒し、踏み倒さない場合はハンドに加える』……すごいこと書いてありますね。3点行く勇気は必要になってきますが、殴ると3ドローです。たまにエルボロム本人が増えてすごいことになります。この能力がヤバすぎるので、現在安全に殴れるようになる札を採用するかを検討しています。具体的には『奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ』。

受けが弱い『アナカラージャオウガリペア』などには、積極的なビートダウンを行うのもこのカードによってプランに入ってきました。

また、ドローこそありませんがタップキルするにも12500のパワーという極めて高いスペックをお持ちなので、タップキルコントロールにも繋がります。

全体的に極めて真面目に強いスペックです。が、同弾にはもう1枚、極めて不真面目に強いスペックのカードが存在していました。

神。

新たなる神、不真面目なパワーの象徴、先行有利ゲー開幕。真なる王こと、ゴツンマさんです。

このカードとの同時登場により、エルボロムさんは真のスペックを発揮するに至りました。すなわち、2ハンデスを安全に通す、という極限スペックです。

このスペックの何がおぞましいかと言うと、ゴツンマが生き残る限り永続的に2ハンデスしてくる部分。

トリッパーを取れないと2ハンデス飛んでくるのはかなり……クソなのでは?うん。実際なんか調整で出たフェスで優勝しましたが対面ちょっとあったまってました。わかる。

ひとまず、フェスに出た後にしばらく調整して出来たいわば『原案』のようなものがこちらになります。

極めて枠がタイト

入れたいものを入れると枠がなくなり、以前と比べてパワーが上がった代わりにメタが減りました。

メタらずともハンデスで抜けばいいし止めればいい、という思想ですね。細部を見ていこうと思います。

まず、『7777777』に関しては、現環境におけるオリオティスジャッジの互換枠だと思ってください。黒緑アビスにぶん投げる最大の妨害です。というかアビスにもマジックにもギリギリ刺さりそうな3以下の除去はこれしかありません。

自由枠はブレインタッチ、そしてなぜ離れでしょうか。リソース源のドローソースは欲しいのでブレインタッチから抜いていくことになると思います。また、新規パワカがどいつもこいつも墓地利用するのでなぜ離れは今はまだ積み得だと考えます。

なんなら『堕呪 ブラッドゥ』の採用を考えてます。コストが軽くて上が生き物なので……。

考えている、と言えばアビスから革命チェンジできる『機深天 クロフェシー』は一考の余地があります。

相手に横向きを作っておけばエルボロム3点からゴツンマクロフェシー3ハンデスで残りを刈り取れる、という寸法です。ですが、まあ……テレスコをその枠に積んでおけば良いのではないでしょうか。私はそう思いました。

その他、相性のいいカードがあるとか思った方は何かしら教えてくれると助かります。

話がズレました。細かく見ていくところでしたね。ペディア、アイ・オブ・ザ・タイガー、エルボロム、ゴツンマ、カイタイ、セブコア/マイリセまでは4積み確定として、あと気になるところは……

コットンでしょうか。『神判のカルマ コットン』は2cで出せるボンキゴマイムであることに加え、カクメイジンやデスロードなどを処理する除去になるため、現環境極めて刺さります。こいつ自身が除去されようがアタックできないのは変わらないボンキゴ式アタック咎めなので本当に強いカードです。

イザナギテラスに関しては実は採用枚数に考慮の余地があります。が、これは慣れてくれば感じる要素のひとつ、くらいに考えておいてください。ひとまずは4で回すことをおすすめしますが、上の歴史のリストでは枚数が減っていた時期がありました。

テレスコ型の頃ですね。ドロソが十二分だったので、必要がなかったのです。今の構築では、イザナギを減らすと立ち回りが厳しくなること請け合いです。入れておきましょう。

立ち回り解説

では、基本的なところが終わったので立ち回りに移ります。

まず、2-3はメタやハンデスで時間を稼いでいきます。対面のマナ、プレイカードを見ること。そしてカイタイやマイリセでハンドを確認しどのようなメタが有効か、プレイングの軸を決定することを意識します。

