もう一度その意味を考える
涙が出ます。これは何の涙かと考える。本当の美しい心の涙か、偽った私の演技の涙か。
迷っています。自分自身とさえ不自然なまでに向き合えないような、不真面目で不安定な日々の中で。
過去に確かに交わされていた笑顔と心も、第3者であるにも関わらず、私だけ一人で必死に抱えている。引きずる荷物が大きすぎては、きっといつか疲れ果ててしまう。そんな滑稽な話があるかな。
唯一この私の海馬にだけ記録されている記憶たちの脆弱性が、私を不安にする。誰かと共有することができるなら、安心する。でも、大切な人たちは決して私の予備のメモリーカードではない。
ただ、ある日あるとき、誰かの口から発せられ、その言葉の端々の純粋すぎるままに、また別の誰かの心の琴線に真っ直ぐに優しく強く触れた言葉さえ、消えていってしまうのかも知れない残酷さに対する、虚無ともいえる感情が怖いのです。これだけは私の心にのしかかる重い重い「本当」です。
できることなら、永遠に綺麗なまま抱き締めていたい。しかし、そうしていられない未来の存在を私は知らなかった。馬鹿正直な未熟者だった。
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