2021年6月12日「悩みのるつぼ」

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 一読して思ったのは、あなたと同じように感じられた方、あなたと同じく高校生に申し訳ない気持ちを持ったまわりの大人は、あなただけではないんじゃないか、ということです。そのなかでも、思うだけで何もしない方が多いでしょう。そういう意味では、あなたは少なくとも、優しさと、自身に対する葛藤を持っていそうに感じました。動こうとしたができなかったという後悔、その気持ちをまずは大切にしてください。今後、徐々にでも動けるようにしていけばよい話です。

 あなたは、なぜ動けなかったんでしょうかね。突然のイレギュラー場面に戸惑った。声をかけたらどういう反応をされるかわからなかった。これの場合は、本人の反応だけではなくて、まわりからの反応も気になりそうです。なんて声をかければよいのかわからなかった。これくらいでしょうか。

 書いていて思ったんですが、この場合の声のかけ方ってむずかしいですよね。たとえば困りごとがあると思われる方は「何かお手伝いできますか?」でいいし、ケンカやもめごとの仲裁であれば、まずは話を聴かせてもらうように促すとか、とりあえず暴力暴言はいったん止めましょうよっていう声かけがいいのかなと思うんですが、この、外で赤の他人を慰めるときの声かけについてはむずかしい。少なくともぼくはこれまで考えたことがなかったです。

 だからそういう意味で言うと、大切なのは、この場面での声かけのしかたを知っておくっていうことと、あとはそれをリアルタイムで伝えられるように勇気を持つことだと思いました。

 高校生に伝えるための声かけ、「さっきの場面を見ていて、いくらなんでもきついだろうって感じたから話しかけました」「大丈夫ですか?」「もし理不尽に思うことがあれば、それなりに聞いていればいいと思う」の3つかなあと思いました。まずは気にかけていますという表明から始まり、いま現在のあなたの心の余裕が大丈夫かどうかの確認、最後に、言われていた内容の確認をしたいけどそれは話したくないひともおるやろうから「もしこういう内容であるならば、こういう受け止めでいいと思う」ということを伝えるだけ。

 あと勇気の持ち方ですが、ぼくは動きたい場面に準ずるような、もうちょっとイージーな場面で動いてみることかなあと思います。道端に落ちてるゴミを拾うのがぼくにとっては最も簡単。一人でできることですから。他人が入ってくるとむずかしいんですよね、やっぱり。あとは先ほど出した人助けですかね。これは基本的には自分が悪者になるというか、声かけが失敗する可能性が低めですから。場面に応じてとっさに動く、という反射神経も鍛えられます。その他ありそうですが、そういうビギナー向けの場面からがんばるようにしてみて勇気を鍛えるということが、ぼくから言えることです。

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 まず、自分が相談を取り違えておりました。相談者さんは仲裁をしたかったのね。争いが終わったあとに高校生を慰めることもできなかったことについての相談かと思ってた。書き直しても新鮮な気持ちで書けないので、このままいきます。

 清田さんの回答、いっつもほんまに冴えまくり。まずは現在地の確認から始め、大前提として悪いのは中年男性のほう、ということの確認。仲裁していくに当たってのリスクをちゃんと確認しておいたうえで、必要なのは勇気ではなく手順であると。ここがしびれたなあ。勇気って言うと漠然としてるけど、どういう声かけをすればよいのかの手順が大事。その手順にしても、さらっと案を出してくれてるけどじゅうぶんにリスクヘッジできてるように感じるし、これ相談を受ける側としてめちゃくちゃかっこいいと思った。

 ちなみに、ぼくはこういう場面では声をかけられないタイプです。相談者の方と同じ悩みを持つタイプ。ほんまに自分の回答と一緒で、まずは道端に落ちてるゴミを「今日は拾うぞ」って決めた日は拾ってる。人助けの声かけはするようにしていて、この前階段の前でベビーカーどうしようか迷ってる瞬間の女性がいて、「よかったらお手伝いしましょうか?」って声かけてみた。お相手の方「いいですか?」みたいな感じで手伝うことになってんけど、これじつはすでに自分にとっては不測の事態でして。ぼくとしては、断られると思ってたんですよね。コロナやし、個人主義の時代やしって。駅で階段歩いてるスーツケースの方とかに声かけてもいっつも断られるから、その要領で今回も断られると思いきや、今回はお願いされたからびっくり。何が怖かったって、ベビーカー持って階段降りるのなんて初めてやったから、失敗せーへんかどうかってめっちゃ緊張したわ。終わったらお礼言ってくれてたけど、足早に去って行って、見ようによってはジェントルマンなひとみたいになるけど、自分のなかでは心臓ドキドキでした。という、ちょっとだけ勇気を奮えるようになった、しょーもないエピソードでした。こういう人助けにも手順が必要なのかもしれへんなあ。

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