Espoir(エスポアール)

#知的障害者の母親を持つということ: 軽度知的障害は7人に1人の割合で存在するようです…

Espoir(エスポアール)

#知的障害者の母親を持つということ: 軽度知的障害は7人に1人の割合で存在するようです。昔は知的障害に対する認識も低く健常人として中高年になった方々が多くおられます。その子供さん達については情報が余りありません。この記事に目が留まった方がいれば繋がっていただければ幸いです。

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#11.自己を認識できない・自分が誰か判らない②

#9.自己を認識できない・自分が誰か判らない では、以下について書きました。     ・自分が誰か判らない     ・他者と自分の区別     ・長期的なビジョンを描けない 他者と自分の区別がつかず、 時折、他者になりきってしまうひろ江について 読者の方から驚いたというコメントをいただきました。 この症状については不可思議で 筆者自身、他の精神疾患も疑いました。 そんな折、加藤進昌先生の記事(※)を読み 謎がとける思いでした。 今回はそれについて補足をしたいと思います。

    • #10.ネガティブな言葉の先には、どんな幸福もない。

      前項「#9自己を認識できない・自分が誰か判らない」 では、ひろ江はアイデンティティが確立されておらず、 自分の考えをもたない。 又、ひろ江のキャラクターは統一性がなく、 別人になる瞬間があるエピソードを話しました。 ひろ江は突然ひどい人になる瞬間もあれば ある時は、常識的なことを言う場面もあります。 しかしながら、咄嗟に出る言葉については やはり、ひろ江の本心とは切り離せないものに見えます。 今回は、ひろ江のネガティブな言葉の影響力について 話したいと思います。 事例

      • #9.自己を認識できない・自分が誰か判らない

        今回は、発達障害ゆえの、自己認識の無さについて 触れたいと思います。 星野仁彦先生が上記で述べられているように ひろ江も自己認識を困難とします。 実例をあげたいと思います。 自分が誰か判らない ひろ江は自分自身について判らない事が多い。 得意、不得意、好き、嫌い、を含め 多くについて、気付いていない。 自分の意見も持たない。 ひろ江は毎朝、起床して一番に歯を磨くが 理由を尋ねられると、答えることが出来ない。 ひろ江は今の生活に不満をもち 本望ではない生活を送っていると

        • #8.感覚の鈍麻について

          人間には五感(視、聴、嗅、味、触)があります。 敏感な人は六感、或いはそれ以上をもつ人がいます。 ひろ江は五感に敏感ではなく、時として無いように見えます。 今回はひろ江の知覚についてお話します。 痛みの知覚について ひろ江の、両足指の付け根部分は大きく変形し、 その為、指が前を向いていない。 変形が大きい為、関節リウマチにも見えるほどである。 いつから変形が始まったのかと尋ねると 「痛くないから気づかなかった」 と言う。 通常、骨が変形するときの痛みは強く、 眠れない程

        #11.自己を認識できない・自分が誰か判らない②

        マガジン

        • 自己概念がない / 自己を認知できない
          2本
        • 軽度知的障害
          9本
        • 時間概念の欠如
          4本

        記事

          #7.変化を受容できない・定型パターンへの執着

          ひろ江  ・軽度知的障害・発達障害(この時点では診断されていない) ・専業主婦 / 娘2人(健常児) ・職歴なし 前項「#5ルーティン以外の選択肢をもたない」では ひろ江の毎日は同じであり、昨日と今日、今日と明日、明日と1年後、 および10年後、20年後は ひろ江にとって全部同じ日であると述べました。 又、それは子育てとは対極にあることも触れました。 この項では、ひろ江の子育てについて触れたいと思います。 変化を受容出来ないひろ江と育児ひろ江は子供が日々成長して変化す

          #7.変化を受容できない・定型パターンへの執着

          #6.ルーティンを変えることが困難

          これまで、ひろ江は時間の概念をもたず、目先のルーティンが最優先であることを何度か述べました。 今回は、どんな事があってもルーティンをやめられない事例を詳細にあげたいと思います。 ひろ江  ・軽度知的障害・発達障害(この時点では診断されていない) ・専業主婦 / 娘2人(健常児) ・職歴なし 事例 1.  ルーティンを変えられない ① ひろ江は年齢の離れた末っ子で、実母のタエコに大変可愛がられて育った。 その為か、ひろ江は実母が大好きだった。 88歳になっても、長男宅への

