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【対談】大和優槻          「相手の矢印を折る」ビルドアップ。                味方を動かすコーチングの重要性。

 柏レイソルアカデミーで育ち、柏レイソルユースからヴァンフォーレ甲府に加入した大和優槻選手。現在はいわてグルージャ盛岡(期限付き)でプレーしている。アカデミー時から高いビルドアップ能力、的確なコーチング能力、打点の高いヘディングが武器の大和優槻選手は何を考え、何を意識してプレーしているのだろうか。その真相を語ってくれた。

大和優槻(やまとゆづき)選手
経歴 柏レイソルU12
   柏レイソルU15
   柏レイソルU18
   ヴァンフォーレ甲府
   いわてグルージャ盛岡(期限付き)

インタビュー・文 = ESENCIAサッカースクール
(取材 2024年2月20日)


ーーまず、改めて優槻のポジションってどこ?

大和優槻 今は3バックの右だね。4バックだったら右のセンターバックをやるよ。

ーー優槻の今の身長と体重は?

大和優槻 身長は186cm、体重は77kgだよ。前よりはだいぶ体重増えたけど、82.83kgくらい欲しいかも。一回その体重でプレーしてみたいな。重かったら減らせばいいし、そこは試しながらだね。

ーーでかいFWに身体負けすることはある?

大和優槻 たまにあるけど、身体が自分より強いと思ったFWには予測してインターセプトしたり工夫してカバーしてるかな。

ーー自分は優槻のプレースタイルはある程度分かるけど(柏レイソルアカデミーで同期の為)、改めて優槻のプレースタイルとか特徴を教えて欲しい。2年で変わってるかもしれないからね。(笑)

大和優槻 プレースタイルはあまり変わらないよ。(笑)強みはビルドアップ、ヘディング、あとはコーチングかな。

ーービルドアップのコツとかある?

大和優槻 「相手の矢印を折る」事を常に考えてる。左から右にボールが渡ってくる時は、相手も左から右にスライドするだろうし、プレッシャーの圧力がかかってる時は背後が空くだろうし、その矢印を折っていく、みたいな。CBは性格が悪い方がいいんだよね多分。(笑)常に相手の逆を取るとか、あえて疲れてるサイドを狙って攻撃するとか。あと優先順位的な話で言うと、最初は中を見る。ゴールは真ん中にあるからね。サイドにつける時は、中につける為のサイドって感じ。中っていうのはボランチやフォワードだけど、見るのは奥のフォワード。フォワードを見てればある程度コートの全体が視野に入る。

ーー優槻はアカデミーの時からキックが上手いと思ってたけど、コツとかある?

大和優槻 実際に見せないと説明しづらいな。でもディフェンダーは色んな球種は蹴れた方が良いと思ってる。そしてそれを使い分けないといけない。相手のプレッシャーにハマった時はフォワードの胸に低いカットボールを蹴ったり、同サイドの背後にふんわりしたカーブボールを蹴ったり、色んな状況によって球種は変えるね。あとは正確性が大事。キックが上手いディフェンダーは魅力的だし価値がある。

ーーどんな練習をしたらキックは上手くなる?

大和優槻 とにかく何度も蹴る事だね。沢山蹴れば自分の蹴り方も見つかる。どこにボールを置いたら蹴りやすいのか、どのように足をボールに入れたら蹴りやすいのかとか、蹴り方は人によって違うからとにかく蹴り込んで自分の蹴り方を見つけることが大事。レイソルアカデミーの時は練習前と練習後に2人組で向き合ってとにかく蹴り込んだよ。

ーーヘディングのコツとか意識してる事は?

大和優槻 とにかく最高到達点でヘディングする事かな。自分の真ん中に一本の軸があるとして、ヘディングする時はその軸を地面に対して垂直にする。当てる場所は、眉毛と眉毛のど真ん中。そうすればボールの芯に当たりやすいから、上手くいくとボールが無回転になるんだよね。あと秋田さん(いわてグルージャ盛岡 代表取締役オーナー兼社長)には「ヘディングの競り合いはクリアじゃなくてフォワードに楔を入れろ。」って言われてるからそれも意識してる。フォワードにスルーパスを入れることができたらそれが1番良いけどね。横向きのヘディングは、言葉だと説明しづらいけど、野球のピッチャーの投げるフォームみたいな感じですると良いよ。横のヘディングはひねりが重要。

