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弱者の戦略を自分事として捉える

ビジネスやマーケティングにおける競争戦略として有名な戦略の一つにランチェスター戦略があります。この戦略を応用する事で、資金や人数の規模で劣る中小企業やベンチャー企業が、特定の分野に資源を集中して効率的に市場で戦う戦略を編み出しています。

これを自分事、しかもプライベートな課題に当てはめてみる思考実験をしてみました。子どもの「不登校」に対してです。一見、ビジネスと全く関係のないドメスティックな課題ですが、ランチェスター戦略を弱者の戦略と捉えると、「不登校」における『組織(学校やフリースクール等)と個人の関係性に関する問題』という視点が親和性を持って浮かび上がってきました。

ここでの視点では「競争戦略」という表現は馴染まず、あくまでより良い環境で個人が生きていくために必要な「人生戦略」と捉える必要があることに注意が必要です。

では、不登校における「組織と個人の関係性に関する問題」について、具体的には、学校に違和感を覚えたり、生きづらさを感じている個人が、その極めて個人的な課題の解決に向けて動く際、その相手が常に組織であるという問題です。

もちろん一つ一つの相談をはじめとする各種の対応は、教師やカウンセラーなどの個人が対応してくださいます。ただ、彼らも組織に所属している以上、その相談内容(個人の困りごと)を一般化し、組織内で共有し理解のしやすい形に整えざるを得ないように思います。

そのため個人としては、抱えるモヤモヤが結局どのように伝わったのか、理解が得られたのかどうかが分からずに、悪くすると組織や相談対応者への不信感にもつながりかねません。

ただ、決してそのために相談が無駄だとか、組織が無能だとか言うつもりはありません。
相談するにあたり、弱者の戦略を持って臨んではどうかと考えた次第です。
つまり、相談相手を大きな組織であると認識したうえで、相談者との1対1の接近を試みるということです。

ただのマインドセットにとどまらず、相談時も、自分は子どもの問題を一人の人間としてどう考えているのか、その問題について相談者はどう思うか、という接近戦に持ち込めば、自ずと自分の考えや感情の相対化、相談対応者の力量の判断などが出来るのではないかと思いました。

もちろんこの戦略は、相談する側の負担が半端なく大きく、気軽に実践という訳にはいかないかもしれません。ただ、不登校に関して親が持つさまざまなジレンマを少しずつでも解消する姿勢の一つとして、さらに考えを深めていければと考えています。

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