          #6.ルーティンを変えることが困難

          #5.ルーティン以外の選択肢をもたない

          ひろ江が時間の概念をもたないことは、前項で述べましたが、この項ではひろ江の最優先事項であるルーティンについて述べます。 ひろ江とルーティン ひろ江の生活においては、ルーティンが最優先事項である。急ぎの用事が無くても、直近のルーティンを終えるために、いつも急いでいる。 ほぼ定型化された日課を毎日繰り返し、定型から外れることは無い。 ルーティンから外れないので、ひろ江の人生には登場人物が居ない。 近年(この30年程)、ひろ江は下記の定型を繰り返している。 1. 起床 2. 朝

          #5.ルーティン以外の選択肢をもたない

          #4.空気の読めなさと非常識な発言

          ひろ江は空気を読むことができず、非常識な発言をすることが頻回にある。 実例を詳細に挙げる。 事例1:長女の病気ひろ江 :42歳 長女  :18歳 長女のユカリは、その当時、膝の脱臼を繰り返すようになる。 近所の整形外科ではサポーターや湿布などが処方され、保存的な治療をされるが、その後も脱臼を繰り返す。 脱臼すると歩けなくなってしまう為、その都度病院へ通う。痛みも強く、学生生活にも支障がでる為、一番つらかったのは本人である。 原因は膝蓋骨(膝のお皿)が、半分外れている

          #4.空気の読めなさと非常識な発言

          #3.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          「時間の概念が弱い子どもは”昨日””今日””明日”の3日間くらいの 世界で生きています。 場合によっては数分先のことすら管理できない子どももいます。」  (3章「想像力が弱ければ努力できない」の項) http://www.flierinc.com ・・・この項では、軽度知的障害による時間概念の欠如により、 未来の予定を立てて行動する習慣を構築できない、日々の行動がその後の人生にどう繋がっていくのか想像することすら出来ず、想像が出来なければ努力をすることが難しい・・・ という事

          #3.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          #2.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          「時間の概念が弱い子どもは”昨日””今日””明日”の3日間くらいの 世界で生きています。 場合によっては数分先のことすら管理できない子どももいます。」  (3章「想像力が弱ければ努力できない」の項) http://www.flierinc.com “時間の概念が欠如している状態“について、一般的に想像がつきにくいです。 当たり前すぎて “それが無い人が居る“ と言うことは知られていないのではないでしょうか。 時間の概念は「5感」にこそ含まれていませんが、障害と認められても

          #2.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          #1.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          「時間の概念が弱い子どもは”昨日””今日””明日”の3日間くらいの世界で生きています。場合によっては数分先のことすら管理できない子どももいます。」 (3章「想像力が弱ければ努力できない」の項)https://www.flierinc.com/summary/2093 「このような子どもは、 今我慢したらいつかいいことがある 1ケ月後の部活の試合や定期試験に向けて頑張る 将来、○○になりたいから頑張ろう! といった具体的な目標を立てるのが難しいのです。 目標が立てられない人は

          #1.時間概念の欠如について 『ケーキの切れない非行少年たち』 (宮口 幸治)を読んで

          #母親の知的障害について(Yahoo知恵袋より)

          Yahoo知恵袋で下記の書き込みを拝見しました。同じ境遇の方を探されていたようです。今からでもご連絡をしたいくらいですが、連絡手段がなく残念です。 このブログが質問者さんの目に留まりますように。 及び、同じような境遇の方がおられたら連絡をお待ちしています。 質問者さん.1 pea********さん 2013/10/10 12:01 知的障害者の母を持つ娘39歳です。 同じ境遇の方いませんか? 子供の頃の嫌な思い出(トラウマ)を引きずっています。 母は中度でIQ51で

          #母親の知的障害について(Yahoo知恵袋より)

          #母親が知的障害だったら・・・

          始めに・・・ 最近、「ケーキの切れない少年たち」の本が話題になっていますが、コロナ禍で中高年の軽度知的障害が判明する率が増えています。 軽度知的障害は7人に1人の割合で存在するようですが、昔はそもそも知的障害に対する認識も低くスクリーニングにひっかっかることなく、中高年になった方々がおられます。 普通に結婚して家庭をもった方も多いはずです。その子供さん達には注目されることがなく、探しても情報が余りありません。唯一探し当てた著書は「私の母は知的障害者」(著者:エストラーダ

          #母親が知的障害だったら・・・