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氷水デッキ構築研究

私がこれまで公認で運用、研究し修正を重ねてきた「氷水」の構築を紹介します。
その性質上、公認での使用を前提とした構築になっておりカジュアル・CS等には適さない可能性があるため注意してください。

氷水の特徴

エースモンスターである《氷水啼エジル・ギュミル》及び永続罠《氷水浸蝕》によって自分フィールドのカードを守りつつ、永続魔法《氷水呪縛》によって相手の展開を抑制しながら戦うのが基本戦術となる。

デッキレシピ

各カードの名前の横に採用枚数の目安も書いておきます。

メインの採用カードについて

《氷水のエジル》3枚
このデッキの中核となるカード。
召喚・特殊召喚に成功すると「氷水」魔法・罠をサーチ。だいたい最初は《氷水浸蝕》を持ってくる。
後続を確保している状態で《氷水底イニオン・クレイドル》を素引きしている場合は《氷水呪縛》も視野に。
②の効果で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズに手札に戻るため《海亀壊獣ガメシエル》などを蘇生すれば再利用を狙える。

《氷水帝エジル・ラーン》3枚
端的に言うと水属性版の《相剣軍師-龍淵》。
「氷水」のデッキパワーを中堅相当にまで引き上げた立役者。
「氷水トークン」には水属性しかEXデッキから特殊召喚できない制約があるため、ここから出せるSモンスターは《氷水啼エジル・ギュミル》か《相剣大公-承影》の2択となる。

《氷水のトレモラ》1〜2枚
二つの効果がそれぞれ重要な役割を果たすこのデッキの潤滑油。

《氷水艇エーギロカシス》1枚
装備する効果は相手ターンにも使用できるため、相手の攻撃宣言時に発動することで返り討ちを狙うことができる。

《深海のディーヴァ》3枚
1枚でシンクロできるカードの中でも特に代表的なものの一つ。
必ず召喚権を使用する都合上、妨害に弱く重ね引きがつらいカードであったが《氷水帝エジル・ラーン》の登場により幾分かマシにはなった。

《黄紡鮄デュオニギス》2枚
基本的に《深海のディーヴァ》でデッキからリクルートするので引きたくないカード。
除外枚数を稼ぐ効果を持ち《氷水艇エーギロカシス》や《相剣大公-承影》と非常に噛み合いが良い。

《増殖するG》1〜3枚
《灰流うらら》2〜3枚
汎用。相手のサーチと増殖するGを両方止めれるうららはできれば3枚欲しい。

《氷水呪縛》1枚
妨害の手数に乏しいこのデッキが展開系デッキに対抗できる唯一の手段。
制圧効果の適用条件は相手フィールドも参照するため、ミラーにおいて特に強力なカードとなる。

《氷水大剣現》1〜2枚
速攻魔法なら全てが偉かった残念なカード。
現状は3ターン目以降に使用することが多く、これがあるかでLPを削るスピードに明確な差が生まれるため1枚は欲しい。

《氷水底イニオン・クレイドル》1〜3枚
発動時に墓地・除外から「氷水」モンスターを選んで手札に回収できる。
召喚・特殊召喚に反応して攻撃力を下げる効果は特に《氷水のエジル》と相性が良く、守備表示のエジルを対象に発動することで攻撃力3000までの相手モンスターに対して壁として機能するようになる。

《氷水揺籃》3枚
フィールド・墓地に同名の存在しない「氷水」モンスターをサーチする。
条件付きの代わりにターン1が無い。
これが通ると《氷水啼エジル・ギュミル》or《氷水浸蝕》による妨害が成立しやすい。

《おろかな副葬》2枚(準制限カード)
このデッキでは《氷水大剣現》《氷結界》の2枚が墓地効果を持つためそれらを落とす用に採用。
特に後者は《氷水帝エジル・ラーン》を間接的にサーチ可能なため優先度が高い。

《金満で謙虚な壺》2枚(準制限カード)
「氷水」は初動があまり安定せずEXに余裕があるテーマなため必須。
飛ばすカードはだいたい《神・スライム》《氷結界の龍 グングニール》《白闘気白鯨》《世海龍ジーランティス》あたり。

《シンクロ・オーバーテイク》3枚
雑に言うとシンクロ版の《融合派兵》で《深海のコレペティ》を見せることで《深海のディーヴァ》をサーチかサルベージする。
特殊召喚もできるがディーヴァのリクルート効果は召喚にしか対応していないので注意。
《シューティング・スター・ドラゴン》などを採用すれば《アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン》の効果で特殊召喚されS素材となった《スターダスト・ドラゴン》を蘇生できるため、一考の余地あり。

《墓穴の指名者》2枚(準制限カード)
《抹殺の指名者》1枚(制限カード)
「氷水」は誘発に対して脆弱なテーマなので必須。
それ以外でも《相剣大公-承影》の効果を起動したり、相手ターンに《抹殺の指名者》で除外した「氷水」モンスターを次のターンに《氷水底イニオン・クレイドル》で回収と、単なる誘発ケアに留まらない活躍が期待できる。

