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風通風呂敷に使われている糸って30年変わっていないそうだけど、どんなの使ってるの?→最高級品を使い続けています!


京都、室町は呉服問屋の集まる町です。

その室町では呉服のプロたちが使用する「風通織風呂敷」。
呉服のプロたちは毎日重い反物を風呂敷に包んで持ち運びします。
毎日の使用に耐えて、品のある風通織風呂敷は必須アイテムです。

風通風呂敷に使われている糸はずっと変わらず、一定の品質のものです。

・富士紡績株式会社の「黒富士ガス焼コーマ糸(60/2)」を使用。
・染色はチーズ染色の反応染。

今回はそれをご説明します。

糸について

富士紡績株式会社の「黒富士ガス焼コーマ糸(60/2)」

まず、富士紡績株式会社。
この会社は今でいうフジボウテキスタイル㈱ですね。
1896年に創業され、グループでの吸収、分割、合併、改称などを繰り返しながら、現在はフジボウテキスタイル㈱という会社となり、そこから糸を仕入れています。

「黒富士」は商品名、「ガス焼コーマ60/2」は糸の仕上がり状態を示しています。

わかりやすい説明があったのでリンクをはっておきます。

ガス糸は紡績された糸を、炎の中を高速で通して糸表面の毛羽のみを焼き、除去する。このためガス糸は毛羽がなくなり光沢は増す

https://pmworks.biz/technique/katerm/gas/

コ-マはさらに繊維の均一度を上げる工程。糸を均一にする為に短い繊維をさらに除去する(下図コーマ糸として使用しない繊維)ので歩留まりが悪くなる。当然高価になるが、糸むらが少なくなり、光沢も増し、強度もアップする。

https://pmworks.biz/technique/katerm/comb/

「60/2」は、綿60番手を2本撚り合わせて1本の糸にしています。

https://blog.tunageru.com/all-about-textile/what-is-denier-tex-yarn-count/#:~:text=%E3%80%8C30%2F1%E3%80%8D%E3%81%AF%E7%B6%BF,%E7%B3%B8%E3%81%AE%E5%A4%AA%E3%81%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82


綿花


綿糸は綿花を繰って作ります。その際、細かいケバ(繊維のアホ毛のようなもの)がどうしても発生します。↓↓↓

https://wataitoya.com/2022/02/fixing_twist/

このまま織ってしまうと、質感はガサガサになります。
なのでガス焼とコーマが大事になってくるのですね。


染めについて

チーズ染色の反応染

チーズ染色の反応染めとは染め技法のことで、色鮮やかで色あせしにくい染め方です。

チーズ染色とは、

一般に、糸染といえば綛糸の染色のことであったが、現在では、生産性が高いチーズ染色がおこなわれている。  

種々の形の穴あきボビンに糸を巻き、スピンドルの立ったキャリヤーに充填し、染色する方法である。

http://www.hannancheese.jp/dyeing.html
https://nsk1873.co.jp/cheese

チーズのような状態に巻いた糸を、内側と外側から交互に染液をポンプで循環させ、均一に染料が糸に染着されるように染色する手法の事です。

https://shimoyama-dyeing.com/cheese.php

上記の画像は色的にも”チーズ”っぽかったので載せましたw



また、反応染めとは

洗濯、摩擦、耐光などの堅牢度の高い染めが可能で、また鮮やかな色相も出せます。

http://www.hannancheese.jp/dyeing.html

反応染めは、反応性染料を用います。
これは、アルカリ性の反応液を併用し、布上で化学反応を起こすことで固着します。
これも堅牢度は高く、浸染、捺染、引き染め、手描きなど、あらゆる染色法が可能です。

http://www.hannancheese.jp/ex/difference.html


上羽さんの生地は何年使っても、あまり傷みません。すごく丈夫です。
また、色あせや変色がほとんどないんです。


しょっちゅう使うものだから、洗濯も簡単に済ませたいですよね。
私はズボラなので、すぐに無造作に洗ってしまいますが、全然傷まないですねw

風通・シルケットの洗濯表示

私が洗うときは、ネットも使いませんし、他のものと一緒にがーっと回してしまいます!最近の日差しは強いので、部屋干ししていますが、気を付けているのはそれくらいです。

少し柔らかくなって、いい風合いになってきています^^


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