ーー優槻はプレー中ずっとコーチングしてる印象があるんだけど、コーチングの重要性と意識してる事を教えて欲しい。

大和優槻 喋らない味方選手は一緒にプレーしづらいんだよね。守備の際にチームの意思を共有する為に喋る。後ろの選手が1番見えてるから、後ろの選手からコーチングしないと前線の守備は上手く噛み合わない。フォワードを動かしてくれるボランチはめっちゃありがたいね。意識してる事は、「自分が守りやすいように動かす」っていうこと。前の選手を動かして、相手の選択肢を限定していって、自分の所で奪い切れたら最高。

ーーどうやったら優槻みたいにコーチングできるようになる?

大和優槻 これに関しては本当に習慣化だね。練習から常に喋ることが大事。コーチングできるって事は考えてるって事だから、常に考えてプレーしていないとコーチングもできない。「常に考えて、常に喋る」これが大事。小学生年代の選手はまだ経験値も少ないだろうから、まずは「ターン」、「ワンタッチ」、「フリー」これをパス出す時に伝える事を意識すれば良いと思う。基本的な事から、相手に意図を伝えることが大事かな。レベルが高くなれば、パススピードとか出す位置で意図が伝わるけど、小学生年代はそれは難しいだろうから、よりコーチングは必要。

ーー対人の守備のコツとかある?

大和優槻 外に外に行かせる事だね。プロになってからは、ボールを奪い切れたらトップクラスのディフェンダーでバックパスをさせたら勝ちだと思ってる。あとは次のプレーをミスさせる事も意識してるかな。

ーー相手がフォワードに楔のパスを入れてくる時は、どんな事を考えて守備してる?

大和優槻 まずはインターセプトできたら1番良いから、さっきも言ったけど前の選手を動かして、ボールホルダーの目線と身体の向きを見て予測するようにしてる。とにかく予測が大事。でもインターセプトできない時は、トラップ際を狙うね。それでも入れ替わりそうになったらファールして止める事もある。高い位置だったらカードは出にくいし、相手の良い流れの時とかはあえてファールする事もある。

ーーこんなフォワードが嫌だ、みたいなのはある?

大和優槻 常に背後を狙ってくるフォワードは嫌だね。あとはロングボールが来た時に、先に自分に身体を当ててくるフォワードは嫌だな。

ーー先に身体を当ててくるフォワードにはどうやって対処するの?

大和優槻 まず背負われない方がいいから、1.2メートル離れて自分の間合いを作ってから、さっき言ったようにインターセプトを狙ったりトラップ際を狙ったりしてる。フォワードとの間合いに関してはディフェンダーの能力によって違うから、やりながら自分のやりやすい間合いを見つけていけば良いと思う。

ーーディフェンダーの途中出場って難しいと思うんだけど、途中出場する時は何を意識してる?

大和優槻 ピッチに入った最初のプレーは簡単なプレーをして、そっから徐々に試合に入っていくかな。

ーーチーム練習で常に心掛けている事は?

大和優槻 練習中でも目の前の相手に負けない事。簡単に抜かれないとか、キーパーと協力してゴールを守るとか、とにかく目の前の相手に負けないようにしてる。あとは移籍して最初の方は自分をアピールしないといけないから、監督やコーチから言われた事は守りつつ、自分の色は意識的に出すようにしてる。

ーー身体作りで意識してる事は?

大和優槻 体重が増えない現状から、今年からは栄養に気を使うようにしてて、管理栄養士をつけたんだよね。自分が食べた写真を送って、この栄養素取りすぎとか、逆に取らなすぎとかを指導してくれて、メニューや作り方も教えてくれるんだよね。でも小学生年代は、とにかくいっぱい食べることが大事かな。

ーー小学生の時は何が1番成長した?

大和優槻 足元の上手さだね。小学生年代はやっぱ技術面が成長すると思う。レイソルアカデミー入ってパス練習を沢山やるようになって、止める蹴るはめっちゃ上手くなったね。

ーーこれでインタビューは終わりかな。優槻とこんなプレーの話をする事は今までなかったから、めっちゃ為になった。ありがとう!

大和優槻 こちらこそありがとう、お互い頑張ろうな!


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