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青木ハヤト『高機動無職ニーテンベルグ』

無職と社畜が人型巨大ロボに乗って戦う漫画。それが『高機動無職ニーテンベルグ』である。

労働歴と名付けられた架空の世界。主人公は実家に引きこもり、ゲーム生活に没頭する青年・不動遊。怠惰な生活に目を付けられ、社畜生活を強制する強制労働(デス・マーチ)軍に拉致される羽目になる。そこで出会った少女と巨大ロボ・ニーテンベルグに導かれ、遊は無職同盟(リガ・ジョブレス)のパイロットとして社畜との戦いに身を投じることとなる。


 あらすじの時点でぶっ飛んだ展開だが、恐ろしいことに事実だ。そしてタイトルから何となく察せられるように、ガンダムシリーズを始めとしたロボットアニメのパロネタが随所に仕込まれている。主人公は特別な能力(N.E.E.T.)を持つ者のみが十全に扱える専用機に乗るし、ライバルは仮面をつけた(常人の3倍のノルマをこなす)イケメンである。

 ロボット(作品中ではワークマンと呼ばれる)は、バリエーション豊か。敵味方の量産機、エースパイロット用の試作機、強化される専用機。どれも「らしさ」溢れる秀逸なデザイン。しかし、機体名・武装名はネタまみれなので油断ならない。例をあげると主人公専用機ニーテンベルグの強化装備名が「ハイパー・ニート・キャノン」。色々直球すぎる……。

 各地を転戦し、時には敵組織のパイロットの少女と交流し、最後は宇宙での決戦に臨む。苦しくも充実した日々を送ることになる主人公だが、徹頭徹尾「働かず遊びたい」という思考は変わらない。まるで成長しないのだが一周回ってそれがいい。

 血生臭くないロボットものであり、ロボアニメ及び現代の労働問題をネタにした破壊力溢れるギャグ漫画。全5巻完結済み。


……サンライズがアニメ化してくれないかなこれ。




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