ほぼ素人の私が、舞台監督になった話。6

こんばんは、ワタナベです。

新年明けて、通常運転の方が多いでしょうか。ワタナベは現場始めがだいぶ先になるので、暇に任せて書きまくっています。

目標は、あと1週間で全部書ききる…書ききりたい…他にも山ほど書きたいことあるんだ…。
(どう考えても無理じゃない…?)
そんな必死にやる必要もない、ただの趣味なんですけどね。やっぱ区切りをつけたくなりますよね。

さて。
舞台美術の仕込みが無事に完了して、初日は終了。
家に帰って、次の日からのスケジュールを眺めていました。

(明日は場当たりで、明後日がゲネプロからの本番かー)

なんて、ぼんやりと考えていました。

場当たりとは。
照明さん、音響さん、小道具などの位置やタイミングのきっかけの確認、役者の立ち位置、道具や役者の出ハケなどを、本番と同じような状況で確認すること…です。
(大丈夫かなこの説明で…)

立ち位置や暗転中の動きなど、ここで確認しておかないといけないんですね。
裏方のきっかけがあるところ以外は基本的に飛ばします。

ゲネプロとは、簡単に言えば最終チェックです。本番同様に全編を通していきます。何かあれば修正したり、演出的なチェックが入って、その後、ようやく本番を迎えます。

この時は、奥村さんが場当たりを仕切り、黒澤さんがゲネプロと1ステージ目に裏に付くことになったので、ワタナベはどのタイミングでどんな仕事があるかを引き継ぎして、2ステージ目から本番を回していく…ということになりました。
(段取りを打ち合わせしてる時、内心どきどきしてました。大丈夫か俺…!と)

そうして小屋入り2日目。場当たりの日。
場当たりの説明だけを見ると、きっかけを確認するだけなら、本番よりは早く終わりそう…と思う方もいるかもしれません。

実はワタナベはそう思っていた頃があります。そんなことは、ない。

ざっくりあらすじを説明しますと。
「死にたい夜の外伝」は、とある深夜ラジオ番組の常連リスナーたち、特にヘビーリスナーである、通称「ネタ職人」たちが、台風の日にカラオケに集まって、番組の最終回を聞こうとするが…というお話。
(舞台セットは、カラオケボックスを再現したものでした。壁の汚しとかね、ほんとすごかったんですよ…マイクも実際に使いました)

カラオケ。ラジオ。台風。

この時は、音ネタがとても多かったんですね。一例を挙げると、ドアを開けると廊下で流れてる曲が聞こえてきて、閉まるとくぐもって聞こえるようになる、とか。細部にものすっごいこだわりが、たくさんあったんです。
誰かが曲を入れると、画面に映像が流れ、音が流れて、照明が変わる。これだけでもお芝居に合わせて、映像と音楽と照明をどこで入れるかというのがあります。マイクの調整もありました。

場面転換は無かったのですが、時間経過による音や照明の変化がたくさんありました。曲とかラジオの流れるタイミング、消すタイミング、とかとか。外が深夜から朝になって…とか。

そんなわけで、午前中から夜まで場当たりはかかりました。たしか、予定時間より少し早めに終わってよかったなーと思った覚えがあります。
(だいたい2時間の作品だと、場当たりは6〜8時間くらいかかるなぁというイメージ…あくまでワタナベ個人の印象です)

キャストの皆さんには早めに帰っていただき、スタッフチームはそれぞれ修正作業へ。音響さんが音ネタを確認したり、照明さんが明かりの調整をしたり。ワタナベはセットの修繕をしたり、蓄光シールを足したり(暗闇で光るシールです。暗転中の目印になります)。

退館時間ぎりぎりまで作業は続き…次の日の入り時間を確認して解散。

そうして3日目。ゲネプロからの本番初日。

ワタナベはスケジュールの都合でゲネには行けず、客席で初日の1ステージ目を見ました。この時、何というか、とても感動したことを覚えています。
それまでも演出助手として公演に関わり、客席で初日を見るということはあったし、その度に出来上がったものを見た瞬間の感動はあったんですけどね。

それとはまた別の感慨があったというか。たぶん、関わり方の密度が違ったんだろうなーと思ってます。
大したことはしていませんでしたが、考えている時間も、向き合ってる時間も、それまでとは段違いだったような気がしてます。
こういうのが、辞められなくなっていく理由かもしれないですね。

お客さんの拍手を聞いて、まるで自分のことのように嬉しくなるっていうのは、良いことだなぁと思います。

そうして初日が無事に終演し、お客さんたちが帰った後に黒澤さんから裏での仕事を引き継ぎされ。やるべきことを覚えて、分からないことを確認し。

ついにワタナベ、緊張のお一人様デビュー。

それでは、また次で。

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