【EDH・統率者】《深海の調査員、モルヴォ》と《魅惑的な一瞥》【MTG】

 さる理由から《深海の調査員、モルヴォ》について考えていた。

タフネス8かぁ……

 5マナ1/8で、攻撃するたびに防御プレイヤーと激突を行う能力と、激突に勝利するたびにカードを1枚引いて手札からマナ総量8以下の呪文を踏み倒す能力を持つ。
 攻撃したら激突して踏み倒すという能力ではなく、激突する能力と激突に勝利したときの能力が分かれているので、コストを支払わずに激突できるカードがあれば踏み倒しチャンスが増えるのではないか? と考えた。
 そこで激突を行うカードについて調べたところ、そのほとんどがインスタントやソーサリーで、使いまわせるカードが少ない。《歩哨の樫》という相性の良さそうなカードもあったが、モルヴォとは色が合わない上に単体のスペックが怪しかった。

戦闘開始時に激突なのはモルヴォと相性良くて偉いと思います

 そんな中、《魅惑的な一瞥》を見つけた。

オーラ

 3マナの青いオーラで、終了ステップ開始時に対戦相手1人と激突を行い、勝ったプレイヤーがエンチャント先のクリーチャーのコントロールを得る。
 通常の2人対戦であれば対戦相手のクリーチャーにつけて、自分が勝てばエンチャント先のクリーチャーのコントロールを得て、そうでなければコントロールの変更が行われないという挙動をするだろう(あるいは対戦相手に自分のクリーチャーのコントロールを押し付けるか)。
 しかし《魅惑的な一瞥》は多人数戦のEDHでは変わった挙動を取れる。
 いずれかの対戦相手と激突を行えば良いため、《魅惑的な一瞥》のつけられたクリーチャーのコントローラーと激突を行う必要がない。つまり、プレイヤーAのクリーチャーに《魅惑的な一瞥》をつけて、プレイヤーBと激突を行うことができる。
 すると自分が勝てばエンチャント先のクリーチャーのコントロールを得るし、それ以外の結果であっても、コントロールを得るのはプレイヤーBであるため、エンチャント先のクリーチャーは確実にプレイヤーAのコントロール下を離れるのだ。クソか?
 更に勝利したとき、《深海の調査員、モルヴォ》をコントロールしていればクリーチャーのコントロールを得た上に1ドローと踏み倒しが行える。強い。
 《魅惑的な一瞥》の能力は自分の終了ステップごとに誘発するので毎ターン激突に勝たなくてはコントロールを固定できないが、特定のプレイヤーにコントロールされていると困るクリーチャーをたらい回しにすることでその問題を和らげることができるし、そもそも《深海の調査員、モルヴォ》を統率者にしているのならデッキ内のマナ総量が高めのはずなので、激突に勝利しやすいはずだ。
 しかし、激突に勝てず、対戦相手のクリーチャーを別の対戦相手に送り付ける場合、戦闘でそのクリーチャーが死亡してしまう可能性もある。
 対戦相手の統率者なり厄介なクリーチャーを勝手にスライサーにした挙句、時折カードの踏み倒しをしていれば、ヘイトが高まらないはずもなく、元のコントローラーからの要求で戦闘参加からの死亡という結末は火を見るより明らかだ。あるいは、コントロールを移した先から自分が殴られ続ける可能性は高い。
 踏み倒しでヘイトが高まるのは仕方ないとして、どうにかエンチャント先のクリーチャーを生き延びさせる方法はないだろうか? と考え、自分のクリーチャーに《魅惑的な一瞥》をつければ良いという結論に達した。
 青や黒のクリーチャーは基本的にタフネスが高く、パワーが小さい。そのため、自分でそのようなクリーチャーを用意し、《魅惑的な一瞥》をつければ高まるヘイトは踏み倒しに対してだけだ。

おすすめ

 《深海の調査員、モルヴォ》への高まったヘイトは青の打ち消しで何とかするとして、《魅惑的な一瞥》をつける先を低パワー高タフネスのクリーチャーにすれば殴られても怖くないし、戦闘で死ぬ可能性も低くなる。
 そうなれば《深海の調査員、モルヴォ》による毎ターン2回の踏み倒しチャンスだ。《魅惑的な一瞥》の誘発するタイミングが終了ステップなため、それ以上動くことができないのが難点だが、モルヴォ自身の能力でカードを引けているため、最悪1ドローと考えれば、それほど悪くはないだろう。
 クリーチャーを生かし続けるなら破壊不能を持たせるのがもっとも確実な方法だが、青黒でその方法を取るには基本的に装備品や土地に頼るほかないので、低パワー高タフネスのクリーチャーを採用するのが無難だと思っている。
 《深海の調査員、モルヴォ》は5マナにして8というタフネスを持ち、個人的にその部分に注目していたのだが、ふと、その部分以外に注目したとき、攻撃せずとも激突する方法があれば楽しそうだなと思った。その方法を探したとき、《魅惑的な一瞥》を見つけた。激突というメカニズム自体がマイナーなもので、数が少なく、そこから偶然にも《深海の調査員、モルヴォ》に搭載できて恒久的に激突するカードが存在したのは僥倖である。
 そもそも《深海の調査員、モルヴォ》だけでそれなりに楽しいだろという話はさておき、もしモルヴォで更なるアドバンテージを狙いたい場合、《魅惑的な一瞥》を採用してみてはいかがだろうか。

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