見出し画像

貸衣装屋さんで短期間お仕事しました

前回のお話はこちら

離婚する直前に少しだけ働いた時のお話です。

貸衣装屋さんでバイト

結婚生活を続けていくことが
無理だと確信してからすぐの事。

私は「とにかく収入源がないと…」と
近所を車で走っていたその時

『急募』

貸衣装屋さんの出入り口に
貼られていた求人の紙を見つけました。

すぐに家に帰ってから
貸衣装屋さんに電話し面接の予約を取り
履歴書を全て書き上げて準備を済ませました。

後日、面接がお店で行われました。
結果は、採用との事で即日働くことに。

そもそもですが、なぜ接客業を選んでしまったのか…。

接客業は苦手

ずっと事務職で働いてきた私は
高校生の時にファミレスでバイトしたくらいで
接客業の経験などほぼありません。


ウェディングドレスを見に来られた方
成人式の衣装を見に来られた方
七五三の衣装を見に来られたファミリー


お客さんの層は幅広く、対応するのが
どんどん怖くなっていくのでした。


とにかく喋るのが大の苦手。
何か聞かれても「はい・いいえ」だし
「確認してきます!」と店長に
すぐ取り次ごうとしてしまったり…。


『私は店員さん無理だなぁ…』


そう思いつつも、出来る限り頑張っていました。

着付けのお手伝いに入ったり
ドレスのサイズ調整の補助をしたり。

たまにウェディングドレスとタキシード
結婚式に使用する小物をセットして
挙式前日に会場まで運ぶ仕事もしていました。


結婚式の衣装は、控室に置くだけではなく
壁掛けのハンガーにかけ直して裾を広げ
綺麗に整えるところまでを行っていました。

この綺麗に整えた後のドレスを眺めるのが
心が温かくなるひと時でもありました。


ホッとするんです。


『私はやっぱり裏方の仕事かなぁ…』

表に出て働くよりも…

私が大好きだったのは
結婚式が済んで戻ってきた衣装の
汚れ取りや、破れの補修で裁縫する事でした。


そんな中でも特にワクワクしていたのは
ドレスの破れ等のお直しでした。


お客さんによっては、本当に激しく
汚したり破いたりしてしまうのですが
それを元に戻せると、とても気持ち良いのです。


『綺麗になった!やった!』


補修後の店長チェックでお墨付きをいただき
次に使うお客さんが喜んでもらえるのを
想像してお手入れをする事が楽しかったです。


しかし、長く出来る仕事だという自信はなく
また事務職を探し始めたのでした。

正社員の事務職を探す

バイトの休みの日に転職活動。
何度も何度もハローワークに足を運んでいました。

ある日、地元のとある会社が『事務職』を募集しているのを発見!
私はすぐに日程調整をしてもらい、後日面接に行くことになりました。

この時、私は26歳の年…。
そして離婚目前という目まぐるしいほどの環境の変化でした。


後日…


携帯に電話が鳴り、「あなたを採用します」とのお返事が来ました。

「ありがとうございます!」

私は、また正社員へと戻っていくのでした…。

店長さんに感謝

貸衣装屋さんの店長は、転職に関して応援して下さいました。


そんなある日の事…


取引先の衣装メーカーさんが最新の衣装を持ってお店に来られました。


店長が選ぶウエディングドレスは、続々とレンタルの予約が入り

挙式の日程が重なって着ることが出来ない新婦さんが出てしまうほど

可愛らしいとかシルエットが綺麗とかチョイスが本当に素晴らしいのです。


さて、新作どれを買い取ってお店に置こうかという話から

真っ先に「これを見てみたいよねぇ」と私の方に目を向け…


「あっ!そうだ!あなたモデルで着て見せて!

もうすぐいなくなっちゃうし、記念に着てみたらどう?。」


半ば強引ではありましたが、店長はチェック柄のカクテルドレスと共に

私を試着室に引っ張り込んで、試着が始まりました。


『あぁ…ドレスをまた着る日が来るとは思わなかった(笑)』


私は、もう2度とドレスを着る事はないと思っていたので

店長の粋な計らいに心から感謝しました。


離婚間近の女性を雇ってくださって

最後はこうして見送ってくださる。

本当に素敵な環境で働かせていただきました。


数週間後…


貸衣装屋さんの前を車で通った時のこと。

ショーウィンドウには、あの時試着したカクテルドレスを着た

マネキンが飾られていました。


「やっぱり店長、このドレス選んだんだ!」


何だか嬉しい気持ちになりながら、通り過ぎました。



さて、事務職に転職した私がどうなっていくのか…。

次回に続きます。

闇深いなかに何か光を感じるものがありましたら、サポートお願いいたします。 いただきましたサポートは、さらなる精神の進化・魂磨きを行うための学びに使わせていただきます。