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「満州アヘンスクワッド」は、岸信介のアヘン金脈も描いてくれるかな?

戦前日本が、中国の領域内に立ち上げた傀儡国家「満州国」に於いて、軍隊を使い大々的にケシ畑を栽培していた史実をご存知だろうか?

満州国は、体裁だけは溥儀を皇帝に据えるなど独立国を装っていたが、その実態は関東軍による完全な傀儡国家であった事は、リットン調査団の報告の通りである。

この満州国では岸信介が部下の甘粕正彦などを使い、大々的にケシの栽培と、ケシから採れるアヘンの製造を行っていた。甘粕正彦とは、大逆事件で無実の人間を拷問死させた事で有名な、あの甘粕である。

岸は、満州国にて完全な国家社会主義体制による統制経済を運営していたのだが、中でもケシ畑からの上がりは大きな収入であった。因みに国家社会主義とは、いわゆる社会主義の事では無く極右体制の事を指す。

体裁上、満州国の軍隊と言う事になっていた関東軍は、柳条湖事件以来、日本政府のシビリアンコントロールが全く効かなくなっていたが、その日本政府による予算承認の必要が無い、関東軍独自の資金元としてアヘン製造には重要な役割があった。如何に莫大な収入をもたらしていたかが想像出来るだろう。

現地には、生産から、製造、使用に至るまでの完結した仕組みがあり、色々な理由を付けて政策化された公営、公認の膨大な数の「アヘン窟」に於いてアヘンは使用された。

これは、当時の中国社会で深刻な社会問題となり、中華民国の領域内に在る各国の大使館、領事館から報告された内容が、国際連盟に於ける松岡代表との討論にも使用され、結果的に日本の国連脱退に繋がった。

15年戦争は連合国側の勝利で終わり、関東軍は、機械化されたソ連軍の電撃的な侵攻に直面して、在現地邦人を残し満州鉄道で撤退した。甘粕はこの時に自殺で死亡している。

岸は戦後、A級戦犯として巣鴨プリズン(現•サンシャイン60ビル)に収監されたが、後に釈放され総理大臣まで務めている。

終戦時、多数の日本人が、戦後ほとぼりが冷めたら取り出す積もりで、あちこちに金塊などを隠したのだが、その多くはGHQに発見され没収されている。

しかし、満州のアヘン資金は、どうやったのか?発見されず、釈放後の岸が政界を牛耳って行く資金として使われたのである。

岸は総理大臣にまで昇り詰めたが、その中で裏社会をも手駒として使っており、彼の子飼いは愚連隊と呼ばれていた。

そして、この愚連隊を始めとした裏社会の面々が、コインテルプロから合成開口レーダーにまで至る時代の政府系テロの中で、現場のヒューミントを下請けする者達の元祖となったのである。

この構造は、岸の孫である安倍元首相にも相続され、その政策であるクールジャパン、ムーンショット計画の中でも繰り広げられて来た。

つまり、満州国のケシ畑に始まるアヘン資金や愚連隊は、現代の合成開口レーダーによる監視システム下でのヒューミントであるギャングストーキングの元祖なのだ。

これらの史実を背景題材とする漫画「満州アヘンスクワッド」は、満州国での岸のアヘン金脈と、戦後日本と満州国との連続性を、どこまで描いてくれるだろうか?

阿片窟でアヘンを使用し、金が回る仕組みだった

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