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どうしようもない心の穴を埋めるのはいつだって、音楽と日々のごはん。




楽器の知識も、ないけれど。恥ずかしくて書けてなかったけどギリギリで書きます。伝わったら、いいな


夜にしがみついて、朝で溶かして。全15曲


01. 料理
大切なアルバムの1曲目。
クラップ音が楽しい、ビートの速い音で。
アルバムの最初の曲としてドキドキワクワクを最大限に引き上げてくれるのと同時にクリープハイプだー!!!と好きが大爆発した曲。

情熱大陸で聴いたあの音が、アカペラで聴いたあの歌詞が、こんなに疾走感のある曲だったなんて!と初めて聴いた時は驚いた。
愛と平和を煮締めて味覚を馬鹿にして笑う、夫婦2人がお互い味覚を(感覚を)ずらして見て見ぬふりをして生活していると読み取れる歌詞。
"滲んで千切れたレシート、ポケットの中に張り付いたゴミ"このレシートで浮気を知ったのだと思った。(不倫ドラマの見過ぎ)
後日、尾崎さんの歌詞解説を見て実際は違ったけど、心中オチもありだよなぁと言っていたし色んな解釈ができていいなぁと改めて歌詞を読むのが楽しくなって。
"箸の持ち方で真ん中が分かる"
箸と端。箸の持ち方で人となりが見えてくるこの一行だけで相手のことを推し量ることができる表現。
いやあ、本当にすごい。
歌詞の中で夫婦と分かる言葉が"妻"しかなくて、それも"ツマ"になってるから、聴き手が夫婦じゃないと当てはまらないわけではなくて、等しく好きな人と生活したことある人々にも伝わる曲。

この曲の歌詞の好きなところは奥さんが夫を疑いつつも、ちゃんと好きだと分かるところ。
焦げても焦がれて食べるし、やっぱり横にはツマで、人生は2人らしい味付けで出来ていて、"残さずに全部食べてみろよ、だけどさ"は全て気持ちを受け止めて見せてくれよと言っているみたいで。

来年のツアーで聴くのが楽しみ。もちろんアルバム曲全曲楽しみで仕方が無いのだけど。クラップ音に合わせて手拍子してもいいのかな、とか。サビの幸慈さんのあの耳に残るギターリフを生で聴ける日が待ち遠しい。


02. ポリコ
カオさんのめちゃくちゃにかっこいいベースから始まる2曲目!最初から最後まで拓さんの安定の存在感とリズムが心地いいバンドサウンド。

年末にこのライナーノーツを書きながら、大掃除、擦って擦って擦りまくってます。
大掃除で思うことは、あの人に言ってしまった事も過去も掃除して消せたらいいのになぁと。年末にさ、なんか思い出したくないこと思い出しちゃったりしてさ。消えないんだけど、なんかムカつくから馬鹿野郎〜!!って叫んだ。(心の中で)

ポリコ、とはなにかとなったのだけれど、"ポリティカルコレクトネス=政治的な正しさと訳される。人種、宗教、性別、職業、年齢などに対して差別的な表現を避けること。"がポリコレの意味らしく。

言葉が好きで言葉にする事で伝え、楽曲を作る尾崎さんにとってこれは曲者そして嫌なモノなのかなって思った。不自由さが良いと言う時もあるけど。
歌詞にも使える言葉、使えない言葉が増えていく世の中への不自由さ、表現に対する世間からの妨げを最大限に揶揄して曲にしてモノにしているなぁかっこいいなぁ。
ポリコから生まれたアニメーションがハイパーポジティブよごれモン!まずアニメーションが出来てから主題歌担当じゃなくて、楽曲からアニメーションができるのはそれ程に意味も詰まっているという事。
内容がブス、金魚の糞、負け犬だとか。
現代で言っちゃいけない言葉の捉え方を真逆に最高にポジティブにしちゃう汚太郎のお話。YouTubeでも観れるので是非観て欲しい……!
可愛いキャラクターと言われたら嫌な気分になるはずの言葉をハイパーポジティブに変換するアニメ毎週楽しみにみてた。2022年、わたしもかっこいいサビだらけの人間になるぞ…!


