【EDH・統率者】《金屑ワームの鎧》の魅力的な点【MTG】

 昨日も同じような記事を書いたが、酔っぱらったような内容だったため、改めて《金屑ワームの鎧》の魅力について語る。

 《金屑ワームの鎧》は1マナの装備品で、装備先に+0/+6の修正を与えるというシンプルな効果しか持たない。装備コストは(3)で、やや重めだが、装備品というカード・タイプが初めて出てきたミラディン・ブロック(ミラディン、ダークスティール、フィフス・ドーンの3つのセットの総称)のカードなので致し方ないところはある。もっとも、一般的な装備品のコストと言えば(3)なので極端に重いわけではない……が、打点に寄与しないので昨今の基準で言えば(2)とかでも許されそう。
 MTGには「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」メカニズム、通称、重厚/Backboneというものがあり、重厚の影響下では《金屑ワームの鎧》は実質+6/+6修正を与える。出して装備するまでの合計コストが(4)で+6/+6修正というのは中々優秀ではないだろうか。しかも装備品なので使いまわせるのだ。
 そして+0/+6という修正値は現代の基準で見ても破格である。これは先述したミラディン・ブロックという装備品が初めてデザインされたセットにありがちなオーバー・パワーさだ。
 ミラディン・ブロックで印刷された装備品はどれもこれも後の世では強すぎたと見なされており、下位互換が大量に世に出たり、そもそも似たような性能を持つ装備品が作られなかったりしている。《金屑ワームの鎧》もその例に漏れず、ミラディン・ブロック以降、タフネスのみを上昇させる装備品の修正値は+0/+3がせいぜいだ。たぶんリミテッドが膠着するからとかそんな程度の理由だろうけど。
 そして、この+0/+6という破格の修正は重厚デッキにおいて非常な優秀さを発揮する。
 どういうことなのか? 具体的には《ノーンの僧侶》のようなタフネス4以上の感染持ちクリーチャーだ。

 重厚というメカニズムはタフネスで戦闘ダメージを割り振る。そのため、タフネスへの修正がそのまま打点へと変換されるというのは既にお分かりだろう。
 感染クリーチャーはパワーの高さがゲーム・エンドに直結するため、ほとんどのカードが低パワーである。しかし、《ノーンの僧侶》のようにマナ・コストと比較して優秀なタフネスを持っているカードが何枚かあり、それらに《金屑ワームの鎧》を装備してタフネスを10以上にすることで重厚の影響下で実質10/10感染持ちのクリーチャーを作ることができるのだ。これがワイのジェネリック《荒廃鋼の巨像》や!
 そしてこのタフネスを10以上にする、という行為は《金屑ワームの鎧》が最も適している。
 何故ならば他にタフネスに+6以上の修正を与える装備品はどれも《金屑ワームの鎧》よりも重く、あるいは軽くても+6には届かず、1枚の装備品でタフネスが4の感染持ちクリーチャーをタフネス10以上にするには《金屑ワームの鎧》以外手段がない。
 修整値だけで言えば《ストーンスキン》という+0/+10のバケモノがいるが、あちらはオーラなので再利用性がなく、装備品である《金屑ワームの鎧》はその点で差別化される。

《金屑ワームの鎧》より軽く、大きな修正

 そして幸いなことに重厚というメカニズムのカラーパイは主に白青緑(と黒)になっているが、タフネスの高い感染持ちクリーチャーもそれらの色に存在しているため、相性が良い。EDHという多人数であり、初期ライフが多い環境で勝ち手段が多いに越したことはないので、個人的に重厚デッキの構築で困ったら入れておいて損はないと思っている。一応、クリーチャーを介している以上、ブロックで阻止できるため、2人対戦と比較して、EDHではヘイトが上昇しにくい(アンブロッカブルになった場合は除く)……はず。
 また、感染クリーチャーに限らず、先述のように重厚デッキでの+0/+6修正はそもそも強力だ。絆魂を持っているクリーチャーなら相当な量のライフが得られるし、二段攻撃を持っているクリーチャーなら相当の量のライフを減らせる。
 《策略の龍、アルカデス》のような本人がタフネスで戦闘ダメージを割り振らないタイプの統率者では3マナを払って装備するのはやや悠長な感じ否めないが、本人が重厚である統率者であれば3マナを払う価値はある。特に先のタフネスが4以上あれば10点=毒殺できるという話に則れば、タフネス5以上=11点の打点は2回殴れば勝てるということだ。あるいは単純に二段攻撃や戦闘ダメージの倍化などを用意できれば1人ずつ殴り倒していくことも夢ではない。
 このように、《金屑ワームの鎧》は重厚というメカニズムと非常に相性が良く、魅力的だ。もし重厚を用いたデッキを使うことがあれば、是非採用してみてほしい。
 そしていつか似たようなタフネスへの高い修整を与える装備品が出てきたなら、《金屑ワームの鎧》のことを思い出してくれると幸いだ。

ありますけど……。

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