《氷結界》1〜2枚
攻撃反応系の罠カードだが《氷水啼エジル・ギュミル》のインチキ耐性付与もあって、相手は戦闘で突破するしか無い状況が生まれやすく発動機会には恵まれている。
②の効果の活用法として、自分フィールドの水属性モンスターが破壊される戦闘・効果にチェーンして《氷水のトレモラ》を落として墓地効果で「氷水」モンスターを特殊召喚。
「氷水」モンスターの戦闘時に《氷水艇エーギロカシス》を落として装備効果を発動、攻撃力を上げて相手モンスターを返り討ちにしたりと状況に合わせた動きができる。


EXの採用カードについて

《神・スライム》1枚
フィールド魔法《氷水底イニオン・クレイドル》の効果で攻撃力を0にした《氷水帝コスモクロア》or《氷水啼エジル・ギュミル》をリリースすることで特殊召喚できる。
汎用カードである《トロイメア・ユニコーン》や《現世離レ》のような対象を取る破壊・除外以外の効果から「氷水」モンスターを守るために採用。

《アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン》1枚
このデッキでは《深海姫プリマドーナ》と並んで《深海のディーヴァ》1枚からレベル10Sモンスターを出す手段となる。
こちらは《墓穴の指名者》や《D.D.クロウ》などの墓地メタには弱いが、耐性付与が強力。

《魔救の奇跡-ドラガイト》1枚
水属性モンスターしか特殊召喚できない状況で《深海のディーヴァ》から直接出せる唯一の妨害効果持ち。
効果の発動条件として墓地に水属性モンスターが必要なため《ディメンション・アトラクター》や《マクロコスモス》によって墓地が無い状態ではバニラになるので注意。

《深海のコレペティ》1枚
基本は《シンクロ・オーバーテイク》のチラ見せのために使うが、S召喚した状態で墓地へ送られると自身以外の上級水属性モンスターを守備表示で蘇生できる。

《深海姫プリマドーナ》1枚
現状テーマ外から「氷水」モンスターにアクセスする唯一の手段であり《深海のディーヴァ》を採用する最大の理由。
《黄紡鮄デュオニギス》で除外したカードを対象にデッキから《氷水のエジル》を特殊召喚、効果で《氷水浸蝕》をサーチし《氷水啼エジル・ギュミル》に繋げるのが基本的な動きとなる。
このカードを素材にS召喚されたモンスターは相手モンスターの効果対象にならないため、後攻カードの代表格であるパンクラトプスやフェンリルに処理されなくなる。

《スターダスト・ドラゴン》1枚
アクセルシンクロ用。蘇生制限を満たした状態で特殊召喚されるため、何らかの方法で蘇生すれば《氷水呪縛》などの魔法・罠を守る要員として利用できる。

《相剣大公-承影》1枚
相手全体へのデバフと効果破壊耐性を持ち、更に対象を取らない除去効果を持つ強力なアタッカー。
《氷水帝エジル・ラーン》からすぐに出せるため以前にも増して活躍の機会は多くなった。

《氷水啼エジル・ギュミル》2枚
フリーチェーンでターン終了時まで自分フィールドのモンスターが相手の効果で破壊されず除外できない耐性を付与する。これは《真竜皇V.F.D》などと同じ残存効果で、発動後に特殊召喚されたモンスターにも適用される。
更に相手の効果にチェーンして発動した場合、チェーンされたカードの同名がフィールド・墓地から全て除外される。そのため永続・装備・フィールド魔法の効果にチェーンすれば不発にできる。

《氷結界の龍 グングニール》1枚
水属性しか特殊召喚できない状況で相手のカードを大量に除去したい際の選択肢として。

《フルール・ド・バロネス》1枚
親の顔より見る制圧モンスター。
(もっと親の顔を見ろ)
効果の性質上、最大限に能力を発揮できるのは2ターン目以降なので基本は《氷水啼エジル・ギュミル》を優先し、先攻では温存することも多い。

《白闘気白鯨》1枚
S召喚成功時に《聖なるバリア-ミラーフォース-》をぶっ放し、モンスターに対する2回攻撃と守備貫通も備えたイカれた魚(哺乳類)。
相手によって破壊されると墓地の水属性をコストに蘇生できるのだが、何故かターン制限が無い。

《世海龍ジーランティス》1枚
リンク4モンスター1体でリンク召喚できる特殊なモンスターで《氷結界》や《海晶乙女コーラルアネモネ》の制約が適用された状態で効果を使うと、相手の水属性以外のモンスターが帰還出来なくなり完全な除去となる。
自由枠なため《シューティング・スター・ドラゴン》あたりに変えても問題ない。

《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》1枚
お互いのスタンバイフェイズに墓地の水属性を除外して1枚ドローできる。
《相剣大公-承影》の効果を起動でき、このコストに《海晶乙女コーラルアネモネ》を用いれば次のターンに帰還させて更に展開を伸ばすことができる。

《海晶乙女コーラルアネモネ》1枚
「氷水」モンスターの中でも《氷水のエジル》や《氷水帝コスモクロア》などフィールドに維持したいモンスターを蘇生できるため必ず1枚は欲しい。