03. 二人の間
ダイアンさんお2人への提供曲。
ファンとしてどうすべきか悩んだそうで。
わかるなぁ、わたしクリープハイプのこと3分40秒で素晴らしさを纏めるなんてそう簡単に出来ないもの。
素晴らしさを知るからこそどうすべきか、尾崎さん的に色々悩んで語るべきか語らざるべきか、でダイアンのお2人の好きなところ独特な間をコンビらしさとして題材にして曲を作ったとのこと。
いや、ほんとに、ゴイゴイスーです尾崎さん。
歌詞の殆どが相槌で意味の無いない言葉の掛け合いでそれが会話になっていて。言わなくてもわかる2人の間柄がよくわかる曲だった。打ち込みの音も楽しくて、キュルキュルいってる音は笑い声のサンプリング逆再生!すごすぎる。ダイアンお2人へのリスペクトもバンドマンとしての楽曲への拘りも120%でていて痺れた。この曲がダイアンさんのファンの方々から褒められてるのをYouTubeコメントでみて、そうでしょう〜??すごいんですよクリープハイプは〜!って嬉しくて。
ダイアンさん来年のツアー乱入、期待してます😌


04. 四季
4曲目だから四季。四季だから4曲目。
奇跡体験!アンビリーバボーのED。
拓さんのドラムの音でくるぞくるぞ…と心拍数も口角も上がってしまう大好きな曲。
配信シングルとして2021年4月に聴いた時とアルバムの流れで聴くのとは浮き上がり方、曲としての感じがまた変わるなあとフルで知ってる4曲目で実感。

この曲はコロナ禍にリモートで出来た曲、、、
リモートで!?わたしは曲作りも詳しくないし、楽器に触れたこともないけれどリモートで出来るものなのか!?って目ん玉飛び出るほどびっくりしました。(やめろ)

春夏秋冬四つに区切って音を変えていて、あーどの季節も好きだな、四季のある日本に生まれて良かったとさえ思った。
"年中無休で生きてるから疲れるけどしょうがねー"
常に肩肘張って生きて疲れてるのは私が弱いからじゃないし疲れるのも当たり前!だよね!

"熱くて蹴っ飛ばして寒くなってまた抱きしめたりして、叩かれて干されてもまた包んで布団みたいな関係"
当たり前にいる関係を布団で表していて尾崎さんの日常から切り取るこういうところ、めちゃくちゃに好きなんです。
"生きててよかったと思って意味なんてないけど涙がでた"で、生きててよかったって歌詞なかなか無かった気がして。このコロナ禍でなければなかった生きるということに対する素直な気持ちな気がした。
世の中を脅かしたウイルスのせいで失ったものもあるけれど、こうして新たに曲に昇華していること、改めてすごい。数年先か数十年先か、歳を重ねてふと思い出した時にそういえばコロナあったなぁと思える未来が待ち遠しい。
あー、生きててよかった。この曲も、アルバムも今こうして聴けることが嬉しいな。


05. 愛す
ブス!愛す!愛あってのブス!BUS!
AC部のMVもめちゃくちゃではちゃめちゃだけど幸せな物語が愛おしい。
2019年12月配信、衝撃だったMVも曲も歌詞も。

"逆にもうブスとしか言えないくらい愛しい"
付き合いたてじゃなくて年月経った2人の照れ隠し、愛のひっくり返しのブス。好き。
言葉遊びが楽しくて、"黄身と君"とか"ブスとBUS"とか。
ベイビーダーリン会いたい、あ、今いい、曖昧、、
歌いたくなっちゃうフレーズと歌詞の韻。
会いたいような気がしないでもない後悔に、わかるわかると共感した。認めたくない名残惜しさというか、好きだけど戻らないぼんやり引き摺ってる感情。
自分でその手を離したくせにね。
この曲に出て来る女の子が好きすぎて、居酒屋連れてって馴れ初めから別れまで話してごらん?って聞きたくなった。

"ねじれてもう戻らない、見上げれば空には月"
どこにいても見える月にどんな想いを馳せるのか。月が綺麗だねって言われたのかな。同じ月の下って言われたりしたのかな。最後の締め方もすごく良くて、物語の終わりです!って感じのわかりやすくて可愛らしい感じ。


06. しょうもな
愛すからのしょうもな。意味がある並び。
愛すでのブスという言葉に対する一部からのアレを言葉遊びで追撃、追い討ちかけて「だから遊びなんだって!」と分からせてくるパワープレイ。
全速力で駆け抜ける曲。
かわいいイントロからの、ドラム、ギター、ベースの音がクセになる。
そう、ダンダンダン、バンバンバンです(伝われ)
ハチナイのOP。ワクワクしながらテレビの前座ってた。

