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Interview with Dan(ResonanceCascade)

<Interview date 01.13.2021>

インタビューに応えてくれてありがとう。 初めにResonance Cascadeのキャリアについて。活動は2012年からで合ってますか?
俺たちの小さなバンドに声をかけてくれて嬉しいよ!ありがとう!
そうだね。正確には覚えてないけど確か2012年後半か2013年頃かな。RAWで速くてシンプルな曲をやりたくて始めたんだけど、最初にいた別のドラマーは何度もリハーサルをした後「俺がドラムだと曲のスピードを落としてしまう」って言って辞めちゃって、2013年から今のドラムのArvidが加わったんだ。


―音楽的な影響を直に受けたのってどのへんですか?同郷にオリジネーターと言えるビッグネームもいますよね。
グラインドコアなら多分NASUMとか有名だと思うけど、それほど影響は受けてないかな~。HM-2もそんなに好きじゃない。作曲はArvidと俺がやってて、リフはBRUTAL TRUTH、NAPALM DEATH、DISCORDANCE AXIS、GRIDLINKみたいな俺の好きなグラインドバンドの影響を受けているよ。そのほかメタルやハードコアの影響を受けてると思う。


―じゃあ、Danがグラインドコアにハマったきっかけを教えてください。
いい質問だね(笑)俺達ってみんなデスメタルのバックグラウンドを持っていて、グラインドコアってやったことなかったんだよ。
複雑で、曲作りに長い時間がかかるデスメタルばかりだったから、もっと生々しくて、1回か2回のリハーサルで作れるようなエネルギッシュな音楽を作りたかったんだ。


―なるほど。各メンバーみんなデスメタル出身ですか?
ArvidはENTRAILSでプレイしているし、Johanは有名なデスメタルDERANGEDや他にもいくつかバンドをやっていて、少し前にベースが抜けちゃったんだけどその彼もDERANGEDに参加している。俺も今は RxCxのほかにPYRAMIDOというスラッジやJÄRNBÖRDというハードコアをやってる。DERANGEDにも一時期いたよ。


―2016年に受けてたインタビューを読んだんですが、初ライブはデンマークだったんですね。
2014年のGrindcore family weekendだね。素晴らしいフェスで多くの反応を得たし、DEAD INSTRUMENT、OVERVIOLENCE、KLUSTERFUCK、HUMAN HUMUSとかとも対バンできたよ。2016年にはWEEKEND NACHOS,THE AFTERNOON GENTLEMEN,HOMEWRECKERとかと一緒にやったんだけど、今まで以上に良かったよ!他に地元マルメーで何度かやったかな。


―その頃はライブもリハーサルも少ないとコメントしてましたね。その辺は今も変わらずな感じですか?
俺たちは別々の町に住んでるし、子供がいたり仕事や他のバンドがあったりしたからね。ライブはあまりやらないと思うけどそれはそれでいいと思う。でも、もしどうしても我慢できないような素晴らしいオファーが来たら考えを変えるかもしれないね。あと、さっき話したけど今ベースがいないんだ。
でもストレスはないし、次のレコーディングのための素材は書き続けてる。いつ録るかわかんないけど(笑)


―ところで、2020年リリースのNO-GRIND=NO-FUNは最高ですね!リリース前やリリース後にバンドの変化はありましたか?
ありがとう!あれは今までのコンピレーションみたいな感じで他の媒体でも手に入るんだけど、デビュー当時の7インチの曲の歌とギターを録りなおしてリミックス・リマスターしたものなんだ。
マレーシアのレーベルからリリースしたせいかアジアからのフォロワーが増えて嬉しいよ!


―Pure mindsとStrain eyes productionsね。そこから出したのは何か繋がりがあったんですか?
自分たちの曲をカセットにしたいと思っていたし、アメリカやヨーロッパではリリースしたことがあったから、アジアのレーベルがテープをリリースしてくれたら最高だと思ったんだ。
俺マレーシア大好きで何度か行ったことあるし、理由は分からないけど何だかつながりを感じてたから、いくつかのレーベルにメールを送ったら2つのレーベルが協力してくれたって流れだね。


―うちのディストロに入れる時にStrain eyes productionsのMAZUMIと連絡とったけど、変わった人ですよね (笑)
スウェーデンで今勢いのあるインディペンデントレーベルがあれば知りたいです。
MAZUMI面白いよね(笑) スウェーデンのレーベルだと、BLOOD HARVESTはデスメタルのレーベルとしては本当に素晴らしい。DE HINIL RECORDSもクールで、ハードコアやデスメタルをリリースしてる。
あと今もやってるかわかんないんだけど俺の中ではSPELA SNABBARE RECORDSが最高のグラインドコアのレーベル/ディストロだと思うよ。(Spela snabbareはスウェーデン語でPlay fasterという意味)


―リテイクについてですが、サウンドを再構築するときにリファレンスにしたものってありますか?
そうだね......。TRAP THEMみたいな感じにしようって言ってた気がする。
僕の作品の多くを録音したりミックスしたりしてる友人のMattias Perssonに頼んでみたんだけど、彼が再録を提案してくれたんだ。Johanは最初のテイクをあんまり気に入ってなかったし。結果的にグレイトな仕上がりになったよ。


