【EDH・統率者】重厚初心者におすすめの統率者は《ラサード・イン・バシール》【MTG】

 以前のトンチキ記事と違い、こちらは割と真剣にそう思っている。
 あくまで通常の統率者デッキではなく重厚(パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る)デッキに限っての話だが。
 立たせてれば自然とドローができる《策略の龍、アルカデス》の方が良くない? と思われる方もいるだろうが、他の重厚統率者と比較して、《ラサード・イン・バシール》の利点を挙げていく。

 まず、《ラサード・イン・バシール》とは何か。

重厚にする統率者の中では最軽量

 3マナ0/3の人間・モンクで、自分がコントロールするクリーチャーを重厚にし、イニシアチブを持っているときにこれが攻撃すると自軍全体のタフネスを倍にする統率者だ。
 単色だが背景選択を持つので任意の背景と組み合わせることで色を増やすことができ、デッキ構築における柔軟性が高い。

 利点の一つ目として、この背景選択を加味しても、最高2色なので安く済む。当人も日本で不人気のバルダーズ・ゲート産なので非常に安い。
 3色以上のデッキでも基本土地やマナファクトで何とかなることも多いのが統率者戦というフォーマットの良い点だが、2色であればレア土地はフェッチランドやショックランドも入れても誤差レベルに収まるので買う必要に迫られない。気合を入れて作りたい場合でも安く済むというのは他の重厚統率者と比較して利点だろう。
 一応、より色の少ない単色の重厚統率者も存在するが、よりにもよって白単色なので気合を入れようとすると3色より高くなる可能性が高い。

 二つ目は、背景選択による色の自由度だ。
 他の重厚統率者は固有の色が決まっているためデッキ構築を縛られることになるが、背景選択を持つ《ラサード・イン・バシール》は組み合わせる背景を変えることで固有色を変えることができる。つまり、飽きが来ないということだ。青と緑以外は組みにくいと思うけど。

 三つ目は、白なのでヘイトベアーが積めること。
 2マナ1/3の《ドラニスの判事》や3マナ1/4の《弁論の幻霊》、2マナ0/4の《魂なき看守》など、タフネスの方が高いヘイトベアーはそれなりに存在し、通常であればヘイトベアーをわざわざ入れていると思われるが《ラサード・イン・バシール》ならば打点としても優秀なので入れましたと開き直ることができる。気持ちの問題ではあるが、割と影響は大きいと個人的に思う。

 以上が《ラサード・イン・バシール》の重厚統率者としての利点だ。
 そして個人的に選択する背景の色は青をおすすめしたい。
 何故ならば、青ならば打ち消しとドローが積めるからだ。
 ドローを積むことで土地詰まりとは無縁になるし、打ち消しを入れることでゲームに参加した気になれる。《ラサード・イン・バシール》という統率者が白というドローが弱い色であることを考えると、青を選択するのが無難だろう。
 加えて青には《怒り狂う島嶼、キャリクス》のような4マナで0/17というタフネスの化け物もいるので使わない理由はない。1マナ0/5もいるぞ!

 そして《ラサード・イン・バシール》の能力の都合上、フルタップで殴りに行くのが望ましいが、ここでも青と白という色が追い風になる。《プロパガンダ》や《風生まれの詩神》のように自分が殴られることを抑制するエンチャントやクリーチャーをフルに積めるのだ。
 これらの攻撃抑制カードは1ドローや宝物を生み出すカードと違い、自分が殴らなければ何の影響もないので見逃されやすく、それらのカードを盾にどんどん殴っていける。
 この戦法を確立できるカードさえ入れておけば、《ラサード・イン・バシール》単騎で殴るデッキでも良いし、他にクリーチャーを並べてタフネスを倍にしてひき殺すデッキでも構築は自由だ。
 個人的には4マナ1/5で戦場を膠着させられる《沈黙の調停者》というカードが存在するため、《ラサード・イン・バシール》単騎で殴る方向性で固めたほうが強いと考えている。ラサードと同じセットに《ストーンスキン》というおあつらえ向きのカードもあるし。公式とかEDHRECで人気のダンジョン探索型は重厚を生かさないから悪だよ悪!

 さてここまで《ラサード・イン・バシール》デッキがいかに組みやすいかを書いてきたが、一つだけ欠点が存在する。
 重厚そのものの知名度が低いため、変に警戒されることがあることだ。
 パワーではなくタフネスで戦闘ダメージを与える能力を持つ統率者と言えば、世間一般では《策略の龍、アルカデス》のみであり、それ以外の重厚統率者の知名度は0に近い(世代によっては《包囲の塔、ドラン》を知っている程度)。
 この知名度の差により、防衛持ちの壁でないカードがぽろぽろ出てくる状況に混乱し、妙にヘイトが高まる事故が時折起こってしまう。
 青い背景を採用し、打ち消しと攻撃抑制カードを採用した方が良いと思う理由がここにある。
 とはいえ、丁寧にあくまで殴るデッキであることを説明すれば大抵の相手は警戒を解いてくれるだろう
 そしてその隙を縫って殴り抜けるのだ。

 2色なのでシンプルに組めて、背景選択によって柔軟性がある。
 以上の理由から、《ラサード・イン・バシール》は統率者で重厚デッキを組む際におすすめの1枚である。

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