お前にてめーに歌ってくれて、お前a.k.aファンの私としてはとっても嬉しいです。
この曲の歌詞どこをとっても遊びのオンパレードで知ったら最後、人に言いたくなること間違いなしの仕掛け遊びが堪らなく好き。

尾崎さんの外部から受けた怒りや悔しさを昇華して歌詞に、煮詰めて煮詰めてぎゅっとして、ここまで遊び尽くすところに当たり前だけど尾崎さんだ…と改めて思った。
"神様どうかこんな言葉が世間様にいつか届きますように"2回繰り返して強調して、最後まで皮肉。
MVのかてぃちゃんの世間様とかどうでも良さそうなところも良かった。


07. 一生に一度愛してるよ
7曲目といえば!愛してる今も愛してる!
メジャーデビューシングルで、社会の窓でラブホテルが盛り込まれている曲。
初めて聴いて歌詞読んだ時、うわー!ってなった。
本当に。大興奮大歓喜。

バンドと恋人の変わっていく様を逆だったらと歌う曲は、歌詞の中で過去の曲に触れるところがもう最高で…。
以前インタビューで、生きていて歳を重ねて環境も変わるし曲も変わる。ずっとバイトや下積みの話ばかりするわけにはいかないと尾崎さんが話していてそうだよなと思った。

今この時に受けた感情を曲にしているからこそ、過去のままであるはずなんてないから。
今は変わったと堂々と歌っていて嬉しかった。
変わっちゃったな、と言われることに対してのアンサー、最高です。打ち込みも新たな楽器を使っての製作も、流行に乗ろうとしているわけではなくてバンドマンとしてメンバー4人、曲を作る者として何時いかなる時も真面目にこの手はやった、これはどう?もう飽きたからこの感じは?と試行錯誤して生まれた曲達があるから違いがはっきりわかるのだと、なんか変わった〜と言う人にわかってほしい。
別に過去曲聴くなってわけじゃないからさ、、

"出会ったあの日は103です"からの
"一回も減らしたくない"
ラブホテルの"一回位減るもんでもないし"の逆なところも好き。ワガママな感じがすごく良くて、大声で一回も減らしーたーくーない!!!!って歌いたくなるリズムと尾崎さんの声。

クリープハイプと同じく成長し年を重ねることができて嬉しい。一生に一度なんて言わないから、一生愛してますから。この曲もバンドも。
2022年行けるライブ一回も減らしたくないな。


08. ニガツノナミダ
あぁ〜チョコ!
バレンタイン曲で、ソフトバンクのCM曲。
ずっとCDに入って欲しかった待ち焦がれてた。
嬉しい。
2分もない短めの曲なのに色んな言葉が詰まってる。
"やりました、良くできました" からの切り替わりもギターもかっこいい。
今現在も締切に抱きしめられて焦ってこのライナーノーツ書いてます。

09. ナイトオンザプラネット
クリープハイプの日に目にした光景、曲、尾崎さんのハンドマイク、忘れない。高校生の尾崎さん、あの日からこの曲ができるまで一つの線がまとまってこうしてできた曲はこれからずっと愛しく、大切に聴き続けます。

バンドにとって大切な曲。

これから公開のちょっと思い出しただけ、先行で見たけど素晴らしかった。

沢山書きたいけれど、なんだか恥ずかしいな。



10. しらす
カオさんのしらす!
尾崎世界観の日で初お披露目だったかわいい振り付けの、生きるということの連鎖を歌った曲。
このアルバムの中で一貫して感じる、生きること食べることへの纏まりを出しているなあと思った。
尚且つすごくカオさんらしくて尾崎世界観の日で聴いたのとはまた違うバンドアレンジもすごく好き。
"食べて眠れるありがたさ"
当たり前を当たり前と思っちゃいけない、子供が産まれたら聴かせたい。

"進めよ進め、足音立てて御馳走様を心に留めて''
"疲れたならね座ったっていいさ 旅の終わりに謝りに行こう.天の川へ続く道"
優しい歌詞に、ふと涙が出る。辛い時でも食べなくちゃ、生きないと頂いたものに失礼だもんね。
最後の度の終わり、と天の川へ続く道は死を表しているのかなーと思った。生きているからこそいつか死ぬ、だから踏み締めて生きなきゃね。
あと甥っ子ちゃん達の声可愛すぎる。


