【EDH・統率者】《策略の龍、アルカデス》と《荘園のガーゴイル》【MTG】

 たまに採用するべきかを考える。
 《荘園のガーゴイル》というカードがある。

 5マナ4/4防衛のアーティファクト・クリーチャーで、防衛を持っている限り破壊不能を持ち、1マナを支払って防衛を失い飛行を得る能力も持つ。
 通常は5マナ4/4防衛破壊不能の石像として運用し、攻撃のチャンスが来たら1マナを払って破壊不能を失い、飛行持ちのクリーチャーとして攻撃させるというデザインである。
 防衛を持っている限り破壊不能を持つということは、防衛を持ったまま攻撃させられれば破壊不能は持ったままだ。そのため、防衛を持たないかのように攻撃させる能力を持つ《策略の龍、アルカデス》が隣に立っていると4/4破壊不能として振る舞えるため相性が良い。

 《策略の龍、アルカデス》は防衛持ちクリーチャーを戦場に出すと1ドローもできるので、その点でも《荘園のガーゴイル》とアルカデスはシナジーがある。
 通常、《策略の龍、アルカデス》が持っているような「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」常在型能力を用いるデッキは、最初からパワーで殴るならそっちの方が強いので、低パワー高タフネスのクリーチャーを採用することが多い。《荘園のガーゴイル》をこの例に照らし合わせると採用しない方が良さそうだが、破壊不能という特徴を持っていることである程度採用するためのエクスキューズが成立する。
 どういうことかというと低パワー高タフネスのクリーチャーを多数採用すると、《水の辺村の合戦》のような高パワーを狙い撃ちにする全体除去と相性が良くなる。

 こういったカードを採用することで一方的に盤面を一掃しつつ、自分は打点を維持できるため、その有利さを強めるために、防衛を持っていても高パワーのクリーチャーは採用を控えたい。
 しかし、《荘園のガーゴイル》は破壊不能を持っているのでこれらの除去に巻き込まれるが破壊はされず、打点の維持という目的は達成する。他の破壊不能持ちクリーチャーでも同じことが言えるが、先述の通り《荘園のガーゴイル》は防衛を持っており《策略の龍、アルカデス》のドローを誘発させるため、その点で一歩リードしていると言えるだろう。
 欠点としては、重くて地味なことに尽きるか。
 無色のアーティファクト・クリーチャーで破壊不能を持っているとはいえ、5マナはEDHでもやや重い。また、破壊不能を失う代わりに飛行を持つようになっているため、能力を起動しなければ4/4破壊不能のフレンチ・バニラである。緊急時には飛行を持って攻撃できると考えることもできるが、そうなると《策略の龍、アルカデス》でなくともできるデザイン通りの動きになってしまう。
 アドバンテージを稼げる能力を持たない5マナのフレンチ・バニラは《策略の龍、アルカデス》の1ドローを誘発させるとしても採用するかは迷うところだ。
 とはいえ、腐っても破壊不能持ちのクリーチャーなので、弱いということもなく、《策略の龍、アルカデス》が除去されても機能するという点は数ある防衛持ちクリーチャーの中でも《荘園のガーゴイル》が持つ純粋な強みである。防衛と破壊不能を失って飛行を得る能力も自分のターンでしか機能しないので対戦相手の全体除去に強く、純粋な回避能力を獲得する能力だということもできるだろう。
 個人的には低パワー高タフネスのクリーチャーでまとめたほうが「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」デッキとしての美しさが映えると思っているため4/4である《荘園のガーゴイル》の採用には消極的だが、柔軟性が高く《策略の龍、アルカデス》とシナジーのあるカードを探しているのなら、《荘園のガーゴイル》を採用してみてはいかがだろうか。

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