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得たイさんの12ステップ1~3の総括

こんにちはなのだ!性依存症者の得たイさんなのだ。

得たイさんは、アライさん界隈を抜けてからここnoteでひっそりと活動していたのだけど、セックス依存症の治療として12ステッププログラムの実践を本格化するため、界隈に戻ってきたのだ。

得たイさんの現在のステップは、4番目の「恐れずに徹底して自分の棚卸しを行い、それを表にする」ところなのだ。恨んでいる人、恐れている人、傷つけてしまった人などを表にまとめ、傷つけられた自己の本能や欠点などを洗い出す作業なのだ。

得たイさんには、自分の棚卸しをするべき相手がアライさん界隈に3人いるのだ。彼らに、そして何よりも自分に向き合うためにアライさん界隈に戻る必要があったのだ。ここからは覚悟を持ってステップに取り組んでいくのだ。

ここで第3ステップまでの総括をしておくのだ。


ステップ1の総括

ステップ1は「私たちは依存に対して無力であり、思い通りに生きて行けなくなったことを認めた」なのだ。

これは端的に言えば、強迫的なセックスや性犯罪(あるいは他の依存)がやめられないのは病気のせいだと認めるということなのだ。これを認められない当事者が多いのだけど、認めなければ回復は絶対にないのだ。時々「病気のせいにするな!」とか言ってくる馬鹿が沸いてくるけど、彼らも病んでるから適当に流しとけばいいのだ。

思い通りに生きていけない原因は依存だけじゃないのだ。発達障害、他の精神疾患、毒親(機能不全家族)、いじめ、パワハラ、トラウマなど、原因はいくらでもあるのだ。精神的に自分を蝕むあらゆる要因に対してことごとく無力であることを認め「障害のせい」「病気のせい」「毒親のせい」等にするのだ。これは決して逃げ・甘え・言い訳などの類ではなく「自分は障害者/病人である/親に虐待されてきたのである」という現実を受け入れるということなのだ。

得たイさんは前のメンクリで発達障害グレーゾーンの診断から逆転して障害者手帳2級を勝ち取った経験があるのだ。自分が障害者であると認めることを諦めなかった結果なのだ。得たイさんに無実の罪を着せたセルリアンや信者に「障害や病気のせいにするな!」と罵倒されても毅然とした態度で「俺は誰が何と言おうと障害者なんだ!」と一貫して主張し続け、自分と向き合ってきた成功体験なのだ。だから自助グループに繋がった時も、自分が依存症者だと認めることをすんなり受け入れることができたのだ。

自助グループのミーティングでは、自分のことを話す時に(セックス依存症なら)「性依存症者の〇〇です」と言うのだ。これが仲間や自分に対して自分が病気でありそれに対して無力であることを認めたことになるのだ。無力だからこそ、今までに依存症になった経緯、そこで起こったこと、あるいは幼少期の原体験などを話すことができるのだ。今までの人生で溜め込んでしまった(それにより依存症の引き金になった)感情を話すことによって手放すことが大事なのだ。

依存症の先ゆく仲間は、新しい仲間(ニューカマー)が病気に対して無力であることを認めることによってミーティングに定着させることを大事にするのだ。だから発言しやすい配慮や環境づくりに気をつけてくれているのだ。仲間たちがいることを忘れなければ、回復に希望が持てるのだ。


ステップ2の総括

ステップ2は「自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった」なのだ。

突き詰めて言えば人間は無力である以上、一人で生きていくことは出来ないのだ。そこで次に示される解決策が、同じ目的を持った共同体なのだ。自助グループがそれに当たるのだ。

得たイさんがとりわけ意識していたのは、誰にも忖度しないということなのだ。自助グループのミーティングは、そのためにクローズドで開催されて安全性が保たれているのだ。

アルコホーリクス・アノニマスにはこうあるのだ。

アルコホリズムからの解決法を見つけ、自分自身のことがしっかりとわかっている、かつての問題のある酒飲みたちは、何時間もたたないうちに別のアルコホーリクの全面的信頼を得ることができる。成功への手がかりがつかめる。共感がなければ何をしても無駄なのである。
苦しんでいる人に手を差し伸べている者もまた同じ病気で苦しんだ経験者であること、その状態を知り尽くしていること、その人が解決法を持っていることが姿やかたちの全体からあふれ出ていること、その人にあるのは役に立ちたいという誠意だけで、聖人ぶっていないこと。料金を払う必要がないこと、よけいな心配はいらないこと、誰のご機嫌も取らなくていいこと、我慢して講義を聞くこともないこと、こういうことに特別な効果があると私たちは知った。そうして働きかけた結果、多くの人たちがやる気を起こし、回復の道を歩き始めたのだ。

