初めてのクリスマス

 あるところに一人の男の子がいました。
 男の子の家はとても貧しくて
いつもお腹を空かせていました。
 その日はクリスマスイブでしたが
男の子はプレゼントはもちろんケーキだって食べたことがありませんでした
 男の子は友達からクリスマスはイエス・キリストの誕生日だと聞きました。
 男の子は思いました。
世界中の人がお祝いしてくれるイエスという人は幸せだなぁ。
僕なんてだれにも誕生日を祝って貰った事もない。
男の子はなんだか少し悲しくなりました。
下を向いてとぼとぼと歩いていると
向こうから歩いてきた老婦人とぶつかってしまいました。
 男の子がごめんなさいというのと同時にお腹がなりました。
朝から何も食べていなかったのです。
その老婦人は微笑みながら言いました
よかったら私と一緒に教会のクリスマスに行かない?
ごちそうもお菓子も沢山用意してあるからと言いました。
男の子はご馳走と聞いてうれしくなり一緒に行くことにしました。
 教会には沢山の人が集まっていました。飾り付けが綺麗でまるでおとぎの国のようでした。
 老婦人は男の子を中に連れていき椅子に座らせてくれました。
 少しすると幕があがり劇が始まりました。
 イエス・キリストの産まれるときの話です。
 男の子は驚きました。
イエスと言う人は 産まれる場所もなく馬小屋で産まれたというのです。
男の子はイエスと言う人は こんなに
みんなに尊敬されているのだから
きっと王子様のようなひとだと思っていたのです。
その後老婦人からイエス様は
馬小屋で産まれ
何も悪いことをいないのに
みんなに憎まれ
十字架で殺され
やがて復活し今は
天にいるのだと聞きました。
男の子はいつの間にか涙を流していました。
とてもイエス様を身近に感じたのです。この人なら僕の悲しみも淋しさもわかってくれると思いました。
 その後男の子はごちそうを食べて帰りにはプレゼントまで貰ったのです。
初めてのクリスマスプレゼントです。
男の子はとても幸せでした。
 帰ろうと外に出ると雪が降ってきました。男の子は思わず空を見上げました。雪は次から次へと降り注ぎます。
 それはまるですべての人の上に愛を注いでいるイエス様のようでした。
           
すべての人の上に祝福がありますように!

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