2、アナルと物は大事にする。

 思い返えせば食べ残しが多い子どもだった。私は食べ物の好き嫌いが多いのだ。
 しかし、歳を重ねていくにつれ、お金を稼ぐ大変さや食事を残された側の悲しみなどを知るようになり「他人が恵んでくれたものは無駄にしてはならない」という気持ちが芽生えた。

そう、
それはアナルプラグだって同じことだ。





 風呂に入ろう。
 私は肌寒い1Kの部屋の中でおもむろに全裸になった。風呂に入る行為は好きだが、行動するまでに無駄に時間ががかかるのはズボラあるあるだ。思い立ったときにすぐさま着手しなければまたズルズルと怠けてしまう。防止策としては思い立った瞬間に全裸になることだ。これライフハックだよ。

 浴室に足を踏み入れようとした私の目に、ふと、Amazonの段ボールがうつる。

あ、

アナルプラグ使おう。




 人間に肛門はひとつしかない。(ふたつ以上ある人はすみません)
 よって5つあるうちの一番太いアナルプラグをいきなり肛門に挿入することは大変よろしくない。肛門が壊れてしまう。人工肛門はコスパが悪そうで嫌だった。銭湯とかにも入れなさそうだし。なのでセオリー通り一番細いアナルプラグから試してみることにした。

 アナルプラグにコンドームを装着し、ローションをたっぷりとなすりつける。ついでに肛門にもなすりつける。

 ボーイズラブ作品などで指を1本ずつ挿入してなんやかんや慣らして「ほらもう指が3本もはいってるよ……」「やだ……」みたいなやつをよく目にするけれども、なんかこの細さだったらいきなりいけるような気がした。

「いっちょやってみっか!」
私の中の悟空が囁いた。

「せやな」
私は応えた。

 アナルプラグの吸盤面を風呂の床に貼り付け、ヤンキー座りになり挿入を試みた。


えいやっ (ニュルブルクリンク)



挿入った。
挿入ったのだ。
人間すげー肛門すげー!

 「意外とすげー簡単に挿入るやんけ!」「お母さんごめんなさい!」みたいな感動と背徳感。そしてアナルプラグのふくらみの部分が体内に挿入ってくるときにいい感じのうんこがいい感じに出る感じの爽快感?みたいなのを感じた。
 ローションがいい仕事をしているおかげか痛みはなく、このまま仕事しろって言われてもまあできそうな感じであった。休職中だけど。

 嬉しくて嬉しくて、全裸のまま
「風呂に入るついでにアナルプラグを入れたらはいった!!!」
と歓喜の報告ツイートをした。
  すると「アナルプラグはついでで挿れるものではない」との意見をいただいた。まあそういう観点もあるでしょう。


アナルプラグを贈ってくれたオタクよ、
お前の義、確かに受け入れたぞ……。


27歳の平成最後の冬、
私はまたひとつ大人になった。


しかしアナルプラグは残り4つある。
私の挑戦はまだまだ終わらない。

「他人が恵んでくれたものは
無駄にしてはならない」



のだから……。



続く。
(肛門のコンディションを伺いながら随時チャレンジしていきます。)

2019.03.15

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