【EDH・統率者】《包囲の塔、ドラン》と《ダンス・マカブル》【MTG】

 《ダンス・マカブル》というカードがある。

 黒5マナのソーサリーで、各プレイヤーがトークンでないクリーチャーを生け贄に捧げた後、20面サイコロを1つ振り、その値によって生け贄に捧げられたクリーチャーの中から1体ないし2体戦場に戻すことができるカードだ。5マナの布告と考えるとやや重めだが、オーナーのコントロール下ではなく自分(ダンス・マカブルを唱えたプレイヤー)のコントロール下で出てくるため自分以外のクリーチャーを戻しても良く、コントロール奪取の用法で考えると割と破格のコストをしている。ただ、振った20面ダイスの目に左右されるので安定性は低い……と言いたいところだが自分が《ダンス・マカブル》によって生け贄にしたクリーチャーのタフネス分、合計値に追加されるので高いタフネスを持つクリーチャーを生け贄にすることで安定して実質的なコントロール奪取を行える。
 幸運なことに《ダンス・マカブル》と同じ黒には《不浄なる密集軍》という《ダンス・マカブル》におあつらえ向きな高タフネスのクリーチャーがいる。

19/20の確率で外れる

 とはいえ、《ダンス・マカブル》とのコンボのためだけに5マナでタップインする実質バニラのクリーチャーを採用するのはやや酔狂と言わざるを得ない。しかし、《包囲の塔、ドラン》なら話は別だ。

 クリーチャーを「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」ようにする《包囲の塔、ドラン》を統率者に据えたデッキであれば《ダンス・マカブル》がなくとも《不浄なる密集軍》のような低パワー高タフネスのクリーチャーも十分な打点が出せる。《不浄なる密集軍》でなくともタフネス7や10のクリーチャーを《包囲の塔、ドラン》は採用できるので《ダンス・マカブル》を強く使えるし、《ダンス・マカブル》が引けなくとも打点として機能してくれることだろう。
 《ダンス・マカブル》の欠点としては5マナの布告除去と言う点だ。対戦相手のトークンでないクリーチャーを奪える可能性があると言えば聞こえはいいが、《ダンス・マカブル》の効果によって墓地へ落ちたクリーチャーを戻すことしかできない上に布告除去なので、トークン以外とはいえ、ハズレとなるクリーチャーを落とされて自分のクリーチャーを戻すのが一番マシ、ということもある。
 5マナを確保して最速で撃てたなら盤面にクリーチャーが少なく効果的だろうが、往々にしてそんなことはなく、ゲーム中盤以降に引いて、全体除去の《滅び》のほうが有効なのでは……と思うことが多い。
 単なる布告除去であれば2マナのものが数多くあるし、それらはインスタントでもある。特に布告部分だけ見れば《シェオルドレッドの勅令》は事実上の上位互換だ。そのため、《ダンス・マカブル》の本体は墓地からクリーチャーを拾ってこれるという点であることに疑いはない。
 この本体部分に関しても最低でも1体は拾ってこれるので高タフネスのクリーチャーを用意できなくても機能するのは優秀だが、思ったようなアドバンテージの稼ぎ方ができるかは状況次第なのが辛いところである。
 とはいえ、統率者単騎型のデッキや、トークンを統率者で補助して戦うようなデッキに対しては思い切り刺さる上に、それらの統率者を奪えるのが素晴らしい(《ダンス・マカブル》の効果で統率者が墓地に行ってから統率領域に戻すタイミングはない)。
 環境次第だが刺さったときが楽しいので、《包囲の塔、ドラン》、あるいは黒くて高タフネスのクリーチャーを採用しているデッキを使っているのなら採用してみてはいかがだろうか。

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