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パターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTs:組織の知恵を形にする新しいアプローチ

はじめに

今回、私が開発したパターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTを公開させていただきました。このツールは、組織の中で起こる事象を特に定量的な数値に表しにくい知恵を共有し、再利用できる仕組みであるパターンランゲージを生成します。この記事では、パターンランゲージの起源とこのGPTsの活用方法について詳しく説明しますね

パターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTs
https://chat.openai.com/g/g-QbrpvpSVp-pattern-language-generator

ちなみに筆者は、パタン・ランゲージの国際会議ASIAN PLOP15で本橋 正成氏と共同でコミュニケーションに関するパターン・ランゲージを提案し、ライターズワークショップ採択されセッションを行っています。

ASIAN PLOP 2015

パターン国際会議 ASIAN PLOP 2015
パターン国際会議 ASIAN PLOP 2015 のライターズワークショップで採択されたパターン論文 

パターンランゲージの起源

パターンランゲージは、1970年代に建築家クリストファー・アレグザンダーが住民参加のまちづくりのために提唱した知識記述の方法です。彼は、人々が「心地よい」と感じる環境(都市、建築物)を分析して253のパターンを挙げました。これらのパターンは各国の美しい街や住まいに共通する普遍的なもので、かつては誰でも知っていたものであるが、近代都市計画では無視され、急激な近代化の中で忘れられてしまったものであるとされています。
現在では、パターン・ランゲージは知恵の再利用のために、アジャイルプラクティスや組織のあり方や学び方など、あらゆる場面で活用されています。

パターンランゲージの活用

パターンランゲージは、組織の中で起こる事象を特に定量的な数値に表しにくい知恵を共有し、再利用できる仕組みです。プロジェクトが終わったらそのメトリックスを記録して定量的な指針なり、どういう時に何をするかということはある程度やっていると思います。しかし、どういう行動をしたらどういう風に受け取られたのか、メンバーの心理的側面だとか、出てきたプロダクトの質だとか、お客さんとの関係性の質というような簡単に数字化できない内容を言語化して、しかもそれを分かりやすい形で再利用できるようにすることがパターンランゲージの目的です。

その知恵をパターンランゲージに落としベクターデータベースに保存しておけば、組織内で効果的に再利用することができるでしょう。

パターン・ランゲージ・ジェネレーターGPT

私が開発したパターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTは、プロジェクトの振り返りの体験談をインプットすると、そこからパターンランゲージとして抽出します。プロジェクトの振り返りのトランスクリプトを入力してもよいでしょう。

パターンのフォーマットはIPAで公開されているDXのトランスフォーメーションパターントラパタや、学びのパターンマナパタを参考にしています。

体験談を入力すると、パターンランゲージを出力してくれます。このあとにパターンの評価を表示します。パターンランゲージとしての有用性をそこで評価して、ユーザーがフィードバックを行って、さらにパターンランゲージとして使いやすくすることができます。

さらに、調整するパラメーターを2つ用意しています。
一つは抽象度です。抽象度をより高くすると再利用性が良くなりますが、いろんな場合に対応できるような抽象度が高いものにできます。下げると具体的になってくるので、特定の領域でのパターンになります。抽象度を上げると分かりにくくなり、具体性を上げると少し分かりやすくなりますが、再利用性は少し下がるということです。

さらにその内容に対しての物理的側面なのか心理的側面なのかということも重要なので、どちらよりかを設定するパラーメータも用意しました。パターンランゲージの中では、どういう心持ちでやることで何が起こるかということも非常に大事な要素です。プロジェクトの具体的な進め方や技術をどう回していくのかというところは物理的側面です。どういう気持や心構えかなどの内的な要素は心理的側面です。 この物理的、心理的の度合いはパースペクティブというパラメーター名で表されています。

そのパターンの内容の質によって、どちらの方を強めにした方がよりパターンランゲージとしての有用性が高いのかは人間が判断しながら、パラメータをフィードバックしながら調整することができます。

その結果に満足したら、そのパターンランゲージを端的に示すイラストを生成することができます。

まとめ

パターンランゲージは、組織の中で起こる事象を特に定量的な数値に表しにくい知恵を共有し、再利用できる仕組みです。この記事では、パターンランゲージの起源とその活用方法について詳しく説明しました。また、私が開発したパターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTsを紹介しました。このツールを使うことで、プロジェクトの振り返りの体験談からパターンランゲージを抽出し、それを再利用することができます。これにより、組織の中で起こる事象を特に定量的な数値に表しにくい知恵を共有し、再利用できるようになります。これからも、皆様のプロジェクトがより良いものになるよう、パターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTを活用していただければ幸いです。
パターン・ランゲージ・ジェネレーターGPTs

参考文献


1. [パターン・ランゲージとは | クリエイティブシフト](https://creativeshift.co.jp/pattern-language/)
2. [トランスフォーメーションに対応するためのパターン・ランゲージ(略称トラパタ) | IPA](https://www.ipa.go.jp/files/000070048.pdf)
3. [大人の学びのパターン・ランゲージ(略称まなパタ) | IPA](https://www.ipa.go.jp/files/000070049.pdf)

備考

今回紹介したGPTは、GPTsコンテストへの投稿作品です。
GPT の作り方はこちらのリンクが参考になります:https://chatgpt-lab.com/n/n43cc9a028aac

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