―スウェーデンの音楽シーンについて教えてください。RxCxが属しているシーンの活気について。
あらゆるジャンルの素晴らしい音楽がたくさんあるけど、小規模なバンドがライヴをやるのは本当に難しいんだ。会場もそんなに多くないしね。
だからライブをするときはヨーロッパの他の国でできる場所を探さないといけない。中でも定番はドイツだね。


―そうだったんですね。ライヴスポットやお勧めのバンドやカルチャーを聞きたかったのですが。
悲しい現実だよ。スウェーデンは本当に小さな国だしね。良いバンドはたくさんいるけどアンダーグラウンドなバンドのライブを見れる場所は少ない。
誰が知ってるんだろう?スウェーデン南部の良いバンドはTHE ARSON PROJECT、URSUT、ENTRAILS、DERANGED、JÄRNBÖRD、PYRAMIDO、RAZOR RAPEとかかな。

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―Facebookで見たんですけど、去年出るはずだったフェスが中止になったみたいですね。そのほかにCOVIDの影響はありましたか?
あ~、Malmö Massacre 2ね。地元でBIRDFLESH、NECROT、GENERAL SURGERYとかすごいバンドと一緒にやれるはずだったんだけどな~!そのフェスが2021年に開催されることを願っているよ。
影響としては、50人以上のライブを行っているところはごく少数だったし、椅子に座ってライブを見ないといけなかったりした。あと、今は新しいパンデミック法が施行されて8人(!)の観客を対象にショーを行うことができるようになったけど、それってライブはできないって意味だからね。日本はどう?


―幸い自分の周りの人たちは健康です。
今は2度目の緊急事態宣言の最中で、色々な制限はありますが一時期よりは開催するライブが増えてきてますよ
そっか。まあ、このクソコロナの後のライヴシーンがどうなるか見ものだよ。みんな早く普通にライブに行けるようになるといいね。

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―RxCxはLP、7inch、カセット、CDと各媒体リリースしていますね。例えば日本だとCDを聴いてるリスナーが比較的多いのですが、スウェーデンではどうですか?

Spotify、Deezer、Apple musicなどのストリーミングサービスが音楽業界のゲームチェンジャーになった。スウェーデンの人々はCDをゴミ箱に捨てて(!)ストリーミングを聴いたり逆にVINYLを買ったりしてる。
でも、僕はまだCDが好きなんだ。


―「CDを捨てる」って比喩?ではない?

ああ。大多数の人はVINYLやCDのようにフィジカルな音楽のコピーを買わないんだ。少なくともヨーロッパでは。
俺も移動中とかでSpotifyを使うこともあるけど家ではCDやVINYLがいいよね。物に触れて歌詞やアートワークを読むのが好き。
でもこれって少数派のコレクターの感覚なんだ....。


―最近聴いた音楽でヒットがあったら教えてください。

うーん...うーん…。好きなバンドはGÖSTA BERLINGS SAGAとかRUSSIAN CIRCLESとか。あとインストゥルメンタルなプログレバンドが本当に好きなんだよ。それ以外では今はデスメタルをたくさん聴いてるかな。UNDERGANG、BLOOD INCANTATION、MORIFERUMとか、あとはWOLFBRIGADEやMARTYRDÖDなどのハードコアかな。


―ちなみに、Danのコレクションに日本のバンドってあります?

日本のバンド大好きだよ!いつか行ってみたいな~。
とにかくBOREDOMSが大好きだし、MELT BANANAはVINYLを集めてる。他にもCSSO、GORE BEYOND NECROPSY、VIVISECTION、90年代のグラインドバンドも好き。
そして、なんといっても最高のギタリストTakafumi Matsubara!GRIDLINKやMORTALIZEDもだけど、ソロアルバム「Strange, beautiful and fast」は芸術作品と言えるね。今やっているRETORTION TERRORも。これは彼にしてはシンプルなリフが多いよね。


ーお~!僕も超大好きです! MORTALIZEDが2017年に1回だけ復活したの知ってますか?
ライブを観たのはそれが最初で最後でした。
MORTALIZEDは最高だよ!ほとんどのリリースを手に入れたと思う。見つけるのが難しくて集めるのに何年もかかったよ(笑)
あとは、日本のグラインドコアなら324も忘れちゃいけないね!

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―今後の予定を教えてください。何か決まってる予定はありますか?
個人的にはJÄRNBÖRDでアルバムを作ってて、これはうまくいけば2021年の間にできそうかな。
RESONANCE CASCADEに関しては素材を書き続けるつもりだし、2021年中にレコーディングを始められるかもしれない。ドラムのArvidはENTRAILSでレコーディングしてるところだし、シンガーのJohanは父親になったばかりだから今はそれに忙しくしているんだ。でもRxCXは必ず戻ってくるよ。


―Johanおめでとう!父親であることは素晴らしい。ウチの息子は来週2歳になります。RxCxのリリースにはいつでも協力するんでぜひ声かけてください。
お!息子さんおめでとう!素敵な誕生日を迎えられるといいね!
まあ、そんな感じで仕事は多いけどやりがいがあって楽しんでる。新しいものが収録されたら必ず知らせるね!


―今日は協力してくれてありがとうございました!
サポートありがとう!you rule!


<Interview&text by JAPAN(yosuke harada) / ESAGOYA Records>