11. なんか出てきちゃってる
不気味で訳がわからないのに何度も聴いてしまう曲。
幸慈さん全開。ライブどうなるのかしら。

偶然ネジが緩んじゃって出てきてるものは何なのか考える日々。あー、なんなんだろう。出してくれ、見せてくれ。。
"お前って言っちゃいけないんだけどさ、お前にだけはお前って言うね."
"だって俺とお前の関係性があるんだから、それは許されるよな''でポリコの回収なのかなと思った。お前で良いですお前でお願いします。
"ねぇどうする?"後のギターも良いッ!
2分55秒の不思議な不気味な曲、この曲がしらすの後に流れないとダメな身体になりました、中毒〜!!
つい口ずさんでしまう偶然ネジが〜偶然ネジが〜緩んじゃって〜♪


12. キケンナアソビ
大正琴で始まる曲。
花魁の様な雰囲気もあって好き。
MVの行為や相手に執着していない感じとか。
しちゃいけないアソビの歌、お風呂で流しても首から上は残して。なんて歌詞尾崎さんだ…とみんな思ったはず。尾崎さんはインタビューでらしさを少し引き受けて書いているところもあると話していたけど、どのみちこう言うアソビのあるストーリーと歌詞は尾崎さんしか書けないと思ってる。

"夢みたい夢みたい夢みたいな話"
"なんか馬鹿みたい馬鹿みたいほんと馬鹿みたいだな"
ここの繰り返しで前の歌詞でこうだったら良いのになと言ったことに対して現実を見せているところとか、"馬鹿みたいだあたし"と自覚して歌うところも良い。
2021年沢山フェスで聴けて、ツアーで聴けて嬉しかったなぁ。ピーのところいつも少し違くて、絶対観客の反応遊んでる、、!とさえ思ってた。
来年も遊んでください。


13. モノマネ
ボーイズENDガールズの続編。
モノマネし合えてると思っていたのに全くできていないひどいモノマネだった恋人同士の曲。
"いつもとおんなじ道を歩いて いつもとおんなじ空を見る" "おんなじ家に帰る幸せ おんなじテレビで笑う幸せ"2人で過ごした生活が見えてくる歌詞、身に覚えがあるから辛くてでも愛おしかった日々。

"似てないのはもしかしたらひょっとしたらひょっとした"、ひょっとしたこと、ある。
ふとズレを感じてその違和感を見て見ぬふりして。やっぱりあのズレからダメなったんだと気付いた時には大抵遅いんですよね。尾崎さんすごいなあ、、

"ある晴れたそんな日の思い出どこにでもある毎日が今もどこかに続いてるような気がして、探して"の後のギターの音、終わりに向かっているのがわかるし段々と諦めがつく感情の動きもわかる。
はやくライブで聴きたい。

14. 幽霊失格
イントロのドロロロロ、不気味なお化け屋敷みたいな音が幽霊、とダイレクトに伝わる不思議だけどその音が馴染んでいてすごい。

"成仏して消えるくらいならいつまでも恨んでて"
消えた相手を想う気持ちでその相手を幽霊として見えてしまう気持ちの強さ。願っても戻らないけど一目見たい姿、声も仕草も忘れられないのもすごく共感した。
いつもは幽霊怖いのに見えたら良いのになぁとさえ思った。

能の隅田川で親が会いたいばかりに子の幽霊を見る場面あったなと思い出して。やっぱりいつの時代も愛しい人を想う気持ちで幽霊でも良いから会いたいと想うのは共通なのだと思った。

尾崎さんの優しい歌い方も、歌詞の持つ優しさも大好き。


15. こんなに悲しいのに腹が鳴る
生きたい生きなければと思わせてくれる曲。
最後の

こんなに悲しいのに腹が鳴る、生きていて一度は感じたことある。そんな感情の中なにかを食べることが悔しいし、食べてる自分が無性にかっこつかなくてダサくてどうしようもないのに腹が減る人間臭さがある。

尾崎さんの生命への執着のなさや儚さの印象が180度変わる曲で、優しくて最後寄り添ってくれるような歌詞が好きだ。
"生きたい 生きたい 死ぬほど生きたい"
意外、だけどらしい。そんな風に思った。

終わりにつれて繰り返されるギター。
何度も繰り返しでスッ…と消えてく。
また料理へ、ループ。

ライブの最後に聴けるのだろうか。
これからも生きていきたいずっと。
食べて寝て、当たり前を過ごしていく。


曲に包まれる夜を重ねて。夜にしがみついて朝で溶かして。を繰り返してツアー初日を待つ。

#クリープハイプ
#夜にしがみついて朝で溶かして
#ことばのおべんきょう  

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