YouTubeでゲームの実況や楽曲を扱う上で何を注意すべきか?
6月からバーチャルYouTuber(以下VTuber)の事務所、ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社が主にゲーム実況において、許諾を得ずに他社の著作権を用いて収益を上げていることが問題となっているのはご存じだろうか?
弁護士ドットコムニュースにおいて、カプコンが自社のゲームソフト「ゴーストトリック」の実況動画に対して権利者削除を行った事柄についてコメントした内容が取り上げられている
度々、配信自体やゲーム実況、歌を歌った動画をアップロードすることについて委縮してしまうのではないか、という意見が見られるので2ヶ月ほど本件について追ったところわかった、どういう点に気を付ければ問題なく配信が行えるかという点についてまとめる。プラットフォームは主にYouTubeを対象としている。
なお、本記事の記載にもなるべく正確に記すよう注意しますが、誤りがあるかもしれません。本記事の内容を守ったからといって、全く問題が生じないということは保証できないことをご理解ください。
ゲーム実況
大抵のゲーム会社は自社ゲームの配信、または著作物の使用について、何かしらのガイドラインを自社Webサイトへ掲載している。
SIE(https://www.jp.playstation.com/support/right/)、
任天堂(https://www.nintendo.co.jp/networkservice_guideline/ja/index.html)
大抵の場合は個人であれば問題ないことが多く、企業によってはYouTubeのパートナープログラム(広告やスーパーチャット)などを利用して収益化することが許可しているところもある。
PS4やSteamで提供されているゲームに関しては各プラットフォームの配信機能を介して配信した方が安全だ。配信に映ってしまうと問題があるとメーカー側で判断した個所を隠してくれるからである。
ただし、ポケモンのように複数の会社が権利を保有している、会社自体はゲーム実況に友好的でもネタバレ等を考慮して例外的に配信不可としている、ゲームの一部だけ配信可能である、といったタイトルも存在するため、ゲームソフトの公式Webサイトに稀に記載のある「配信上の注意」や権利表記、ソフトウェアマニュアルについても念のため確認しておいた方が良いだろう。
また、レトロゲームは既に会社の存在しない作品も多く、そのタイトルの権利がどこに渡っているか確認できない場合は避けた方が良い。
楽曲の取り扱い
基本的に、JASRACまたはNexToneのいずれかが配信に関する著作権を管理している楽曲であればYouTubeを利用する上では問題ない。また、JASRACへ問い合わせたところ前述したYouTubeパートナープログラムを利用した収益化についても問題ないようだ。
ただし、使用する音源は自作したもの、または制作者から許諾を得たものを使用する必要がある。
管理団体が管理している楽曲については、データベースから検索することが可能である。確認する際はタイトル等を両方のデータベースで確認し、配信にて使用が可能であるかどうかを判断した方が良い。
JASRAC:http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/
NexTone:https://search.nex-tone.co.jp/
楽曲の中にはJASRACやNexToneに委託されていないものも存在する。これについては権利者から直接配信への使用許可を得る必要がある。
※参考サイト
動画投稿(共有)サイトでの音楽利用 JASRAC https://www.jasrac.or.jp/info/network/pickup/movie.html
FAQ | 著作権管理サービス | 株式会社NexTone
https://www.nex-tone.co.jp/copyright/faq.html
最後に
意図せずして権利を侵害しない為に参照すべき情報は、実のところ極めて簡単に入手可能と認識している。個人という立場であれば見過ごされることは多いが、ゲーム実況にしても、楽曲の歌唱や演奏、カバーにしても権利者と配信者(または動画投稿者)がWin-Winの関係を保っていきたいものである。
画像や動画素材等についてはほとんど問題に上がらず調べていないため、特に記述していないが提供しているWebサイトの利用規約を参照するのが一番確かだろう。
本記事ではどちらかというとYouTube外に存在するルールなどに触れたが、もちろんYouTubeにもガイドラインが存在するのでよくよく確認してほしい。
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