【MTG】《底なしプール // 更衣室》の感触が良かった【スタンダード】
思ったより悪用できて良かったという話。
《底なしプール // 更衣室》というカードがある。
青の部屋・エンチャントで、1マナでクリーチャー1体をバウンスする部屋と、5マナで1体以上のクリーチャーで戦闘ダメージを与えるたびに1枚カードが引ける部屋に分かれている。
まず、ダスクモーン：戦慄の館がMTGArenaに実装され、《髑髏鳴らしの嫌がらせ》をデッキに入れたいと思った。
MTGには「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」メカニズム、通称、重厚/Backboneというものがあり、重厚の影響下で実質2マナ飛行4/4となる《髑髏鳴らしの嫌がらせ》は強力と言える。そのため、《髑髏鳴らしの嫌がらせ》を採用したデッキを作りたかったのだ。
ただ、現在のスタンダードで重厚カードを最も有しているのは緑であり、それと併用すると青黒緑の3色になってしまう。そこで《災厄の占い師、グラルブ》と組み合わせることにした。
《髑髏鳴らしの嫌がらせ》はエンチャントを戦場に出すか部屋が完全に開放されたときに誘発する”違和感”を持っており、《災厄の占い師、グラルブ》はライブラリー・トップからマナ総量4以上の呪文を唱えられる。この2つと同時にシナジーするカードは通常、《密室の温室の事件》のようなマナ総量4以上のエンチャントだ。
ただ、《災厄の占い師、グラルブ》は3マナなので最速で出しても次のターンに4マナのカードをライブラリーから唱えやすいが、《髑髏鳴らしの嫌がらせ》は2マナで、4マナのエンチャントを出してようやく”違和感”を誘発させるのではやや遅いと言わざるを得ない。
どこかにマナ総量4以上で軽く唱えられる都合の良いエンチャントはないものかと考えていたところ、本日の主役、《底なしプール // 更衣室》を見つけた。
序盤は1マナの《底なしプール》として戦場に出せば、《髑髏鳴らしの嫌がらせ》を誘発させながらテンポを取れ、ゲーム後半ともなれば《災厄の占い師、グラルブ》で《更衣室》側から出すことができる。
ダスクモーン以前の《災厄の占い師、グラルブ》を使用したデッキは1ターン目の動きがなく、サイドボードから《切り崩し》や《脅迫》を入れる程度だったが、このたび《底なしプール》を手に入れたことでメインから1マナの動きを手に入れた。環境が全体的に高速なのでバウンスとはいえ1マナの動きができるのは意外と良く、勝率も向上した……と思われる（以前までは苦手だったデッキとの相性差が少し解消したという点で）。
《更衣室》側に関してはドローの誘発条件が「クリーチャー1体が」ではなく「1体以上のクリーチャーが」なので何体攻撃が通ろうと1ドローという、ドロー能力としては貧弱な部類なのだが、それでも1枚引けるのはだいぶ違う。特に《災厄の占い師、グラルブ》は接死を持っているのでクリーチャーを差し出すかドローを差し出すかの選択を取らせられるのは良い。
あるいは、6マナあれば《更衣室》の着地から《底なしプール》側を開くこともできるのでバウンスによって無理やり戦闘ダメージを通すこともできる。
欠点としては《更衣室》側が5マナと重いことか。
3ターン目に最速で《災厄の占い師、グラルブ》を着地させた直後に《底なしプール//更衣室》がライブラリー・トップに見えると、《底なしプール》側で唱えたいのだが……と、思わず眉をひそめてしまう。
単体の機能として上位互換と言って差し支えない《沿岸の海賊行為》（クリーチャー1体ごとに誘発の上に任意ドロー）が4マナなのだから、4マナであってほしかったところだ（部屋の融通性を考慮した調整なのだろうが……）。
反面、《底なしプール》側は大抵の状況で腐らない。序盤に相手のテンポを削ぐ目的で使っても良いし、デッキに《肥えた緑甲羅》を採用しているので適当な自分のクリーチャーを戻して再度誘発させることもできる。
当初の目的である《髑髏鳴らしの嫌がらせ》との相性も良く、1マナで”違和感”を誘発させられる上に（あまり機会はないが）部屋の完全開放でも誘発できるので1枚で2回誘発させられるという点で《底なしプール//更衣室》は優秀と言えるだろう。
重厚デッキの根本的な強化にはならなかったが、多少なりとも新しい手段を採用できたことは非常に喜ばしいことだ。
ただ現状のスタンダードは大量の置物が幅を利かせているので《底なしプール》側が土地でないパーマネントだったらなぁと思わないこともない。
それでもゲーム序盤に丸腰で早いデッキと立ち向かわなくてはならないという事態からは脱却できたのは《底なしプール//更衣室》のおかげなのでありがたいことである。
今しばらくは《底なしプール//更衣室》に頼り、重厚デッキの研究を進めていきたい。
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