ほぼ素人の私が、舞台監督になった話。4

こんばんは、ワタナベです。

書いてるうちに、「あれ、これ…早くしないと年末まで引っ張るんじゃ…!?」と気づきました。しばらく時間があるので、どんどん書いていこうと思います。

さて。

さっぱりだった打ち合わせから、しばらく経ちました。
その間、ワタナベは別企画のアルバム制作が佳境に入っていて、喜久田さんのいる安心感も相まって、不安はぶっ飛んでいました。というか、単純に忙しくて忘れてたんですね。

MVの編集作業を終わらせ、出演していただいたキャストにお会いしてDVDにサインを貰ったり、楽曲のレコーディングに立ち会わせてもらったり、音源のミックス作業にお邪魔したり、ジャケットデザインとアルバムのデータを入稿したり。出資していただいた方々に返礼品を送る準備をしたり。

ここにキコ/qui-co.の9月公演のキャストオーディションや打ち合わせ、別の収録現場や会社の事務作業などが重なって、なかなか忙しい日々でした。
(備忘録なんでね…こういう若干の脱線をちょいちょい書くと思うんですけど許してください…)

そんな日々の中、喜久田さんから、通し稽古見に行きますよーとの連絡が。
実は本来なら、照明さん、音響さんとの打ち合わせというものがあるのですが、この時はもう一人、仕込みとゲネ、初日とバラシの助っ人で来てくださる方が代わりに行ってくれていました。誰なのかはまた登場した時に。

そうか、通しを見ないと、どうなってるのかわからんよなーと、当たり前すぎることに気づくワタナベ。演出助手として稽古場に居ることはあったのですが、スタッフさんの動きについてはイマイチわかってないわけです。

そして予定していた日。都内の稽古場へ…。

ワタナベ「(ここだ…ガチャリ)おはようございます、よろしくお願いしますー」

この時、ワタナベはめちゃくちゃ緊張していました。何故なら、

喜久田さんがいない……!!!!

そうなのです。ワタナベ一人だったのです。心細いよ…!!
そのしばらく前に、喜久田さんから連絡があり、

喜「実はその日、僕が行けなくなりそうで…見て気になったことを教えてください!」
ワ「わっかりました、お任せくださーい!」

なんて軽く返していました。
そして当日になって、

(気になったこと…!? 舞台監督的な視点で…? やっべ、よく分からんぞ…!?)

今考えると別にそんなに焦ることでもないのですが、勝手が分からないので、その時は本当に、すごくすごくすごく緊張したのです。

そして、座組の皆さんとはじめましてのご挨拶。
奥村さんに、

奥「今回、現場の回しで入っていただく舞台監督のワタナベさんです」

と紹介された時の緊張感。よろしくお願いしますーと頭を下げ下げご挨拶させていただき、通しが始まるまで渡された台本を読んでいました。

(おお、なるほど…こうなってこうなるのか…ここでこの人が…へー!)

と、さっきまでの緊張を忘れて、めちゃくちゃ楽しんでました。

ただ、今思うとですが、台本から空間をイメージするところまではいってないんですね。
これは役者さんに言えば分かるーって言われそうな気もしますが、どんな世界がそこに広がっているのかという、具体的な絵のことです。
なんとなくお話の筋だけを追っているのですが、そこまでしか想像力が働いてなかったんです。お前ほんとに役者やってたの?って言われそうですね…。

なので、実際にそこで芝居が始まった時に、めちゃくちゃ驚きがありました。この文字が、こんな空間でこんな動きになるのか!と。
素人かお前…!と言われますねこれは。

どう説明したらいいのか分からないのですが、全体を見る立場になってみて初めて、それぞれのシーンの中での役割というものが分かったというか。
舞台を作る側に回って、初めて台本から空間を意識したということからも、自分が演技することだけ考えて、ポイントでしか読んでなかったんだろうなぁと。
もちろん、スタッフと役者では想像する絵というか空間のイメージは違うんですが…話がまとまってねえな。

閑話休題。

そんなわけで、図面と台本を横目で見ながら、役者さんたちの動きや、物の位置などを確認していました。
正直、何をポイントで見れば分かっていなかったので、ひとまず本当にそこで動けるか、危険そうな場所はないかをひたすらチェック。
奥村さんから、ここでこんなのが入りますー入れたいですーなどの説明や要望が箇所ごとに入ります。それもメモ。

そうして、およそ2時間ほどの通しを見ながら、ひたすらメモしていました。その中には、舞台監督というよりは別セクションのこともあったのですが、なんかあった時には聞こうと書いておました。
後々、そういうものが役に立ってる気がします。気になったらすぐにスマホを出してググります…。

見終わって、疑問に思ったことや確認したいことを奥村さんにお聞きして、それもメモしていきます。もしかしたら余計なことも聞いてたかな…と今になって戦々恐々としてます。

ではまたーと稽古場を出て、早速、喜久田さんに報告。
すぐに、ここはどうでした? これは?と具体的な質問が。なるほどそういうところをチェックするんだなぁと勉強。

そうして、個人的な発見とか収穫もありつつ、ようやくちゃんとしたイメージというか実感が湧いてきました。舞台の本番が近いんだな…!と。

その数日後、小屋入り前日の、最後の通し稽古にもお邪魔して、ブラッシュアップされたものを確認しに行きました。
(実はその日は、車がエンストしてしまって、喜久田さんが通しを見れないというアクシデントもありました…何かある時は重なりますね…!)

そうして照明さん音響さん美術さんを含めた最終確認を行って。

ついに! いよいよ! 小屋入り!

……実は、ワタナベ的には、ここからが一番の試練だったのですが、それはまた次回。

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