【EDH・統率者】《大隼の仮面》で脱法《策略の龍、アルカデス》を作る【MTG】

 アルカデスの能力の適用範囲は他のクリーチャーじゃなかったんだという話。
 《大隼の仮面》というカードがある。

カードギャラリーだと流浪の仮面になってるやつ

 1マナの装備品で、装備先のクリーチャーに飛行と先制攻撃と防衛を持たせる。飛行と先制攻撃という攻撃を有利にする能力を持たせても、防衛もついてくるのでは防御用にしか使えないじゃん! という感じの装備品だ。
 《策略の龍、アルカデス》というカードがある。

 4マナ3/5飛行警戒で、防衛持ちのクリーチャーを戦場に出すたびに1枚ドローし、自分の防衛持ちクリーチャーがパワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを与えるようになる。
 優秀なドロー能力と、タフネスで殴るという能力のいかにもなマイナーさから、それなりに使われており、マイナー界のメジャーみたいな立ち位置のカードだ。
 メジャーとは言ってもあくまでマイナー界での話なので、当然、能力に関して勘違いをされることがある。よくある勘違いが「アルカデスもタフネスで殴るんですよね?」というものだ。タフネスで殴る場合、4マナ5/5飛行警戒という単体でのカードパワーが十分な飛行クリーチャーなので是非そうなってほしかったのだが、残念なことにアルカデス自身はタフネスではなくパワーで殴る。そのためのパワー3なのだ。でも大体邪魔だよパワー3もあるの。
 この、《策略の龍、アルカデス》デッキにおいてアルカデスだけはパワーで殴るという性質は、アルカデスを使っていればすぐに染みつくのだが、勘違いした質問に返答しているうちにふと気づく。
 《策略の龍、アルカデス》の能力の影響範囲が「他のクリーチャー」ではないことに。人の勘違いのこと言えない。
 防衛持ちが戦場に出たときにカードを引く能力も、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る能力も、「自分がコントロールしていて防衛を持つクリーチャー」を条件としている。
 ドローする能力に関しては、《策略の龍、アルカデス》を防衛を持った状態で戦場に出す方法が防衛を持った上でコピーする《なりすましの壁》くらいしかないので現実的ではないが、タフネスで殴る能力に関してはアルカデス自身が防衛を持てば影響を受けられるのだ。
 そこで、今日の主役、流浪の仮m……否、《大隼の仮面》である。

防衛、飛行、先制攻撃を持つ

 飛行と先制攻撃という戦闘に強い能力を得るが防衛もついてくるこの装備品を《策略の龍、アルカデス》が装備することで、自身の能力によってタフネスで殴れるようになり、4マナ5/5飛行警戒という勘違いが現実になるのだ(ついでに先制攻撃もついてくる)。
 元々持っている飛行を2つ得ても仕方ないので実質的に機能しているのが先制攻撃だけなのだが、それでも防衛というデメリットを完全なメリットに転化できるという点で《策略の龍、アルカデス》と《大隼の仮面》は非常に相性が良い。
 さらに防衛を持つということは、装備先のクリーチャーが《策略の龍、アルカデス》の能力の影響を受けられるということでもある。
 例えばパワーかタフネスが1以下のクリーチャーがブロックされなくなる《逃亡者、梅澤哲子》はその相性の良さから《策略の龍、アルカデス》によく投入されるが、防衛を持っていないのでアルカデスの能力の影響を受けられない。
 そこで《大隼の仮面》をつけてやれば、《逃亡者、梅澤哲子》もタフネスで殴れるようになる。当人のP/Tも1/3とタフネスで殴るのに向いているのでちょうど良いだろう。《突撃陣形》などは見ないものとする。
 また、《策略の龍、アルカデス》に投入されるクリーチャーは基本的に防衛を持っているので、《大隼の仮面》を装備すると防衛以外の恩恵をフルに受けられる。アルカデスの場合は飛行が被っていたが、一般的な壁・クリーチャーであれば被るキーワード能力は防衛だけなので、飛行と先制攻撃を持って攻撃できるようになるだろう。
 このように《大隼の仮面》は《策略の龍、アルカデス》に装備しても良し、それ以外のクリーチャーに装備しても良しと、無駄がない。
 欠点としては装備する際のテンポと、《策略の龍、アルカデス》が除去されると防衛というデメリットを押し付けてくる装備品となることだが、テンポは防衛持ちを参照するマナ・クリーチャーである程度無視できるし、防衛を持ってしまうというデメリットも、先述の通り防衛を持っているクリーチャーを多く採用しているのが普通のデッキなので、普段通りにアルカデスを除去されたのと何ら変わりがない。
 エンチャント先を防衛にするオーラは数多く存在するが、防衛を持たせる装備品としては唯一無二で、加えて面白い挙動もしてくれるので、もし《策略の龍、アルカデス》を組んでいるのなら、《大隼の仮面》を採用してみてはいかがだろうか。

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