【EDH・統率者】《セファリッドの顔借り》で色々借りよう【MTG】

 困ったら相手のクリーチャーをコピーすれば良し!
 《セファリッドの顔借り》というカードがある。

タコで姿を変えるのはダンジョン飯のドッペルゲンガーを思い出す

 3マナ1/4でブロックされず、自分のターンの戦闘開始時にこれ以外のクリーチャー1体のコピーになれる。ただし、コピーのサイズは《セファリッドの顔借り》本来のP/Tと同じ1/4のままだ。
 サイズが変わらないので、サイズのデカいクリーチャーをコピーしても旨味がなく、基本的には能力持ちをコピーしていきたいところなのだが、コピーできるタイミングが戦闘開始時なので、能力持ちも能力持ちでコピーできる対象がある程度限られる。特に起動型能力はブロックされない能力を捨てて戦闘後メインに起動することになるだろう。
 1/4という貧弱なパワーだが、タフネスが4と高いので、「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」メカニズムと相性が良い。防衛を持たず、青いクリーチャーなので、現状は《ラサード・イン・バシール》で採用できる。
 3マナ実質4/4で、ブロックされず、コピー能力もついていると考えると途端に強く見えてこないだろうか。
 先述の通りサイズが変わらないのなら、0/17とか0/10のようなデカいサイズのクリーチャーもコピーできないし意味なくない? と賢明な諸兄らは思うだろう。それはそう、としか言いようがないのだが、EDHのカード・プールであればその辺りはある程度解決する。
 サイズが1/4ならば、1/3をコピーすれば良いのだ。

女騎士

 《キスキンの雄山羊乗り》は3マナ1/3二段攻撃と、パワーではなくタフネスで殴るデッキであれば3マナ実質3/3二段攻撃というそれなりのカードパワーである。これを《セファリッドの顔借り》でコピーすれば、1/4二段攻撃、即ち実質4/4二段攻撃の完成だ。更にはブロックされないので、完全に上位互換である。
 別の方法としては、特殊敗北を誘発させるのも良いだろう。

 《運命の天使》は自分のクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたびに自分と防御プレイヤーのライフを回復させる能力と、終了ステップ開始時に初期ライフ15点以上であれば。このターン、《運命の天使》が攻撃に参加した攻撃先のプレイヤーはゲームに敗北する。
 《運命の天使》を《セファリッドの顔借り》でコピーすると、面白いことが起こる。まず戦闘ダメージを与えるたびにお互いのライフが回復する能力が1回の戦闘ダメージに対して《運命の天使》本体とそれをコピーしている《セファリッドの顔借り》の2回分誘発する。この時点で《セファリッドの顔借り》単騎で攻撃しても、基本的に8点のライフ回復が約束されていることにお気づきだろう。
 更に《運命の天使》は二段攻撃を持っているので、2回分の誘発が再び発声し、追加で8点、合計で16点回復する。この時点で初期ライフであれば特殊敗北の条件を満たす。
 そして極めつけが《セファリッドの顔借り》のコピー効果の終了タイミングがターン終了時であることだ。
 終了フェイズは終了ステップとクリンナップ・ステップの2つに分かれており、《運命の天使》の特殊敗北させる能力は終了ステップの開始時に誘発し、《セファリッドの顔借り》のコピー効果の終了はクリンナップ・ステップに行われる。
 つまりコピー効果が終了する前に、コピーしている《運命の天使》の特殊敗北させる能力が誘発するため、初期ライフ15点という条件を満たした上で《運命の天使》と《セファリッドの顔借り》で別々のプレイヤーを攻撃していた場合、2人を敗北させることができるのだ。
 《運命の天使》は飛行、《セファリッドの顔借り》はブロック不可と、それぞれ回避能力を持っているため、達成はそう難しいことではない。3人を敗北させられるわけではないため、最後の1人を倒す用意をする必要はあるが、追加ターンを得たり《テフェリーの防御》あたりを構えておけば無事に次のターンを迎え、《運命の天使》が残っているならそのまま殴って倒せるだろう。
 欠点としては、扱いが難しいという点に尽きる。
 一応相性の良いカードを2つ挙げたが、逆にこれ以外のカードとの相性は悪いとは言えないが良いとも言えないことが多い。
 2体以上いて嬉しいカードと言えば大抵伝説であったり、サイズが大きかったりというものなので、伝説を伝説のままコピーする、コピーしてもサイズが1/4で固定という部分は如何ともしがたい。
 さらにはコピー先がいなければブロックされない1/4でしかないので活躍度合いが戦場に依存するのも扱いを難しくしている。
 ただ、EDHではどんなクリーチャーが出てきてもおかしくはないので楽しいカードであることは確かだ。自分のクリーチャーでなくとも対戦相手のクリーチャーをコピーできるので、何かしらアドバンテージを取れたりすることもある。一般的な《クローン》系のカードと異なり、毎ターン、コピー先を変えられるので柔軟性があると言えなくもない。
 貧弱なサイズ故に扱いは難しいが、面白い挙動をしてくれると思うので、興味が湧いたなら《セファリッドの顔借り》を採用してみてはいかがだろうか。

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