なお、カイタイを撃つためならアイ・オブ・ザ・タイガーは埋めてしまっても構わないパターンがあります。イザナギが見えていなければ役に立たないこともありますからね。

その場合は素直にメタとエルボロムを用いて捌き、ジャオウガでゴールインです。

4tにアイオブペディアでスタートできた場合が最大の上振れとなります。

アイオブ効果でペディア、ペディア効果でアイオブ、アイオブ効果でイザナギかエルボロム。イザナギを出せば5枚から1枚加え、そのまま呪文を2連打。エルボロムなら場にゴツンマがいれば2ハンデスが飛びます。

ハンドリソースに困りきった際はエルボロムで殴ることもありますが、まあ基本はセブコアクマンやイザナギを使って補充することになります。

ちなみに、『超化秘伝 アビスアサルト』はこのデッキと極めて相性がいいです。入れてもいいとは思うんですが、山札がおぞましい速度で減るので覚悟はしましょう。セブコア2枚とかやろうもんなら山札が12枚消えます。出来ればイザナギを出したいものですね……。抜くならタッチの枠からry。

フィニッシュは基本クライマックスさんにお任せしています。ですが、一部対面には並べたエルボロムだけで勝てることもあるので見極めは慎重に行ってください。また、『今これ貰っても困るんだよな』的な、安全に殴れる盾をカイタイで作っておくとエルボロム顔面は比較的通りやすいです。

まあ環境トップの皆さんにそんな札はないんですけど。マジックは何引いても強い、黒緑アビスはハンドの質よりは枚数(トップジャガイストと準トップジャガイストがあるのずるいと思いません?私は思います)……悩ましいですねぇ。

クラジャを出し、殴るプレイングの際は、1点→ゴツンマハイパーで2ハンデス2点(1点で踏んだ場合は再度1点から行くと丸いです。通らばゴツンマというイメージでやってください)→クラジャというふうに殴ると比較的安全です。こういうところでも悪いですねあのゴツンマとかいうカード。

時間稼ぎを7マナに達してジャオウガを引くまで意地でもやるんですが、それにあたって7777777を2回唱えるムーブは極めて強力な盤面リセットになるので頭に入れておきましょう。

あとお話すべきなのは……『価値』ですかね。ハンデスにこのデッキは明瞭な価値が存在するデッキです。ピーピングハンデスというカードの採用を行った都合上、このデッキのハンデスにはピーピングハンデスを使った時点から『バリューの高低』が確実に存在するようになります。

そして、相手の手札枚数の多さによって、『初回のピーピングのバリュー』も変動します。5枚のハンドを覗くのと、3枚のハンドを覗くのでは価値は異なります。

既に確定した3枚を覗くのと、確定していない3枚のハンドを覗くのでも、価値は大いに異なります。マジックがピーピングハンデスを食らった後、コールドフレイムをプレイした場合、ハンドの内容は基本的に別物に変容します。

この際の『カイタイ』の価値は最高峰のものとなるでしょう。このように、盤面外にある情報のアドバンテージまで駆使して、徹底的に相手を圧迫するように追い込み、クライマックスの姿をチラつかせる。それがドロマーハンデスというデッキの真の姿です。

最初は全く勝てないかもしれません。ハンデスで抜くべきカードが分からない。情報アドバンテージが使い切れない。目先で判断してリソースが切れる。

あるあるです。ですが、それら全てを乗り越えた先、あなたには対面に舌打ちと台パンと暴言を喰らいながら心のうちで『バカが騒いどるわ』と愉悦の微笑みを浮かべる力が備わります。

私はCSに持ち込んでめっちゃ台パン喰らったこともあるし普通に暴言吐かれたこともありますけど超楽しかったのでそういう性質の人向けですねこれ。

何度かは予選抜けやベ8も達成出来ていますので、環境に刺さるムーブをどこまで行えるか、という点に焦点を絞るのがいいのかもしれません。

これからもこのデッキの構築模索は続けていく予定です。第2回があるかどうかはわかりませんが、次の弾で衝撃の新規が増えるか、革命的構築が出来ればまたお会いしましょう。

全国100万4513人のドロマーハンデスファンのみなさんのひとりとなったあなたに感謝を。

お読みいただきありがとうございました。

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