本命はAR/MRであり、VRの延長線上に未来はない

VRは仕組み上どうしても矛盾を抱えているので、本命はAR/MR(か、それをベースにした新しい流れのVR)だと確信したという記事です。先日Oculus Questの記事を書いたんですが、VR元年は来ても少なくとも現行の技術で作られるVRの延長線上に未来は無く、今までと同じくずっとVR元年が続くという認識になりました。

VRの抱えてる致命的な矛盾

VRゴーグルをかぶると、プレイヤーの視界は全て3Dグラフィックでレンダリングされます。そこには一切現実空間(物理世界)は存在しません。全てコントロールされた没入度の高い世界を作り出す技術がVRです

いくつかの体を動かす系ゲームをやってみたんですが、どれも致命的な矛盾を抱えてると僕は感じました。

VR空間内の認識と物理世界がかみ合わないのです。

VR空間内では広く感じる為に、タガが外れて、思いっきり力を込めた動作をする可能性があります。

例えばSairentVRをやるじゃないですか?気づいたら物理世界のオブジェクトを強打してるんですよ。指骨折はしてないと思うけど数日経ってもまだ微妙に指に痛みが残っています。これは前回の記事にも書いたことです。

SUPER HOT VR をプレイしたんですよ。物理世界のコップを割りました。あと、ゴーグルを外したら体そのものの角度が90度左側にずれてました。

体を動かす系のVRコンテンツでは、無理矢理首をねじったり、身体の向きをを変えたり、手を伸ばしたりするような動作が増えてしまいます。

あと、度々転ぶというか尻餅をついてしまいます。今のOculus Quest のヘッドトラッキングとかスゴイと思うけど、それでも完璧じゃないんですよね。平衡感覚にバグが生じる。

VRゲームやるときは絶対足下に、人をダメにするソファーを置いておくべきです。尻餅付いても安全な状態じゃないとプレイしてはいけません。

ゲームとしてはSUPER HOT VRはめちゃくちゃ面白いです。ほんとに面白いんです。クリアしました。ほんと面白かったです。SairentVRはゲーム自体があまりにもにゃーんでしたけど。

でも、いくら面白くても、物理世界とのかみ合いが悪すぎて、総合的な体験としてははっきり言って悪すぎます。

最低でも欲しい機能

今回の僕の体験は部屋の狭さという要因があることはもちろん否定しないですが、広い部屋でも物理世界の状況は自分以外の要因によって変化しうるものです。動物や同居人、幼児、そういった動的な存在が急に割り込んでくる可能性もありますし、さっきいったようないつの間にか90度ずれていたら、安全だと思ってたのに安全じゃ無くなってることもあります。

物理世界と初期設定の向きが異なった場合、それとなくVR世界内の操作だけで元の角度に戻す、物理世界のオブジェクトを検知して、それに当たらない為のゲーム演出と操作方法(身体の制御方法)を用意するというのは、絶対に必須機能だと思いました。

VRは没入するための仕組みですが、没入するが故に物理世界と容易にコンフリクトを起こすのです。

多分SAOみたいなVRのゲームが登場したら間違いなく部屋と自分の肉体を破壊してるでしょうね。これはもう1Kiritoを掛けてもいいです(1Kiritoが何に該当するかは知らんけど)。

実際Oculus Questは外部計測カメラを持っているので、対処できるはずなんですが、VRコンテンツで、外部とのコンフリクトに配慮してるものはありません。僕がいくつかプレイした有名タイトルの範囲で、ですけど。

せっかくOculus Go / Quest ではケーブルという物理世界から切り離されて、VR体験として圧倒的に良くなったのに、結局そういう細かいところで、全体としての体験が悪化しています。

Beat Saver は 90度/360度とかじゃない限りそういったことが全くありません。ほんとこのゲームしか人にお奨めができない。

あとはアドベンチャーゲームや動画鑑賞や、僕はやったことが無いですがVRChat はいいと思います。でも、VRでは無難なコンテンツは結局体を動かさなくても済むコンテンツってこと?

やっぱりAR/MRしかないのでは?

AR/MRであれば、最初から物理世界に配慮した設計になります。

たとえばApple社は明確にARを打ち出しています。ARKitというそのものずばりのソフトウェアフレームワークを提供していますし、iPadProではカメラにLiDARが搭載されるなどAR寄りのハードウェア開発体制にも入っています。そのため、今年か来年にARグラスを出すのでは?という噂があります。

LiDARは物理世界のオブジェクトとの詳細な距離を計測する装置です。たとえば、VRデバイスにLiDARを搭載すれば、今よりも確実に物理世界とのコンフリクトを防ぐことができるでしょう。

Oculus Questではカメラを搭載したことで、これまでのデバイスよりは遙かに良い体験ができますが、それでもガーディアンの設定は手動です。LiDARがあれば、それも全自動になるはずです。ゲームによってはクソの役にも立たないガーディアンですが。

ガーディアンがあっても、少しの間合い踏み込んで剣を振れば敵を倒せる状況だとガーディアンって、あったとしても無いのと変わりません。

視界を全てレンダリングしてコントロールできる以上、その人が物理世界において怪我や破損を防ぐ義務、安全確保の義務はVR(コンテンツ及びハード)にあります。

VRでもLiDARを使えば物理世界とのコンフリクトは今より防ぎやすくなるはずですが、カメラを搭載しているOculus Quest でも、物理世界に配慮したコンテンツが無いという現状を考えると、VRコンテンツを作ってる人たちは、物理世界とのコンフリクトによる体験の低下や、利用者の安全を守る気がないのでしょう。

先ほども言いましたが、AR/MRは違います。最初から物理世界に根ざしたものです。

まだAR/MRがもたらす体験がどうなるのかは、体験をしたことがないので分かりません。VRほどの没入感はないかもしれませんが、それでも圧倒的な体験の悪さになることは無くなるでしょう。

結論

VRは物理世界とのコンフリクトのせいで体験が悪いため、今のVR技術の延長線上には未来は無いと感じました。PS4よりも遙かに高い値段のOculus Questですら、まだ解決される見込みがありません。

先ほどもいった通り、コンテンツ提供側に、物理世界とのコンフリクトにより体験が悪くなっているという認識がないのでしょう。

AR/MRは、LiDARを搭載するなど、物理世界との融合を元から考慮できるため、こちらはxR技術の中でも、VRよりはよほど可能性があります。

もちろんそういったAR/MRの技術がVRに流入することで、物理世界とのコンフリクトを完全に防ぐための技術・演出・操作方法などが実現されることにより、今よりも良い体験のできるVRが登場する可能性も十分あります。

しかし、それはもう現行のVRという概念・技術ではなくて、AR/MR技術の延長線上にある新たなVRであるはずなので、結局AR/MRの技術を先に押さえた方が、VRも込みで市場を押さえられるはずです。

VR元年のまま数年経過しても状況が少しずつしか進化できていない、コンテンツ増加や市場の拡大が進まない背景というのは確実にあると考えられます。

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