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自然栽培を始める前に持つべき心構え【大切なのは4つのマインドです】

「肥料も農薬も使わずに作物を育てる自然栽培に興味があるけど、私にできるかな?、どんな心構えが必要なんだろう?」

そんなお悩みをお持ちの方へ、自然栽培に取り組む前に持っておくべき心構えを解説します!

この記事を読むことで、自然栽培に取り組む際に必要な心の準備が整い、挫折せずに成功へたどり着ける可能性が上がります。

著者について

2011年に自然栽培の農園「ナチュラルハート」を開業して10年の専業農家です。

これまで多くの新規就農希望者からのご相談を受ける中で、これだけはお伝えしておいた方がいいなと感じた心構えを解説します。

私が途中の苦しい時期を乗り越えられたのも、ここで説明する心構えを持つことが出来たお陰だと確信しています。

この記事がこれから自然栽培と志す方々にとっての一助となれば幸いです。

自然栽培をやると決める覚悟を持つ

自然栽培

まずはじめに「自然栽培をやる」と覚悟を決めてください。

「自然栽培をやる」とは、肥料、農薬、堆肥、除草剤などに一切頼らずに作物を育てるという覚悟です。

最初にこの覚悟をしっかり持ってないとその先は厳しいと思います。

なぜなら私の経験では、自然栽培で納得がいく野菜が育つのに6年間かかりました。地域や土質など様々な条件の違いもあると思いますが、数年単位の挑戦が必要です。そこを耐えられずに止めていく人もたくさん見てきました。

1つ具体例を挙げると、皆さんがスーパーで見る小松菜は長さが40cmぐらいありますよね。だいたい一袋に200gほど入っているのですが、この大きさだと4~5株ほどで200gになります。

ところが私の2~3年目の小松菜は20cmほどしかなく、200gにするには10株以上入れなければなりませんでした。しかも虫喰いが多くて商品できないモノもたくさん出ます。

この時期がとてもきつい時期です。土を育てる等やることは多くて、売れるものは少ないですから。

ところがあきらめずに挑戦を続けて6年目ぐらいになると、肥料も農薬もやっていない私の畑の小松菜が、スーパーに売られている一般の小松菜と同じ大きさに育つようになり、しかもほとんど虫喰いがないピカピカのモノが採れるようになりました。

私はココが自然栽培で目指すべき1つのゴールだと思っています。

自然栽培を志すなら、何年かかってもココに到達する覚悟をもって取り組んでください。

続けることが出来れば、きっと畑と野菜たちがそれに答えてくれます。

肥料が無いと育たないというマインドを捨てる

肥料

自然栽培を始めたばかりの方から時々「米ぬかだったら入れても大丈夫ですか?」などと質問されることがあります。

自然由来のモノだからだとか、同じ畑で採れたモノだから、というのが根拠のようですが、そのような質問をされる方は、「作物は肥料がなければ育たない」というマインドを持ったまま自然栽培に取り組んでいるので、そんな質問が出てくるのだと思います。

「自然栽培をやる」と決めた時に、「肥料が必要」という考え方も同時に捨てましょう。

そして以下の自然栽培マインドを持つようにしてください。

自然栽培マインド:
作物は自分の力で立派に成長できるし、大地には作物を成長させる力が備わっている。

それは山に生えている木々が肥料や農薬がなくても立派に育っているのと同じようにです。

この「自然栽培マインド」を持っていないと、後に迷った時に間違った方向に進んでしまう危険があります。

というのは、土がまだ出来てなくて野菜がうまく育たない時期に、「やっぱり肥料がないとダメなんだ」という思考になり、自然栽培自体をあきらめたり、何か肥料として使えるモノを探したりしてしまうからです。

そんなことをすると、かえってゴールが遠のいてしまいます。

「自然栽培をやる」と決めた以上、迷った時には「育つはずなのになぜ育たないのだろう」と考え、あきらめずに試行錯誤を繰り返すことが何よりも大切です。

まずは畑の片隅からでも始めてみる

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私は新規就農の時点から全てを自然栽培で始めましたが、いきなり今までの常識とは異なる農法で始めるのは怖いものですし、リスクもあります。

ですので、最初は畑の片隅からでもいいのでとにかく始めてみて、実際に育つことを自分で実感することが大切です。

自然栽培に関しては、そもそも情報が少ないですし、書籍や誰かのブログを読んだところで所詮は他人の環境での話です。

それよりも自分の畑でやってみれば、いろいろ失敗もあるでしょうが、そこから学ぶことがたくさんありますし、それが将来の自分の糧になります。

ポイント:
常識や固定概念にとらわれず、自分でやってみて、自分で考えて、自分なりの道を切り開くことが「自然栽培」成功への鍵です。

土をコツコツと育て始めよう

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ずっとマインドの話ばかりしましたが、私はこのマインドが自然栽培をする上でとても重要だと思っているので長々と書いてみました。

マインドが整ったら次は、畑で実際に自然栽培で作物を育てながら、同時に山をお手本にして(山ではあれだけの大木がなぜ、肥料や農薬もなくて育っているのだろうと考えてみて下さい)、自分の畑の土をコツコツと育てていきましょう。

土の育て方に関する具体的な方法は、別の記事で詳しく解説します。

私たちは多かれ少なかれ常識に囚われて生きています。その常識の中に「作物を育てるには肥料が必要」というモノも含まれている場合が多いと思います。

私がその常識を覆せたのは、自然栽培で立派に育っている野菜や果物を目にした時でした。

初めは不安がとても大きいと思いますが、こちらが諦めなければ、畑や作物はきっと答えてくれます。

一人でも多くの方が自然栽培に挑戦されることを願っています。

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