ミーティングは、先ゆく仲間が依存症からの解決策を持っていることを示してくれる場所なのだ。このことがわかってミーティングに足を運ぼうと一歩踏み出したところから、自分を超えた大きな力を「信じる」という行為は始まっているのだ。

得たイさんはそれを信じてミーティングに足を運び、仲間の姿を見て解決があることを感じたのだ。そして信じることの第2段階が、ミーティングで正直に話すことだったのだ。最初から正直にというわけにはいかないのだけど、話すこと自体がさらに「信じる」ことの始まりなのだ。

12ステップ系の自助グループでは、人智を超えた偉大なる力を「ハイヤーパワー」と呼ぶのだ。意味がわからなくてもそういう力が確かに存在することを知るのがこのステップなのだ。ハイヤーパワーは、人が人を癒す中で生まれるのだ。


ステップ3の総括

ステップ3は「私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮に委ねるようになった」なのだ。

ここが12ステップ最初の山場、ターニングポイントなのだ。回復するかさらに依存するかの究極の二択で決心するのだ。

このステップで大事なことは、ステップ1・2を踏まえることなのだ。「自分の力」が通用しないことをステップ1で踏まえ、「偉大な力」が自分を救ってくれることをステップ2で踏まえるのだ。それを元にして、このステップ3で前者を捨てて後者を選択するのだ。

ステップ3の難しさは、見えないものを信じる選択をするところにあるのだ。見えるものだけを信じてきて全てがうまくいかなくなった現実主義の我々は、見えないものを信じることが理解できないのだ。宗教やスピリチュアルを嫌ってしまう、あるいはエセスピに引っかかってしまうのだ。だから手っ取り早く依存に走るのだ。自分の意志は自分でコントロールすることができないという厳然たる事実を認めることができないから、破滅に向かってしまうのだ。

私たちの問題は実は全部自分で招いた結果なのである。私たちが自分で問題を起こしたのだ。気がついていないが、アルコホーリクの行動は頑固な自我による極端な暴走にすぎない。私たちは何よりもまず、この頑固な自分本位の考えを捨て去らなければならない。捨て去らなければ殺される。だが神の助けなしには、 自分を捨てることなどもちろんできない。だから神の助けが必要なのだ。私たちの多くは道徳的な、あるいは哲学的な信念を持っていた。しかし、それに恥じない生き方をすることはできなかった。自分の力でがんばってみても、望んでもこの自分勝手な思い上がりを小さくすることさえできなかった。神の助けがどうしても必要だったのである。

得たイさんは、依存だけじゃなく、他者との衝突、自己の破滅に向かう行動、そのすべてを「自己の意志」で行い「神の意志」を無視していたことを認めたのだ。その時に得たイさんの信仰で、いつも言われている「信じることの本質」がわかるようになったのだ。いままで長年、言われていたことを額面通りに受け取って実践していてまったく上手くいかなかったのは、それが自己の意志で行われていたからだったのだ。

すると、世界が一気に開けたように感じたのだ。Twitterの発達障害界隈で繰り広げられる議論が「自己の意志」で行われていることがわかるようになったのだ。自己の意志は他者を巻き込み、衝突を起こしてしまうのだ。人生無理バーの炎上騒動が記憶に新しいのだが、あれがまさにそうだったのだ。

自己の意志と神の意志が、もっと明確に区別できるようになるといいと思うのだ。


3つのステップを踏んで

総括をして得たイさんが思ったのは、この3ステップは「洗脳を解く」ためのものだということなのだ。

洗脳の手口は、相手を追い詰めて持っている考え方を捨てさせて何もできなくして、そこに新しい(都合のいい)価値観を植え付けるというものだと聞くのだ。12ステップの1~3は、洗脳と同じメソッドで洗脳からの解放をやるのだ。

生きづらさは、長年にわたって自分で自分を「自己の意志」に洗脳してきた結果なのだ。その洗脳を洗脳で相殺する作業が12ステップの1~3なのだ。自己の意思によって追い詰められてなにもできなかったのを認めるのがステップ1、自己の意志以外の価値観の存在を知るのがステップ2、その価値観である「神の意志」や「ハイヤーパワー」を自分に植え付けるのがステップ3なのだ。

得たイさんはまだ、洗脳から解放されただけに過ぎないのだ。自己の意志は非常に強固で、ステップの実践を続けないとすぐに元の洗脳状態に戻ってしまうのだ。だからミーティングに出る必要があるし、スポンサー(ステップの実践を直に手助けしてくれる先ゆく仲間)をつける必要があるのだ。

依存症には完治はないと言われるのだ。それは、依存の元凶である「自己の意志」をなくすことはできないからに他ならないのだ。それに抗うために、得たイさんは今日もステップを実践するのだ。そして、恨みと恐れを手放した時にまた世界が開けてくるのを楽しみにしているのだ。

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