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仕事と育児の両立問題:業務を定時に終えられるか?

結婚や育児といったライフイベントをこれから経験するプレママ・プレパパが抱える不安の1つが「仕事と育児の両立」問題です。

仕事と育児の両立問題が、私が初めて育児と仕事の両立を経験した15年以上前から、今になっても解消しない「永遠のテーマ」になっているのは、どんなにテクノロジーやAIの進化により生活の利便性が高まっても、乳幼児を育てることの大変さは100年前と変わっていない、ということも理由の1つだと思います。

(子育ては、現実の世界で、物理的に肉体を使ってやるしかないという点で、100年前から変わっていないし、今後も変わらない)

外資系コンサルに入社していくるような若手社員は、自分の成長や自己研鑽に積極的で、上司や先輩から与えられるタスクや仕事、プロジェクトを長時間こなせばこなすだけ、それが血となり肉となり、コンサルタントとしての成長や評価につながるものだと考える人が多いです。(実際それが事実という面もある)

また、周囲を見渡しても、たとえば定時が18時だったとして、
・毎日18時に仕事を終えて、それ以降仕事をしていなさそうな同僚や先輩、マネージャーが見当たらない
・将来家庭を持ち、保育園の送迎など、パートナーと協力しながら子育ての時間を十分取ることができるのか
・ライフを重視することで、やる気がない人と思われたり、昇進が遅れてしまうのではないか
という疑問や不安の声はよく聞きます。

本日は、そんな数々の疑問のうち、「業務を定時に終えること」への答え、やヒントになる考え方をお伝えします。


業務を定時に終えられるか?

「業務を定時に終えらえるのか?」という疑問の答えは、そもそも「終えられるか?」(できるかできないか)の問題ではなく、「終えないといけないので終える」しか選択肢はないので、答えは「Yes」です。

例えば、自分の子供の保育園の閉園が19時で、毎日18時に仕事を終えないとお迎えに間に合わない、という状況にあなたがなったとしましょう。

その状況で、「仕事が終わらないのでお迎えが20時になる」ことを保育園と調整することはできませんが、「保育園のお迎えがあるので18時に業務を終える」ことは、やろうと思えば自分で上司や同僚、クライアントと調整してコントロールできる範囲にあります。(自分の制約を伝えた上で、タスクの内容や量、チーム内の役割をどうするのがよいか対話しながら調整するなど)

私も、一人目の育休の復帰後、新しいプロジェクトに入る前の、プロジェクトマネージャーとのアサイン前の面談で、「私はお迎えのために18時には帰らないといけないので、残業ができないのですが、それでも大丈夫でしょうか?」という質問をしました。それに対して、

だって仕方ないじゃん

という答えが返って来ました。
それを聞いて、「そうそう、仕方ないことなんです」と思わず納得した(ある意味開き直った)ことを覚えています。

その後、そのプロジェクトにアサインされている期間、タスクの納期がせまっていたときでさえ、メンバーやリーダー、協力会社の方とのべつくまなく調整し、自分が定時後に手を動かさなくてもプロジェクトが進む状態にして、残業をいっさいすることなく、業務をやりとげました。

そして、その調整をすることを、「申し訳ない」「後ろめたい」とネガティブにとらえず、「協力してもらってありがたい」「ありがとうございます」と感謝の気持ちでポジティブにとらえることも大切です。(そうすることで、周囲も「自分は子育て中の人に協力している」という幸せな感情を持つことができる)

どうすれば定時に業務を終えらるか?

「どうすれば定時に業務を終えられるか」については、「パーキンソンの法則」(イギリスの歴史学者によって提唱された仕事量や支出に関する普遍的な法則)の第一法則である「仕事の量は、与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」が答えのヒントになります。

この法則は、同じタスクを行うときに、18時までという制約があれば18時までに終わるし、20時までかかってもいい状況であれば、20時までかかってしまうという原則です。

そのため、「18時に終える」と決める(=制限時間がある状態にする)ことで、終えられるようになります。逆に、それを決めずに19時まで、20時までかかっても大丈夫、と思っていると、実際にその時間まで膨張してしまい、時間当たりの生産性という点では効率や生産性が落ちていることになります。

(そもそも、業務や家事は、やってもやっても「完璧に終わることはない」ものなので、毎日の限りある時間の中で「今日はどこまでやるか」の区切りを付ける必要がある)

また、自分が定時に業務を終了しやすくするために、「自分は定時に帰らないといけない人だ」と周囲から認知されるための言動を取ることも大事です。(これについては、実際に毎日定時に業務を終了していれば、自然とそういう人だと認知され、定時ぎりぎりに当日中にタスクを依頼されたり、自分が出る必要のある定時後の会議がセットされることもなくなるはずです)

まとめ

保育園のお迎えで、毎日業務終了の時間制約を持ちながら働いているワーキングマザー、ワーキングファザーのみなさん、自分は子供を持つ前よりも生産性高く働いているのだと自信を持ちましょう。

また、今はまだ保育園の制約がないか、以前はあったけど今はないという人、仕事のあとの時間を自分のために有意義に使いたいと思っているすべての人は、「定時に業務を終えないといけなくなる、それ以降の予定」(19時に友人と会う約束をする、19時からの趣味のレッスンや映画チケットを予約する、など)を入れることで、仕事の生産性を上げながら、自分の人生の時間をもっと楽しむことができるようになります。

結論をまとめますと、「どうすれば定時に仕事を終えらえるか」については、「定時に仕事を終えると決めれば終わる」(ただの努力目標ではなく、18時が定時であれば、19時に別の予定が入っているなど制約がある状態にすれば、業務量は18時に終えられる範囲に収まる)ということと、そうすることで結果的に生産性も上がる、それをやりやすくするために、周囲から18時までしか勤務できない人だと認知されるとよい、というお話でした。

本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。





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