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天道と人道■□下田コラム□■vol.38

最近、二宮金次郎の本をたくさん読んでいます。

昔は小学校の校庭に必ず銅像があった、あの二宮金次郎です。

二宮尊徳と言ったりもします。

少年が薪を背負って本を読んでいる。
あの銅像。

多くの方が二宮金次郎というと、あの姿を思い出し、勤勉で健気な少年を思い浮かべると思います。

実際の二宮金次郎は、大人になった時は、身長180センチオーバー、体重も100キロ近くあったそうです。

江戸時代にこの体型はとてつもなく大きいですね。

今でいったら、身長2メートル、体重120キロといった感じでしょうか。

格闘家みたいな体格ですよね。

そんな二宮金次郎の本を読んでいます。

二宮金次郎は、約600の貧困の村の改革に成功した功績を持っています。

そして、その生涯の中で、体得した哲学は、後世の偉人達に多く引き継がれているのです。

有名どころでは、渋沢栄一、松下幸之助、稲盛和夫、トヨタの創業者豊田佐吉、ミキモノの創業者御木本幸吉などです。

そんな二宮金次郎は、天道と人道という話しをします。

天道とは、天の法則
自然の摂理と言ってもいいかもしれません。

ひまわりの種からはひまわりが咲きます。

台風は、大雨と強風をもたらします。
生きていたら腹が空き、食べることなく人は生きることはできません。

これらは、古今東西変わることのない絶対的な法則です。

これを天道といいます。

それに対して、人道とは人の法則です。

体毛もなければ、牙も鋭い爪も持っていない。

そんな人間がこの世の中で生きていくために必要な法則です。

人がより幸福に生きていくためには、天道を受け入れながらもそれに逆らう、人の道、人道が必要だといいます。

例えば、天道で考えると、植物は水と太陽で勝手に育っていきます

つまり、畑で野菜を育てようとした時、野菜だけでなく、植物はすべて平等に水と太陽で育っていくのです。

しかし、そうすると、野菜に栄養分がうまく行き渡らず、効率的に育ちません。

そこで、人は努力して、野菜を育てる時に、人間が勝手に雑草と思える草を取り除くのです。

これは、植物が育つという天道に逆行する行為です。

しかし、これをしないことには、人がより幸福に過ごしていくことができないのです。

この天道を活かしながら、これに抗うのが人道と言います。

これを組織で考えるとどのようなことが言えるのでしょうか。

例えば、わがまま好き放題、自分の利益しか考えない人がいたとします。

生命の本姓で考えたら、それこそが自然の姿だと思います。


何者にも縛られず、自分の命の赴くままに生きる。天道です。


しかし、これでは組織が成り立ちません。

そこで、規律をつくり、役割を与え、罰則をつくり、全体の幸福につながるような仕組みを作るのです。

これが、人道です。


二宮金次郎のエピソードを要約するとこんなことを言っています。


川を自然のままにしておけば、大雨が降った時、氾濫し、洪水を起こし、田畑を水浸しにして、農作物をダメにします。また、家を流し、時には死者を出します。

これは自然の法則であり、まさに天道です。


これでは、人に幸福をもたらさないので、堤防をつくり、川の流れを変えます。

このようにして洪水が起きないようにします。

これが、天道に抗う、人道です。


では、川自体を潰してしまったらどうでしょうか。

米を育てることができなくなります。飲み水を得ることができなくなります。


つまり、大切なことは、天道を活かしながら、人道をいくということです。


また、堤防を作ったとしても、想像し難い大雨が降った時は、川は氾濫します。

そのようにして、何年かに1回は氾濫するのです。

その時に、「また、氾濫するから堤防を修復しても意味がない」といって、そのままにしておくのは、人道を捨てて、天道のみに従うことになります。


これでは、今まで以上に川の氾濫を招き、皆が幸福になることができないのです。


つまり、皆が幸せになるように、自らを律していく、仕組みとして、規律を作り、罰則を作っていくことが大切です。

しかし、その前提には、生物としての天道である、人の自由、自主性が活かされることが必要になってきます。


その上で、天道だけでは、川が氾濫してしまうように、人道を発揮して、組織がうまくいくための規律を考えていきます。


人間性が発揮され、それが皆の幸福につながるように、仕組みを考えていく


二宮金次郎の考えに触れて、その順番が組織にとって重要なのではないかと思ったのでした。

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