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成功の秘訣(?)

占いは信じていないがときどき暇つぶし程度に行くことがある。
ほかの人は「何月にモテ始める」だとか「この職業が向いている」だとか、正解か不正解かもわからないような当たり障りのないことを言われ一喜一憂している。

「あなた結構盛り上げるタイプ?でも本当は一人の時間が好きでしょ」

核心をついたような言い方をしているが、そんなものこれまでの会話でどんなタイプか想像できるし、たいていの人間は一人の時間も好きだ。

それに比べてなぜか私は”攻めた”占い結果を言われることが多い。
個人的に一番面白かった占い結果は、

「あなた、〈情愛の星〉のもとに生まれているわよ。すごく珍しい。とってもモテるけど男女関係で苦労するの。夜遊びはほどほどにしなさいね。さもないと後ろから女の子に刺されちゃう。」

まさか男子校出身の私が?
クラブに誘われても行かないし、ナンパもしないし、マッチングアプリだって入れたことがない。

”よあそび”は確かに好きだがそれはアーティストの方である。
…お後がよろしいようで。

皆さんは占い師に死因まで勝手に占われたことはあるだろうか?
お酒も好きだし口も立つほうなので将来はホストの優秀な肝臓(ヘルプ)として大活躍してやろうと考えたこともなくはないけれど、命には代えられないのでやめといたほうがいいのだろう。

そんな攻めた占いをされることの多い私だが、実は家族でお世話になっている占いの先生がいる。
産まれたときに名前の画数を見てもらったり、受験などの人生の岐路に立った時には必ず相談に行く先生だ。
その先生にも散々攻めた占いをされてきているのだが、話が本題からどんどん遠ざかってしまうので、また別の機会に話すことにしよう。

私が産まれる前に、両親がどんな子供が産まれてくるのかを占ってもらいに行った時の言葉が、いま考えても私を的確に言い表していて驚いた。

「この子は"選択"で失敗をしない。」

すごい良いことを言われてるじゃないか!と驚かれる方もいるだろう。
加えてそれをいま自負しているのだから余計筆者の面の皮の厚さに驚愕が隠せないことだろう。

しかし、残念なことにこの言葉には続きがある。

「この子は選択で間違った方を選んだとしてもそれを正解だったと思い込むタイプ。そして周りもこの子はなんでも成功する子だって勘違いしちゃう。」

そう、とんでもないポジティブシンキング赤ちゃんだと産まれる前から軽く弄られていたのだ。

ここで簡単に私の人生について振り返りながら、愛すべきポジティブシンキングの数々をご紹介しよう。

高校3年の夏、塾の先生に勧められてなんとなく説明会に行った国立高校が気に入った私は週末だけ地元の塾と都内の塾をはしごする勉強狂いになった。
説明会の時に案内をしてくれたダンス部の先輩がとても可愛かったのだ。

結果は不合格。

そして県内の男子校へと進学した。
憧れていた可愛い女の子との青春とはうってかわってとにかく走る運動第一な高校で汗臭い3年間を過ごした。

1年の間の体育ではマラソン、水泳、柔道しかやらず、フルマラソンよりも距離の長いマラソン大会や夏には遠泳も存在する独特な学校だった。
勉強を頑張った理由が女の子が可愛かったから、という不純な私は、意外にも男子校の雰囲気が性に合っていた。運動も大好きだった。

高校では理系に進んだ。けれど国語と歴史が得意だったので文系に転向した。
共通テスト(センター試験)では理科基礎科目でほとんど勉強せずに満点をとった。
数学も難化したが問題なく解けた。
一度理系に進んだのも無駄じゃなかったね、と言われた。

大学受験は滑り止めを受けなかった為、しっかりと全ての大学に落ちた。浪人が決まった。
駿台予備校で過ごした1年間は勉強の楽しさに気づかせてくれた。
今までは得意だからしていた勉強を、初めて楽しいと思いながらやった。

浪人しても志望校には受からなかった。
後期で現在通っている大学に合格した。
自然豊かな大学で、またも高校のように外で遊んで期末考査期間には勉強して暮らした。

親からは「こっちの大学の方が絶対向いていたね」と言われた。自分でもそう思った。

自慢に聞こえるほど楽しく過ごせている私の人生はよく兄と比較されることが多い。

"真面目で努力家な兄は大事なところで報われないけど、弟は遊んでばかりなのになんだかんだ成功する"

ここで尊敬する私の兄の経歴を紹介しよう。

早稲田大学センター利用合格、成績優秀者として表彰され、東京都に勤務する公務員

かたや私は

高校、大学、浪人いずれの受験においても第一志望に合格してない成績も大変な学生

どこが報われてないんだ?
どこがなんだかんだ成功してるんだ?

兄は努力家で、目標も周りからの期待も高い。
ゆえに成功のハードルも高くなってしまう。
対して私は自分にそこまで期待をしていないから現状が最適解だと思えているのかもしれない。

上見てもキリないし意味ないし、
自分に期待しすぎるのも人生を楽しむためには余計なものなのかなって。
自分自身のポジティブの原因、実際はよく分かっていないけれど。

この前、ROCK IN JAPANに行ったときにマイヘアのボーカル椎木さんの弾き語りを聴いた。
最後の曲は「家族とニュース」
歌詞はうろ覚えで、検索しても出てこなかったけれど、たしかこんなことを唄っていた。

水道の水をそのまま飲めるのは幸せだろ。
蛇口を捻るも捻らぬも自分。
幸せと感じるも感じぬも自分。

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