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失恋1

昨日の夜、失恋をした。
それはもう、何も言い訳のできない大失恋である。
まだまだ立ち直れていないが、
おそらく、これほど綺麗な失恋は人生でも中々できないと思うので、自分がその都度思ったことを記録しておきたいと思う。
この経験が、自分の人生に彩りをもたらしてくれることを祈りながら。

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自分がやりたいと思った仕事を選んだために、(地元にいれると思ったら)遠方に飛ばされてしまい、そのまま遠距離恋愛が1年8ヶ月続いた。
このコロナ禍ずっと遠距離である。

この予兆はずっと前からあった。
まともなセックスは約1年できていない。元々床上手ではないし、休日も違うためきちんと夜の時間を作れなかった。そうなると必然的に恋人としての距離は遠のく。
2021年に入ってから、それは顕著だった。

恋人からの「もう限界」との声を機に地元に帰ることを決意したものの、東京を離れることやそれに伴い転職先の選択肢が絞られることに、少し心細さを感じるようになった。

そうして、コロナもあり中々会うことができず、5ヶ月ぶりに直接会った。相手からもスキンシップに甘えてくる素振りはなかった。
空白の時間は大きく、どうすれば距離を縮められるのか、もう分からなかった。

そして、しっかり振られた。

同じ生活リズムに合わせてから、判断してみるのはどうか?と提案したが、言いながら自分でも分かっていた。
戻った先で以前のような恋人関係に戻れるのか不安になっている時点で、もう終わっていたのだ。

「恋人になった時点で、行き着く先は一生一緒にいるか、別れを選ぶかの二択しかない」そうだ。
恋人として一生一緒にいることはできなかった。

「これからどうしたい?」と聞かれたので
「友達でいたい」と答えた

自分にとっては人生の1/4を共に過ごした大切な人だ。
間違いなく自分の一番の理解者だと思っている。
自分の好きなものは何か、今何にハマっているのか、世の中にどんな想いを抱いているのか、この遠距離期間も連絡は取り続けてきたため、なんでも共有してきた。

恋人関係に戻れなくても、好きなものを共有したり、近況を報告できたら良いな。
相手に恋人ができたらショックを受けるだろうが、「幸せになれよ」と祝福したいな。

これは間違いなくお節介だが、新しい恋人とも仲良くしたいな。自分が恋人として幸せにできなかったからこそ、次こそは本当に幸せになってほしい。
と思ったが、想像してみるとそんなことはなかった。今相手に恋人ができたと思うとショックでしかない。
たぶんそれは、自分が次の恋を見つけられないとそう思えないだろうな。

とはいえど、東京に帰るのは1日後のため、その日は恋人という枠組みから外れて仲良く会話し、一緒に寝た。中々寝付けなかった。
皮肉なことに、別れてからの方が相手が魅力的に見える。人間は愚かな生き物だ。
そして、一旦仕事に行った元恋人を見送った後、これまでの感謝を伝えたいなと思い、スマホのメモに手紙を記した。自分にどれだけのものを与えてくれたのか。思い返してみると感謝してもしきれない。
号泣しながら1時間少々、一心不乱に書き続けた。
手紙を書くことで、元恋人がどれほど大きな存在だったのか、自分の心の整理にもなった。

と言いつつ、朝の自分が書いた文章に嫌気がさして、今少し加筆修正した。また泣いた。

アルコアンドピースの漫才を見た。
めちゃくちゃ笑って気持ちが軽くなった。お笑いは偉大だ。

その後、神戸に出かけた。
理由は特にない。強いて言うならきちんと街を歩いた記憶がなかったので、気分転換に歩きたくなった。

神戸に向けて元恋人の家を出た頃に、元恋人からLINEが届いた。
びっくりするほど、以前と同じような文面だった。
癒されたエピソードを報告してくれた。
恋人同士のLINEと言われても通用するだろう。
きっと、多少は気を遣ってくれたんだろうな。ありがたい。
それと同時に、ここ最近の関係性は恋人というものではなくなっていたのかもしれないと強く感じさせた。
こんなLINEもいつまで続くかわからないが、3年弱も自分にのことを共有し続けていれば、恋人という枠が外れても中々切ることはできない。
無理のない程度に続けて行けたらいいな。

神戸では美味しいと評判の牛丼屋に行った。
Googleマップを見た限りは開店していたので、散歩がてら三ノ宮を10分ほど歩いた。
店の前に着くと、まさかの張り紙が。

休業日だった。
流石に心を折られ、元恋人にLINEをし、スタンプで癒してもらった。別れる前と何ら変わらない。

通りがかりの焼き鳥屋でランチを食べ、御影で降りてまたふらふらと歩き、珈琲とケーキを食べた。
めちゃくちゃ美味しい。

帰りの電車で星野源の「よみがえる変態」を読んだ。
また心が少し落ち着いた。

この間、友人に送った報告の連絡からは、次々と「ご飯行こう」とメッセージが届いた。
みんな優しいな。

こうして元恋人の家に戻り、こんな失恋からどう立ち直るのか、記録してみても面白いと思い、文字を打ち込んでいる。
どうやって立ち直るんだろうか、自分は。

エッチしたいとか、デートしたいとか、そういう軽い気持ちで好きになれそうな人は多分いる。
しかし、ここまで自分にとって大切な相手には中々出会えないだろう。
それでも、前を向くしかない。
こんな素敵な人との失恋を経験できたのだから。

ちなみに2人で食べる最後の食事は、お土産のシューマイに、以前食べようとして買い逃した近くのお店の小籠包だ。
時間は限られているが、楽しい夜になるといいな。
きっと泣いちゃうだろうが、最後は笑顔でお別れできるといいな。

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