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2019年の世界のeSportsシーンで最も視聴されたゲーム

2019年は様々なゲームが記録を打ち立てた1年だった。また一般のスポーツのように他のタイトルと比べて際立つタイトルもいくつか存在した。我々のデータから実際の視聴をもとにゲームを見てみよう。この記事では視聴時間に注目してみた。我々は2019年のすべてのeスポーツ競技(大会やシーズンなどの形式などにこだわらず)のサマリーを作ってみた。もちろん中国のプラットフォームとそれらの指数は除いて。特筆すべきは業界に絶え間なくニューカマーが参入してきたということだ。オートバトルジャンルは全体的な視聴者の関心を捉え、非常に強いパフォーマンスを示してきた。バトルロワイヤルジャンルも拡大し、方向性としてはモバイルに向かった。その間も先駆的なゲームは君臨し続けた。モバイルeスポーツそのものは引き続きモーメンタムを得続けており、モバイルのタイトルがPCを圧倒しつつある。

#5 - Arena of Valor


すべてのeスポーツの分野を見ると『Arena of Valor』は非常に価値のあるプレイヤーだと言える。特にこのタイトルがモバイル においては2019年にナンバーワンのタイトルであったということを見逃す訳にはいかない。このMOBAタイトルはeスポーツのシーズンにおいて7200万時間もの視聴があり、「AoV World Cup 2019」はこの分野における最も人気のあるイベントだった。最近においてはこのゲームがアジアで最も人気がある。このゲームは中国語ではHonor of Kings(中国語名「王者栄躍」の英訳)として知られている。このゲームのコア視聴者としてはベトナムの視聴者と言って間違いないだろう。「Vietnam Regional League(ベトナム地域リーグ)」もこの分野において2番目に多く見られた大会だった。他の競合タイトルとは違い、『Arena of Valor』は大会の数が多いからではなく、量より質でクォリティーがランキング入りの要因だ。このタイトルはイベント運営においても1つの大会は既存チームの対戦、もう1つはナショナルチームの対抗戦にするなど大会同士の魅力を競わせるというユニークさを持ち合わせている。

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#4 - Overwatch
『Overwatch』の場合、昨年はそれほど盛り上がった年ではないという結果に終わった。『Overwatch』リーグ・セカンドシーズンの結果はネガティブで、視聴時間はわずかに8100万時間に留まった。このゲームのeスポーツライフにもっと多様性があればこうはならなかったはずである。BlizzardとしてはOverwatchというゲームの中に多くの新しいコンテンツを追加するという賭けに出た。OWLというこのゲームのeスポーツの仕組みの競争要素の中心になるコンテンツが視聴時間で最も多かった。リーグ以外では他のイベント(「Overwatch Contenders」など)を通じても視聴者を引きつけた。昨年は全体的にこれといった成果はあまり残せず、「OWL Season 2」のプレイオフが始まる8-9月ごろから漸く盛り上がってきた。11月にはナショナルチームが激突する「World Cup」があり、2019年の「OWC」においてアメリカチームの勝利により韓国プレイヤーの不敗神話が崩壊した。

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#3 - Dota 2
2019年は『Dota 2』にとってもベストシーズンとは言えなかった。試聴時間はわずかに2億8200万時間に過ぎず、これは『CS:GO』や『LoL』よりも低い数値だ。DPCシステムは開発元により大分整えられた。チャンピオンシップはマイナーなものも含めて10大会で主にメジャーな大会が視聴をリードした。最大の視聴はもちろん「The International」でこのタイトルの全視聴の31%を占めた。メジャーな大会で最も成功した「EPICENTER Major 2019」は6%。DPC以外で最も人気のあったイベントは「ESL One Birmingham 2019」で視聴は全体の3.4%だった。しかしながらシーズン全体的には思わしくない結果で「The International」以外では成長は見られなかった。競合タイトルが新記録を打ち立てる中、比較チャートが明確に示す通りDota2はプレイヤーと視聴者を共に失った形だ。また、トップ3の成長の差も顕著で『Dota 2』と『Overwach』のその伸びの差は246%と完敗。Valveが開発したこのタイトルは、このタイトルのeスポーツの種目としての生命に責任を持つサードパーティーの大会主催をフルサポートしている。これが、時にはプレイヤーのレベルなどには捉われない様々な参加者を伴う世界中での様々な大会の開催に寄与していると言える。
Riot Gamesはeスポーツに対して別のアプローチを取っている。開発元自身が大会の開催に直接入っている(しかもそれがかなり成功している)。『LoL』の競争システムは2つの大規模で国際的なトーナメントと世界中での数々の地域リーグである。

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#2 - CS:GO

『Dota 2』がValveのメインeスポーツタイトルという見方が一般的だが、2019年以降はそれは有効ではなくなった。この年『CS:GO』が2.84億もの試聴時間を稼ぎ自社のMOBAタイトルを圧倒した。このシューティングゲームはいくつかの革新的に違うシステムによりこの数値を達成した。巨額の賞金総額を伴う中央集権的な単一の選手権に便り切る代わりに、このゲームは幅広いバラエティーに富んだ大会が世界中で開催されており、それらがゲームへの関心を維持し、ローカルシーンを作り出すのに貢献している。『CS:GO』は2019年において『Dota 2』『LoL』と比べ実に2倍ものトーナメントとリーグ戦を実施している。
もちろん世界選手権である「IEM Katowice Major」と「StarLadder Major Berlin」が上半期と下半期で最も視聴された。またポーランドの大会である前者のほうがベルリンの大会を視聴で上回った。

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#1 - League of Legends

『The League of Legends』が2019年で最も人気のあったeスポーツゲームだ。この伝説のゲームはこの9回目のシーズンにも数々の記録を打ち立てた。年間視聴時間4.78億時間は2位さえも68%も上回っている。昨年全ての面においてこのゲームは成功したが、ほとんど全てのメジャーな地域リーグにおいて改善を見せた。開発元により主催された世界中でのリーグ戦はこのゲームのeスポーツシステムにおける切り札的な役割を果たした。これらの熱い競技は西は「LEC」と「LCS」、東は「LCK」と「LPL」だと言える。昨シーズンにおいてこのゲームは信じられない記録を打ち立てた。「LoL World Championship」の最高同時視聴者数が400万を記録したのだ。この驚異的な数の視聴者は世界で最も人気の高い2チームの対戦に魅せられた。SKTelecom T1とG2 Esportsだ。これはeスポーツ産業において今日までで最高の記録だ。
2019年はまた、欧州チームのための新しいリーグの幕開けでもあった。LECのデビューのことだが、春季シーズンは平凡なスタートだったが夏季シーズンのファイナルでは84.1万の最高同時視聴者数を記録した。アメリカのファンにとっては失望だったが、北米と欧州の争いが新たな高みに達した。結論的に言うと、2019年は驚きの連続で、モバイルゲームの台頭と元々人気だったタイトルの新記録というのが特徴だったと言える。2020年の更なる成長に期待する

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