サイドの採用カードについて

《氷水艇キングフィッシャー》1枚
コスモクロア時代の「氷水」を支えたカード。
現在は展開デッキとしての側面が強くなったことにより、先攻で引きたくないこのカードはサイドへと移動することに。

《氷水帝コスモクロア》1枚
かつてのエースモンスター。《氷水底イニオン・クレイドル》とのコンボで相手の制圧モンスターをほぼバニラに変えるその強さは以前健在で、後攻における「氷水」の強みとなっている。

《海亀壊獣ガメシエル》1枚
コストでリリースの代表例。《氷結界》の間接サーチに対応しており《氷水艇キングフィッシャー》により再利用も可能と「氷水」では優先度の高いモンスター。

《原始生命体ニビル》2〜3枚
昨今のインフレにより1枚で高いパワーを持つ誘発が必要となっているため採用。

《ハーピィの羽根帚》1枚(制限カード)
《ライトニングストーム》2枚(準制限カード)
罠ビート対策。「蟲惑魔」「ラビュリンス」「ダイノルフィア」など新規により環境でも戦える罠テーマが増えたため採用。

《冥王結界波》2〜3枚
新制限によりシンクロテーマが環境でのシェアを伸ばしていることから採用。

《拮抗勝負》3枚
こちらは破壊耐性なども貫通できる点から優先度が高い。

《レッド・リブート》1枚(制限カード)
罠ビートへの最も有効な対策。
セットカードを除去する手段はあまり豊富ではないため、発動したターンに勝負を決めたい。


展開について

《深海のディーヴァ》or《シンクロ・オーバーテイク》
ディーヴァns、efデュオニギスss
デュオニギスef、相手デッキ2枚除外
デュオニギスef、ディーヴァのレベル4に変更
ディーヴァ&デュオニギスでプリマドーナss
プリマドーナef、エジルss
エジルef、浸蝕サーチ
エジル&プリマドーナでギュミルss
浸蝕セット、ターンエンド

相手に1枚手札を与えてしまうものの、相手モンスターの効果対象にならないギュミルを立てれます。
《氷水のトレモラ》に繋がるカードを引いている場合、エジルのサーチを《氷水揺籃》にして《氷水帝エジル・ラーン》をサーチし、エジル&プリマドーナでのS召喚は《フルール・ド・バロネス》にすることで《氷水啼エジル・ギュミル》と並べることができる。
次の相手ターンにエジルが戦闘で破壊されてもトレモラの墓地効果でエジルを蘇生できるため、後続に繋がりやすくなる。

《氷水のエジル》or《氷水揺籃》+「氷水」カードor水属性モンスター
エジルns、ef揺籃サーチ
揺籃ef、ラーンサーチ
ラーンef、ラーンssトークンss
ラーン&トークンでギュミルss

盤面は心許ないものの、最低限の妨害兼壁にはなる。
エジルとは別でラーンをssできる手札の場合はエジルのサーチを浸蝕に回すことでディーヴァ初動に近い盤面になる。

《氷水のエジル》or《氷水揺籃》
エジルns、ef浸蝕サーチ
浸蝕セット、ターンエンド

このデッキの最も基本的な動きで相手のGが通ってしまった状況ではこちらでお茶を濁すことも。
同様に《深海のディーヴァ》初動でGを貰った場合、デュオニギスの効果対象を自身にしてレベル6に変更し《魔救の奇跡-ドラガイト》をS召喚する。


コンセプトについて

「氷水」には登場当初から「海皇」という高いシナジーを持つ水属性テーマとの混成タイプが存在しており《深海のディーヴァ》を活用する点でもこのデッキの構築は近しいものがある。
しかしそれと決定的に違うのは、このデッキはあくまで「氷水」のギミックで勝利することを追求している点にある。
「海皇」との混成においては要求値が高い《氷水呪縛》によるロックギミックは採用されず「氷水」は【大型の水属性シンクロに繋げる出張パーツ】として扱われる。
一方、このデッキにおける《深海のディーヴァ》は【氷水にアクセスするための出張パーツ】であり「氷水」の添え物として扱われる。
そのため構築の構想及び理論としては【純構築】の流れを汲むものとなっている。
最初に話した通り、このデッキの基本戦術は《氷水啼エジル・ギュミル》と《氷水浸蝕》によって自分フィールドを守りつつ、最終的に《氷水呪縛》のロックを完成させて相手の動きを凍結し、そのまま勝利に持ち込むことであり、そこが《氷水啼エジル・ギュミル》の耐性付与を活用し、大型シンクロを連続で出して相手を圧殺することを得意とする【海皇氷水】との戦略的な違いとなる。
どちらかが明確に優れているというものではないので、自身の気性に合う方を選ぶと良いでしょう。


終わりに

最後までご観覧いただきありがとうございます。
「氷水」は発表当初からイラストに一目惚れしたテーマで大好きなので、これからも使い続けていきたいと思っています。
気になることがあればTwitterで質問していただいても構いません。
まだまだ氷水の全てを知り尽くしているわけではありませんので、これからも精進して参ります。

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